ep.4
「帰ったぞ」
「遅かったな。どこぞで野垂れ死んだかと思っていたところだ」
「ハッ! お前のような脳筋バカと違ってワシには魔法がある。お前とは違うのだよ、お前とはな」
扉を開けた先に待っていたのは筋肉隆々の大男だった。
が、急に目の前でバッチバチに火花を飛ばし始めるなよ……
「客か? こんな僻地にまでやって来るとは随分な物好きだな」
「ですが、今までに見た事のない方のようですね。旅のお方ですか?」
大男と少女が互いに言い争いながらどこかへ消えたと思ったら、家の中から眼鏡をかけた神経質そうな男とシスターがでてきた。
「あー、こっち……フリヘイトに来るのが初めてでな。気づいたらそこの平原にいたんだ」
「異界からの旅人でしたか。それはそれは、また随分なところに飛ばされてしまいましたね」
「随分とは、言ってくれるじゃないか。これでも俺たちの故郷なんだがな」
冗談ですよ、とシスターがクスクス笑う。
「まぁなんだ。何も無いところだが、茶くらいはだせる。あのバカ2人が戻ってきたら近くの街まで送ろう」
「いいのか?」
「この辺りはまだ平和だが、村の先にある森は危険だからな。時々異界人が森に入ってはコテンパンにやられているそうだ」
肩を竦めながらそう言う男。
多分森の奥に何かがあるんだろうな。
あとで軽く調べてみるか。
「自己紹介がまだだったな。俺はリベット、異界人でこの世界を旅したいと思っている」
「俺はセトル。一応は賢人をやっている者だ」
「私はソレー。シスターをしております。リベット、貴方の旅が無事であることをお祈りしています」
シスターに祈られるのは初めてだが、少しいいかもしれないな。
「あぁ、そうだ。あともう1人いるんだが、少しワケありでな。見ても驚かないでくれ」
「多少のことでは驚かないつもりだが……」
「……ミウロゥ、客だ。リベット、彼女はミウロゥ。かつてこの村で起きた惨劇から生き延び、呪いに苛まれ、復讐の旅の果てに敵討ちも出来なかった女の子だ」
セトルが少し横にずれ部屋の奥を見せてくれた。
そこには正座をし目を瞑っている少女がいた。
髪は……真っ白か?
よく見ると右の袖がダランとしていて手も見えない。
セトルの声に反応したのか目を開けるも、右目が開くことは無かった。
今回もお読み頂きましてありがとうございます。
実は彼が勝手に言ってるだけ説があったりなかったり。




