『挿絵有り』レナピンチ!出逢いの儀と魔動祭とゴブリン
第1会議室
そこにはリズベル、サニー、ローニャが居た。
「あれ、リズベル達じゃないか。」
リズベルとローニャが専門科実行委員、サニーが高等科生徒会の仕事だった。
動魔祭
それはこの国の運動会と文化祭を合わせた様なイベントで、初等科動魔祭、高等科動魔祭、そして高等科学校対抗動魔祭がある。
高等科学校対抗動魔祭は各学校の高等科動魔祭で活躍した選手が選ばれて、競い合う部活の全国大会みたいなものだ。
それでなんで俺達がここに呼ばれたかと言うと、例の屋上の件で初等科の生徒が誰も魔導祭に出たがらなくなった事が原因らしい。
たくさんの親から現役の軍人が出場したら、うちの子が活躍出来ないと苦情が殺到しているそうだ。
俺達だって子供なのにな。
そこでもうめんどくさいから、俺達に初等科の動魔祭を欠席させ、その代わりに高等科代表として、学校対抗戦の方に出場させようという話だった。
ん?
「学校対抗戦?高等科動魔祭じゃなくてか?」
俺は当然の疑問を口にする。
その疑問にはサニーが答えてくれた。
「そうなのよ、すごいでしょ。
それにもちろんメリットもあるわ。
進学にはとっても有利だし、なんと大会中は課題のプリントさえ出せば学校を休めまーす。
では参加届け出しときますね。」
「ちょっと待ってくれ、サニー。
俺達が急に高等科代表になったら、高等科のみんなは文句言うんじゃないか?」
「それは大丈夫だから、早くここに名前書いて。」
怪しい…、何か怪しい。
「リズベル、小隊長として命じる。
詳細な情報を寄越せ。」
「それはズルいですよ、フレズ隊長。」
サニーはガックリとうなだれた。
真面目なリズベルは学校対抗戦の実態とサニーの企みについて詳細に説明してくれた。
学校対抗戦それは酷い出来レースだった。
元々通える学校は成績順で決まるのだから、俺達の学校が勝って当たり前の戦いだった。
つまり貴族が平民に勝ってるのを見て楽しむ会になっていると言う側面があった。
それに大会の結果が進学に有利なのは、下の学校の生徒が上の学校を狙う時だけである。
元々一番上の学校の生徒には関係なく、しかも学内のテストや軍の採用試験とも重なるから余計に人気がない。
学内のテストさえちゃんとすればそのまま進学できる人間にとって迷惑なだけの大会だった。
サニーは観念して話す。
「というわけで、生徒会で推薦入学が決まってる上に、既に軍にも所属している私が押し付けられたっす。」
大会の参加人数は8人か、さすがにサニー一人で8試合は無理だ。
「俺はいいよ。」
「私もよ。」
これで3人。
「俺とレナが2試合ずつ出てもサニーは4試合か、リズベルもローニャも出れないし困ったな。」
「お困りの様ね少年。ここはひとつ私が手を貸してあげるわ。」
金髪縦ロールの美女が現れた。
制服はサニーと同じ制服とは思えない程改造されており、ミニスカートになっている。
「私が4人目のメンバーよ。」
「はい、ターナが参加と。」
サニーは淡々と書類を作成してながら俺達にターナを紹介してくれた。
「彼女はターナ、私と一緒で魔導剣士よ。
勉強の方はちょっと残念だけど、実技は私より上よ。」
「残念ではありませんわ。
大会に参加すれば課題のプリント提出で単位が認められるのですわ。」
「うん、よくわかった。
じゃあまた土曜日。」
俺達は帰ろとするとローニャに呼び止められた。
「今週の土曜日は出会いの儀ですよ。
フレズさんもレナも良い人が相手だと良いですね。」
「あっ、ああそうだな、じゃあまたな。」
俺はその話しには付き合わずに帰った。
レナの相手が来るかどうか心配だったからだ。
ーーー土曜日。ーーー
俺は出会いの儀をすっぽかした。
レナの相手がどんな反応するのかわからなかったからだ。
もしレナが結婚出来なかったら俺がレナと結婚する。
俺はそう誓い一心不乱に剣を振り続けた。
そんな俺の耳に兵士達の話し声が聞こえてきた。
「おいおい、あれは前代未聞だぜ。
レナ様のお相手が現れなかったらしいぞ。」
「俺、受付警備してたから朝見たぞ。
あんな綺麗なドレス着て相手が来ないとか晒しもんだろ、俺だったら生きていけないよ。」
「それでも泣かずに耐えておられたもんな、さすがレナ様はすげえや。」
最悪だ。
最悪のパターンだ。
レナの相手は来て婚約を断るどころか来なかったらしい。
レナが心配だ、レナ、レナ、レナ。
俺は城を走りまわる。
城門の兵士にレナを知らないか聞く。
「えっ?
レナ様なら一人で湖の方へ出撃なされましたよ。
フレズ様の命ではないのですか?」
ヤバイ。
俺はリズベル達に伝えてくれと伝言を頼み馬に飛び乗った。
ーーー森の中ーーー
その頃レナはオークとゴブリンに襲われていた。
やけになったレナは一人でゴブリン達に闘いを挑んだのだ。
最初は二匹のゴブリンを奇襲して倒したら直ぐに撤退するつもりだった。
しかし、レナ一人の火力ではいくら奇襲でも倒しきれなかったのである。
いくらレナが天才でもまだ10才になったばかりだ。
才能はあってもまだまだ実力不足だった。
あっと言う間に仲間を呼ばれ、ついにはオークにまで合流されてしまった。
ゴブリンの弓がレナの足を射抜いた隙に、オークがレナを棍棒で殴り飛ばした。
回復魔法が使えないレナは、足に刺さった弓で動けない。
この足では剣もまともに振れない。
「こっ、こないで。ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ、ファイヤ…。」




