錆びた甲冑の詩 第8章 忘却の影の置き場所
端に敷いた布は、朝になっても端にあった。
誰も中央へ戻していない。誰もたたんでいない。誰も、そこへ影と書いていない。
ただ、作業台の端で、何も書かれないまま待っていた。
甲冑廊の朝は、昨日より少し明るかった。月光は細く、銀葉の粉は静かで、錆びた甲冑の列は、眠っているように見える。けれど、眠っているものほど、こちらが勝手に安心したくなる。
僕は作業台の前に立った。
四枚の急ぎたい手の札は、そのまま残っている。
外して休ませたい手。
記録したい手。
守りたい手。
光らせたい手。
その後ろには、磨きたい布、置かれた筆、銀の輪の袋、横に寝かせた筒がある。さらに外側に、ミラの鍵束がある。
中央には、何もない。
端には、薄い布がある。
「中央より、端の方が気になります」
ティオが言った。
昨日、白い問い札の周りに点で距離を作った手は、まだその距離を崩していない。錆粉皿も、空の布端も、問い札も、そのままだ。
「中央には、何も置いていないからでしょうか」
セリカが聞く。
「いいえ」
リンドが答えた。
「中央は、何かを置きたくなる場所です。端は、置いたあとに忘れたふりをしやすい場所です」
その言い方に、ミラの鍵束が、ちゃ、と鳴った。
「忘れたふり」
ミラはその言葉を繰り返した。
「棚の端にも、そういう場所があります」
「どんな場所かな」
ククルーが聞く。
ミラは低い棚を振り返った。甲冑廊の壁ぎわにある、誇りを守る棚。そこには古い詩、紋章、行列の鈴、戻る音の仮札が斜めに置かれている。
「正面に出すほどではないもの。けれど、捨てるほどではないもの。名前が分からないもの。名前をつけると、誰かの名誉になりすぎるもの。そういうものを、端へ置きます」
「端へ置くと、見えますか」
「見えます」
ミラは少し間を置いた。
「でも、見たと言いにくい」
その言葉が、作業台の端の布へ落ちた。
布の上には、昨日見えた薄い影のような場所がまだあるように見えた。けれど、よく見ると、影ではないのかもしれない。布の織り目かもしれない。甲冑廊の細い光が作ったゆがみかもしれない。
そう思うと、安心しそうになる。
見間違いだった。
布の模様だった。
そう言えば、何も始めなくていい。
でも、そう言ってしまうと、昨日、四つの手を分けたことで見えた場所まで消してしまう気がした。
「影と呼ぶと、早すぎる」
僕は言った。
「でも、見間違いと呼ぶのも、早すぎる気がします」
ククルーはうなずいた。
「それじゃ、何と呼ぶかな」
僕は答えを探した。
名前をつけるな、と言われたわけではない。名前をつける前に、置き場所を見る。昨日、そうしただけだ。
「置き場所」
僕は言った。
「まだ置かれていないものの、置き場所」
セリカの指が、筆へ動きかけた。
彼女はその指を止める。
「それは、書けそうです」
「書くかな」
ククルーが聞く。
セリカは首を横に振った。
「いま書くと、置き場所という名前になります。今日は、場所として見るだけにします」
セリカは筆を持たず、薄布の端を指で押さえた。押さえたと言っても、動かないように固定したのではない。風でめくれないよう、布がここにいると分かる程度だった。
ロウは音抜き板を持ち上げなかった。
昨日、板を横にして休ませた。そのままの姿勢で、三つの目が斜めに並んでいる。板は使われていない。けれど、しまわれてもいない。
「置き場所を見るなら、板は休みのままでいい」
ロウが言った。
「使えば、音を通してしまいます。しまえば、見ないことにしてしまいます」
「休みのまま見る」
オルガが言った。
「光も、横のままでいいですね」
筒は横に寝ていた。空を向かない。床を向かない。端の布へ向けてもいない。
「照らさないと、見えないものもあります」
