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あるアラサー女子の恋もよう♪  作者: ステラ
第4章 アラサー女子のお仕事模様♪
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閑話8.豆まきから春を

やっぱり季節モノは書きたい訳です。

『『『鬼は〜外!福は〜内!』』』


「節分」

うちの会社は社内総出で豆まきをする。

立春前日の「季節を分ける」日。

冬から春へ季節が移る節目の日。

「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまき、邪を祓い、福を呼び込むことで繁栄を願う。といふ名目で実施される。


もちろん鬼役、福の神役も立てて豆をまく…というより投げつける。


『いってぇぇなぁ!もっとソフトに投げろよー!』と鬼さんが叫ぶも耳を貸すことはなく、ひたすら投げまくる。投げるものは豆袋ごと。さすがに大豆そのままだと、衛生面と精密機械への影響必至なので。


鬼役と福の神役は、社内の年男年女、あとは厄年の男女の選抜メンバー。

業務の都合で参加できない場合は、ちょっとしたペナルティが与えられる。しかし、ほぼペナルティを受ける人はいない…ところを見ると、この”ちょっとした…”と言うのが鬼役になるよりも酷なことだと容易に想像できる。節分の日は約束仕事は入れないようにしている年男年女、厄年の人が多いそうだ。


そうだ←というのが、実は私は役に当たる年に毎回なんだかんだで選抜チーム入りを免れているから。

やむを得ない出張や職場説明会などが多く、選抜メンバーには入れないという訳である。


しかし、まぁ…そのツケはやってくるもんで。対象者が少ないので、どーしても!と言われ年女でも厄年でもないのに、選抜メンバーに入ることになってしまった。

『おや〜?歳を誤魔化してる人がいる〜』

…チッ。そうだった…天敵こいつ企画者の一人だったよぉーー。

「どーーーぉしても!って言うからっ!やってるんでしょうっ?!あんたがすればいいじゃないのっ!」と言いたいのをグッと堪えて…大人ですから。ええ。


「歳を誤魔化してもまかり通るくらいの容姿を持ち合わせてる人は、そうそういませんわよっ」と、見事に…大人気なく対応してやりましたわ。ええ。


『しかもなんで鬼役とかするかな』と、隣で同じく鬼役をする牧くんが、鬼のお面を付けながらシラ〜ッとした視線をよこした。

「え〜…だって、そっちのが面白いじゃんねぇ?」と、ワクワクしながら私も鬼のお面を付けながら応えた。福の神役なんて後ろから、ツラ〜ッと出てきて豆袋をまく…福まきをするだけじゃん。そんなの面白くない。

どうせなら豆から逃げまくり、スポンジバッドで叩き回る方が楽しいと思いませんか?

ワクワクする…。


『はぁ…豆投げつけられたら痛いですからね。逃げるんですよ』いいですね?と念押された。ハイハイ。聞いていませんよーーー。


『では!参りましょう!』リーダー役?の年男最高齢が始まりの宣言をして、各オフィスに一気になだれ込む。逃げる。また違うオフィスになだれ込む。逃げる。をくり返す。


「はぁはぁ…意外に体力使うわこりゃ…」ちょっと体力のことまで考えてなかっ…たな。

『お!ここにも鬼発見!鬼は〜外!』と、隠れてたのが見つかって豆袋直撃っ…と痛みを覚悟して目を逸らして構えた途端、バチバチバチッと音が聞こえた…ん?痛くない?


と、そーっとそちらに顔を向けたら、何かに覆われて「暗い?」と呟いた…ら、

ポコんッと頭を小突かれた。

『だから鬼役なんてって言ったでしょ?』と、牧くんが私を庇って豆袋の直撃を食らってくれていた…。

「あー!ごめんね!痛かったよね?大丈夫?!」と焦って体を起こそうとしたら、頭をグリグリと抑えられて

『それはいいですから!ほら頭上げないで、そっちから廊下に出ますよっ』と手を引っ張られて連れて出られた。


はぁ…ドキドキしたぁ。

…いろんな意味で。



☆ ☆ ☆



…ったく。

なんでもかんでも請け負って。

お人好しにも程がある。と思ったら鬼だってぇぇ?!

こっちの身にもなれってのっ…


豆袋から逃げながら、彼女を目で追って探してる自分に呆れながら…


「ん?どこに隠れた?」

体力ないから、こうなるのは分かりきってたのにまったく…


途中で明らかに体力低下して、逃げるペースが落ちたのは分かった。

だって、ずっと見てたから。

ストーカーだキモいだ好きに言ってくれ…。


『お!ここにも鬼発見!』

その声に振り向くと体を躱して、豆袋の直撃を食らう寸前の彼女が見えた。


チッ!

だから痛いって言ってんでしょーが!


咄嗟にもこんなに体は反応するんだな〜と後になって思う。

寸でのところで彼女の体を覆い庇えた。

結構距離あったよ?俺凄くね?


バチバチバチッ!

背中に豆袋当たったけど、あれだな…アドレナリン放出のおかげか衝撃感じても痛くはない。


『…暗い?』と呟いたのを聞いて、ホッとしたのと…イラッとしてしまい思わず彼女の頭を小突いていた。

慌てたように我に返り、状況を把握したのか俺の容態を気遣うのを見て思わず笑った。


廊下に連れ出して、しきりに謝るので

「できればお礼の方がいいんですけど……」と耳元で囁いた俺をポカポカ叩いている彼女を見て

「たまには鬼役もいいですよね?役得役得♪」と笑ったら

『もうしません!』と真っ赤な顔で彼女は涙目になって宣言していた。



☆ ☆ ☆



廊下に出てから牧くんに「本当にごめんね!大丈夫?もう鬼役なんてするとか言わないから」と謝っていたら

繋いだままだった手をグイッと引かれ


『できればお礼の方がいいんですけど、言葉だけじゃなくて態度とか…あぁ。カラダで返してもらってもいいですよ。…どうしますか?』


と、耳元でイケボ炸裂!

ちょ…ちょちょちょっと!

からかったわねーーっ!

こっちは反省して真剣に謝ってるのに!


たぶん顔が真っ赤だ。

別にこれくらいのからかいなんで、いつものことなんだからスルーすればいいのに。


…耳元で感じた彼の熱と息に、いつもと違うものを感じて一気にブワァ〜ッと熱が上がった。

恥ずかしいのか何なのか…涙目になって自分の気持ちを持て余す結果になる。

堪らずバシバシと叩いていたら

『役得役得♪』とか上機嫌で言ってるし。


「もうしません!」



季節は春へーーー


みなさまにも福が訪れますように。

やはり閑話ごとに進んでいく関係性…本編もがんばります。

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