episode17
海聖高校編11話です。
後書きも見てください
「え、河川敷にボール蹴りに来たんじゃないの?」
奏真が発した予想外の言葉に呆れて、思わずため息が零れる。
「話聞きに来ただけなんだけど・・・」
「まあ良いや! 早くここ降りてあそこ行こうぜ」
そう言った奏真は、グラウンドっぽい土に少々雑草が混じった平らな土壌を指差した。
「え・・・ちょっと待っ・・・」
僕の許可を無視した奏真は、持っていたサッカーボールを僕たちが寝そべっていた丘の上から転がし、ボールと競争でもするかのようにそれを追いかけて行った。
「早く来いよー! 結構ここ蹴りやすいぜ」
ボールに追いついた奏真は片足で、ひょいっとボールを上げると、一定のリズムで右、左と交互に両足を使いながらリフティングを始めた。
「しょうがないな、今行くよ」
普通に生きている常識人なら、一つの議題に対して複数の意見を交える対話が可能だが、奏真の様な非常識人は、議題を提示したら誰の意見も聞かずに一人で行動に移してしまうので、他の意見を割り込むことができない。
だから自分が挙手した意見が折れるしかない。
「蹴也、パスしようぜ」
「うん、良いよ」
僕が丘を降りると同時に、奏真はこちらに向かってボールを蹴り出す。
僕の立ち位置に合わせて蹴られたボールは一ミリもずれることなく、丁寧に足元に収まった。
「何驚いてるんだよ、これくらい普通だろ」
「いや、それもあるけど奏真から始めてボールを受けたからさ」
収めたボールを左足で軽く踏み込み、右足のインサイドで返す。
「そういえば、ZONEの状態になってるの? あんまり様子は変わってなさそうだけど」
左足でトラップした奏真は僕の眼を見てツータッチで僕に蹴り返した。
僕は右足で収め、ボールの中心を見つめながら考える。
いつもならサッカーをしている時に限って、景色が暗くなったり、次の行動が予知できたりするが、今この状況にそう言った症状は見られない。
「多分、焦りと極度の集中が良い感じに混じって何らかの条件を満たしたら発動するんじゃないかな?」
「ちぇっ、見れたら面白いんだけどなー。あ、そうだ、一対一のボールキープゲームやろうぜ」
奏真は先程リフティングをする前見せたボールを上げる動作で、ボールを胸の辺りに上げてキャッチして見せた。
「じゃあやろっか」
この時期ってすぐ眠くなりますよね。
遅く寝ようとしても気づいたら電気つけっぱなしで寝ちゃっていたり。
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