ティオが言った。
「あります」
オルガはうなずいた。
「でも、照らすと、影だと決まってしまうものもあります」
その言い方は、花火師らしかった。光を信じている人だから、光で決まりすぎることも知っている。
リンドは作業台の端へ近づいた。
欠けた紋章は、今日も持ってきていない。胸にもない。手にもない。けれど、リンドの立つ位置には、紋章を持っていた人の重さがあった。
「私は、影と聞くと、欠けを疑います」
リンドが言った。
「欠けたところから、何かが出たのではないか。守りきれなかった場所から、何かがこぼれたのではないか。そう考えたくなる」
ミラは鍵束を握った。
「私は、閉じた場所を疑います」
「鍵の内側ですか」
「はい。外へ聞かせなかった詩が、内側で影になったのではないか。そう考えたくなる」
二人の声は、どちらも自分を責める声に近かった。
けれど、どちらも、最後までは責めなかった。
それは昨日、急ぎたい手を悪い手にしなかったからかもしれない。欠けを疑う手も、閉じた場所を疑う手も、悪い手ではない。ただ、前に出しすぎると、影の置き場所を誰かの失敗へ寄せてしまう。
「では、今日は疑いも後ろへ置きます」
リンドが言った。
「私の欠けを疑う手は、後ろへ」
ミラは鍵束を見た。
「私の閉じた場所を疑う手も、後ろへ」
二人は同時に作業台の後ろ側を見た。
そこには、昨日それぞれが後ろへ置いた手が並んでいる。磨きたい手、書きたい手、囲いたい手、上げたい手。比べたい手も、僕の後ろにある。
リンドは何も置かなかった。ミラも新しい札を作らなかった。
置かなかったことが、かえってよく見えた。
「疑う手も、消えませんね」
ティオが言った。
「消えません」
リンドが答えた。
「ただ、先頭には立たせません」
甲冑の内側から、息が来た。
ふう。
端の布が、ほんの少し浮いた。
布の端にあった薄い場所が、揺れた。
それは、影が動いたようにも見えた。布が息を受けただけのようにも見えた。
ティオが銀の輪の袋へ指を伸ばしかける。
セリカの指が筆に触れかける。
オルガの筒が動きかける。
ロウの手が音抜き板へ戻りかける。
ミラの鍵束が強く鳴りかける。
リンドの右手が、何もない胸元へ上がりかける。
僕の手は、腰の後ろの影札袋へ伸びかけた。
みんなの手は、昨日と同じように動きかけた。
でも、昨日と違って、四枚の札があった。
外して休ませたい手。
記録したい手。
守りたい手。
光らせたい手。
手は、動きかけたあと、自分の札を見た。
ロウは板を持たず、札を見た。
セリカは筆を持たず、札を見た。
ティオは輪を出さず、札を見た。
オルガは筒を上げず、札を見た。
ミラは鍵束を鳴らしきらず、周りの音の位置を思い出した。
リンドは胸へ戻らない紋章の重さを、持っていないまま思い出した。
僕は影札を出さず、紐の手触りだけを覚えた。
薄い場所は、消えなかった。
消えないけれど、広がりもしなかった。
「こちらが急いでも、広がらないのですね」
セリカが言った。
「広げているのは、こちらの手かもしれません」
ロウが答えた。
ミラは鍵束を、端の布から少し離れた場所へ置いた。
「鍵を近づけると、影を閉じる場所に見えます」
リンドは作業台の反対側へ立った。
「紋章を近づけると、影を裁く場所に見えます」
ティオは白い問い札を動かさなかった。
「輪を近づけると、影を守る場所に見えます」
オルガは筒の口を横へ戻した。
筒も、筆も、影札の袋も、それぞれ別の名前を端の布へ与えそうだった。見せる場所。説明する場所。比べる場所。どれも間違いとは言い切れない。けれど、どれも前に出ると、布の端をすぐ自分の役目へ引き寄せる。
僕は、自分の後ろの袋を見ないようにした。見ないだけで、袋が消えるわけではない。
ククルーは、端の布を見た。
