表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/32

何でもないもの  (補足章 最終話)

この話は、補足章最終話です。

本章の続きを書く予定はないのですが、その後の話として掲載するものです。


この最終話を読むと、もし本章を続けることになった場合、その面白さが半減する可能性があります。

その点をご留意いただいた上で、お読みいただけると幸いです。

 もともと地球に、翔一なる人物は存在しない。

 宇宙を生み出し続ける大いなる存在の、意識の一面からこぼれ落ちた何でもないものが、適当な宇宙の適当な星の適当な生物たちをもとに、適当に創り出した存在に過ぎなかった。

 何でもないものは何か面白いことはないかなと思っていた。そしてきまぐれに、何もしないある宇宙の管理者に、適当に創り出した存在の在りようを写してみた。


 適当に創り出した存在は翔一となり、そして何でもないものはローリー・フェイヴと名乗ってみた。地球のある物語サービスの読者たちの在りようが、自分と近しいと思ったからだ。「○○になろう」サービスのreaderだから、ローリー。好意ある(favorable)存在でありたかったので、フェイヴ。

 翔一と過ごす宇宙は楽しかった。何億年、何兆年と楽しい時が過ぎた。そして――


 翔一の在りようが摩耗を始めた。何もしようとしなくなる。パチンっ、と頬をはたいても、あの時のようには戻らない。

 ローリーは翔一を消滅させようと思った。ただ感謝の想いは深い。ローリーは翔一を、本当に地球に存在する人物にすることで還すことにした。


 こうして20世紀末の日本に、もともと存在しない翔一が誕生する。

 ローリーはとっても感謝していたので、とってもたくさんの翔一を誕生させた。そのうちの1人は後にショウに連なることになる。

 同じ名前で同じ容姿を持つ男たちが、互いに互いを知ることなく成長し、活躍し、その一生を終えていった。ローリーにとってはあっという間の出来事。一人ひとりを慈しみを持って見届けた。

 そして最後の、ショウであった翔一がその一生を終えると。


「ありがとう」


 もう白い空間は存在しない。

 もうローリーは存在しない。


 どこでもない空間で、何でもないものは、何か面白いことはないかなあと思った。



 完

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