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あるアラサー女子の恋もよう♪  作者: ステラ
第3章 アラサー女子の恋愛事情
44/70

41.必要とされるのは、仕事だけでしょうか。

まだ飲み会も続きます。ちょっぴりせつない?

結婚式を三ヶ月後、部署異動をあと一ヶ月後に控えたある日。


「ちょっと片野くん…いいかな?」と、清瀬主任(当時)が慌ただしい朝の業務中に彼を呼び出した。


普段あまり見られないツーショット光景に、周りの社員も、

「どうしたんだろ?」と不思議そうにして、連れ立って出てオフィスを出て行った二人を見送るしかなかった。


あたしにも全く分からないまま。

その日、いや…その後二度と彼がオフィスに戻ってくることはなかった。


ただ清瀬主任から

「片野くんは、ちょっと出勤出来なくなったから」とだけ聞かされ、理由は明かされなかった。


当時すでに周りの社員には、あたしたちの婚約を公にしていたので、当然皆あたしに聞いてくる…。が、あたしも思い当たることはなく。


彼が出勤しなくなって、二日後の夜に、やっと連絡が取れた。



  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



『そういえば妹さんの旦那さんの店はどうよ?』と、お茶割に飽きたからと新たに注文した梅酎ハイを飲んで、顔をすぼめながらヨーコ所長が聞いてきた。


丁度、厚焼き玉子を頬張ってハフハフ〜してたあたしは「はんふぉふぁひゃってふみたふぃてふ…はふはふ」と、まぁよくやるコントみたいな返事を返した。


ら、『なんて言ってんですか…なんとかやってるみたい?ですか?』


おっ!さすが牧くん!と(相変わらずハフハフしながら)、ビシッと指さし、正解!を伝える。

『はいはい。だいたい分かりますからね』と、牧くんが、ジュース飲みなさいって、グラスを渡してくれる。


『…まるで親子だね…。んでも、ぜひ!そこの店にも行きたいねっ』と、ヨーコが言った。


妹の旦那は居酒屋をしている。雇われ店長だが、なかなかいい店を任されている。

今度はそこにしよう!と、ヨーコは行く気満々。


ちなみに今いる居酒屋は、妹と旦那がバイトしていた店。出会いの場所という訳だ。


現在、妹は薬剤師という飲食とは全く関係のない仕事に就いている。


いまどき女子は、手に職を持っていないと!

という母の教えもあり、我々姉妹は、今や立派に(過ぎるほど…)自活できている。


『妹さんの旦那さんって、私と同い年でしたかね?』と、テーブルの空いた皿を下げながら牧くんが聞いてきた。


女子力、(たか)っ!

と、胸の中で思いつつ。

「そーよー。牧くんも料理上手ならやればいいんじゃ?」ほんとは、今の仕事向いてないって言ってたじゃーん?



まっ…あたしに言わせれば、仕事なんて“向いてる向いてない”でするもんではない。


「やりたいか!やりたくないかだーっ!」

バッキャローッ!!と、テーブル返し、星○徹なみに。


ちっ…またつまらんもん斬ってしまったぜっ…。

てな感じで、一刀両断。



『好きでしてるものを職業にはしたくないし、起業とか絶対できない』

サラリー結構。とさ。

「若いのに〜。なんでそんなに冷めてんの?」牧くんならやれるよ〜?って、言ったら。


『付いていきますから、あなたが起業してください』いい右腕になりますよ。と、ミモザサラダ取り分けながら牧くんは言った。


だから、どんだけ女子力見せ付けてんのっ。


『ダメよ〜。チーフは、あたしの右腕なの〜。嫁には行かされんっ』と、ヨーコますます酔っ払ってきたな…。


誰が嫁の話してんですか…。と、牧くんがヨーコの梅酎ハイお代わり頼みながら呆れた。


『だから〜チーフを右腕に据えたままにするなら、やっぱり牧くんが嫁にもらってくれるしかないの〜』って、またかい…。


『私が今の部署へ異動する時には、止めなかったのに…』って牧くんふて腐れ…。


『だって牧くんは、そっちで頑張ってきた方がいいって思ったし』あそこを変えるには、牧くんしかいないって!


買い被りすぎです…。なんで私一人なんですか。

と、ボソッとあたしの方を見ながら牧くん。


確かにね、牧くんの部署異動の話が出るの前に、二人で冗談で話した時は…


「あっちは、ワンマン女史がいるからね〜。なかなか太刀打ちできないと思うから大変よね」

でも、異動かかるなら牧くんしかいないんじゃない?って話になった。


そしたら、牧くんが…

『あそこに戻るなら、あなたと一緒じゃないと戻りませんよ』って。


仕事のパートナーとして…と言われたのは分かってても嬉しかった。


認めてくれてるって、ことだよね?


「ありがとう。私も牧くんとならやれそうな気がするよ」って。


結局、あちらからほんとは、牧くんとあたしの二人に異動依頼があったらしいが、ヨーコの大反対に合い、牧くんだけの異動になったとか…。


必要とされてるのは、ありがたいけどさ。


あたしが必要とされるのって、仕事だけ?なのかな〜って…。


ちょっぴり淋しい気持ちになったのは、内緒。



ミモザサラダ…タマゴの鮮やかさがミモザの花のよう。可憐な雰囲気の花で好きです。

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