「それじゃ、何も近づけないのかな」
誰もすぐには答えなかった。
何も近づけないと、見ないことになるかもしれない。近づけすぎると、名前が先に歩く。距離は、いつも難しい。
そのとき、そろわない銀葉音が、廊の奥から届いた。
しゃら。
硬い葉とやわらかい葉が、少しずれて鳴る。
銀葉は、端の布を照らさない。
銀葉は、布を閉じない。
銀葉は、布へ文字を書かない。
ただ、不揃いなまま鳴っている。
「音は近づいていません」
セリカが言った。
「でも、届きました」
「届く距離」
リンドがつぶやく。
「近づけるのではなく、届く距離で見る」
ミラはその言葉を聞いて、甲冑廊の窓の方を見た。
甲冑廊には、まだ街へ向いていない細い窓がある。次に向かう場所。今は閉じても開いてもいない。ただ、月光を細く入れるだけの窓。
「外へ聞かせる窓」
ミラが言った。
その声は、怖がっていた。
でも、逃げてはいなかった。
「まだ、外へは聞かせません」
ロウが言った。
「でも、届く距離を考えるなら、窓の近くで聞く必要があります」
オルガは筒を持ち上げず、横のまま窓の方へ向けた。
筒の口には、まだ光がない。かわりに、細い風だけが入る。
ティオは問い札を見たが、手には取らなかった。
セリカの指も筆へ届く前で止まる。
リンドは胸元へ手を置かなかった。
窓は、飾られる場所ではなく、立ちすぎない場所として見え始めた。
言葉が少しずつ、窓へ向かっていく。
でも、まだ動かない。
動く前に、端の布を見る。
僕は作業台の端へ、もう一枚の小さな布端を置いた。昨日敷いた布へ重ねない。隣へ、少しだけずらして置く。
「これは何ですか」
ティオが聞く。
「道ではありません」
僕は言った。
「運ぶための布でもありません。端の場所が、端だけで終わらないように、隣を見るための布です」
ククルーの耳が動いた。
「隣を見る布」
「はい」
僕は少し恥ずかしくなった。名前をつけないと言っていたのに、また名前に近いものを置いている。
でも、これは影の名前ではない。
置き場所の隣を作るための言い方だ。
ミラは鍵束を持ち上げた。
「では、私は鍵を鳴らします」
「閉じるためにですか」
ティオが聞く。
「いいえ。隣の布にも音が届くか、聞くために」
ミラは鍵束を小さく鳴らした。
ちゃ。
一枚目の布が、動いたように見えた。
二枚目の小さな布端も、ほんの少しだけ揺れた。
影のような場所は、二枚目へ移らなかった。
けれど、一枚目だけのものでもないように見えた。
「移したのではない」
リンドが言った。
「増やしたのでもない」
「隣で見た」
セリカが続けた。
ロウは音抜き板を休ませたまま、板の三つの目を指でなぞらなかった。
「小窓と似ています」
ロウが言った。
「開けたのではなく、外へ触れた。今は、影を出したのではなく、隣で見た」
その言葉が、僕の中でゆっくり落ち着いた。
影を出したのではない。
影を閉じたのでもない。
影を照らしたのでも、守ったのでも、書いたのでもない。
隣で見た。
そのくらいなら、次の窓へ進める気がした。
端の布は、まだ名前を持たない。
薄い場所は、まだ影かどうか決まらない。
忘却の影、と呼べるのかもしれない。
でも、今はまだ、その名を正面へ置かない。
読まれない詩の周りにできた、置き場所。
その置き場所が、窓の方から来る音にも揺れるか聞くために、僕たちは中央の札を動かさず、端の布と隣の布だけを見た。
ふう。
甲冑の息が、窓の方へ少し流れた。
すう。
オルガの横の筒が、風だけを拾った。
しゃら。
そろわない銀葉音が、廊の外から返ってきた。
ちゃ。
ミラの鍵束が、閉じるためではなく、届いたかを確かめるために鳴った。
四つの音は、まだ合わない。
合わないまま、同じ方を向いた。
その先に、まだ街へ向いていない細い窓がある。
