20.“ありがとう”
『やっぱり牧くんがいいって!牧くんにしたら、どうなのっ?いぃ嫁になるよっ!』
『う〜ん…だって所長、この人風呂嫌いでしょう?私には合いませんて。ていぅか、合わせられんでしょう』
なんだって…風呂嫌いの話になったんだよ。
…確かに、嫌いっていぅか…。面倒くさいっていぅか…。
掃除して、風呂溜めて
着替え用意して…
いろいろ行程が面倒。
誰かしてくれたら入る。
それより寝るコト優先してしまふの…。
(女子として致命傷…)
「合わす合わせないって、努力するとこなのっ?!」
ていぅかっ!
「あんたが私の何を知ってるっていぅのよーーっ!所長なんとか言ってやってくださいっ!」
『あ〜いぃコンビ。なんでかな〜…一緒になればいぃのに』
所長と三人で飲み会中。
酔っ払い所長さまは、
ぶつぶつ…言ってます。
我々二人は、苦笑中…。
そぅしたいのは、山々ですがね。
…あの夏祭りの次の年。
彼は、部署異動となり
今は別々の部署で働いている。
彼があたしのいる部署に異動してきて3年間。
直接的な指導をしてきた訳ではないが。
右も左も分からない
ましてや
上や下との上手な付き合い方などなど…いろいろな面をサポートしてきたあたしに。
異動日、彼が手紙をくれた。
業務情報交換に使っていたノートの最終ページに。
『今まで3年間お世話になりました。色々と勉強になりました。…結局、3年を経て元の部署に戻るという運命ですが。
こちらで教えてもらったことを力に、向こうでも何とかやってみます。ありがとうございました。』
“P.S.…お正月に、ベ○トで会った時は、まじビビりました(笑)”
くすっ…
「あ〜あ、言っちゃったよ、こいつ。な〜んで言っちゃうかなぁ(笑)」
気づいてたのねぇ…。
…あれから彼とは、全く関係性も変わらず。
夏祭りのあとは
お正月の衝撃的遭遇があり、ちょっと一週間ほど彼の態度がぎこちなかったけど。
その後は、告白する前と
何ら変わりない。
あの好きな人は彼女(梨田さん)だったのね〜。
上手くいってよかったね。
ほんと
「牧くんありがとう」
あたしが一番苦しんだ3年間を。
ずっと話を聞いてくれて。
ずっと傍に居てくれて。
そして
恋する気持ちを
勇気を
思い出させてくれて。
ありがとう…。
がんばるよ。あたしも。
これでひと区切りです。やっとスタートに着きました。読了ありがとうございました。感想やご意見などお待ち申し上げております。