でも、窓へ行く前に、セリカが銀樹の方を見た。
「一度、銀葉の音を聞いてもいいですか」
その提案は、記録したい手ではなかった。書くためではなく、聞いた音が同じ方向を向いたのか確かめるためのものだった。
リンドはうなずいた。
「法典へ戻す前に、銀樹の下で聞くのはよいと思います」
「法典へ戻すのですか」
ティオが聞く。
「戻しません。戻す前に、戻す必要があるのか聞きます」
リンドの言い方は、前より少し遅かった。
甲冑廊から銀樹アルジェンティアの方へ向かう道は、明るい。けれど、その明るさはまっすぐではない。葉の銀が細かく反射し、壁や床へ小さな白い点を落とす。どの点も正面から照らさない。斜めから来て、斜めへ消える。
ロウは音抜き板を持たなかった。
「板は休ませます」
僕は小さな布端をロウへ渡した。端に敷いた布ではない。その隣に置いた、小さな布端だ。
ロウはそれを両手で受け取った。板の代わりに持つのではなく、板を持たない手の軽さを確かめるように、布端を手のひらへ乗せた。
セリカは筆を持たなかった。
ティオは銀の輪を持たなかった。
オルガは筒を横に抱えた。
ミラは鍵束を鳴らさないように持ち、リンドは紋章のない胸元へ手を置かないように歩いた。
僕は影札の袋を腰の後ろへ回したまま、紐に触れないようにした。触れないでいると、不安になる。けれど、不安になるからこそ、触れない手も見えてくる。
銀樹の下には、まだそろわない音があった。
しゃら。
硬い葉。
しゃら。
やわらかい葉。
二つは同じ枝で鳴るのに、少しずれている。
銀樹の下で、ロウは布端をセリカへ渡した。
セリカは受け取った小さな布端を、銀樹の根元から少し離れた石の上へ置いた。
「根元へ置かないのですか」
ティオが聞く。
「根元へ置くと、銀樹が答える場所に見えます」
セリカは言った。
「少し離すと、銀樹の音が届く場所になります」
その言い方は、さっきの窓の話と似ていた。
近づけるのではなく、届く距離で見る。
ミラは布端から半歩引き、鍵束が石に触れない高さで止めた。
「鍵の音も、届く距離で」
ミラが言った。
「鳴らさないのですか」
「鳴らしたいです」
ミラは短く答えた。
「鳴らすと、ここへ来た証になります。鳴らさないと、来なかったことにしてしまいそうで。だから、今は鳴る前の高さで持ちます」
鍵束は、鳴らなかった。
鳴らない音が、そこにあった。
リンドは銀樹の幹を見た。銀樹アルジェンティアは、まだ完全にやわらかくなっていない。硬い葉とやわらかい葉が混じり、不揃いな音を返している。
「銀葉も、中央に戻っていません」
リンドが言った。
「硬い葉だけを責めず、やわらかい葉だけを正解にもしない。そうしてきたはずなのに、影のような場所を見ると、すぐ原因を探したくなる」
「原因は必要かな」
ククルーが聞く。
リンドはしばらく考えた。
「必要な時があります。けれど、原因を探す手を先頭にすると、置き場所が裁きの場所に変わります」
セリカは筆を持っていない手で、布端の周りの白い点を数えかけた。
途中で止める。
「数えたいです。けれど、数えたら、届いた点と届かなかった点に分かれます」
オルガは横にした筒で、風だけを拾った。
すう。
ティオは両手を開いたまま、問い札を持たない手の空きを見た。ロウは音抜き板のない手を軽く握り、休ませることにも境目があると、言葉にしないで聞いていた。
四つの手は、ここでも消えていなかった。
甲冑廊の作業台から銀樹の下へ場所が変わっても、手はついてくる。場所が変われば解決するわけではない。けれど、場所が変わると、同じ手の別の見え方が出る。
銀樹の音が、もう一度鳴った。
しゃら。
布端の上に、薄い影のような場所は移らなかった。
ただ、布端の周りの白い点が、ほんの少しだけ揺れた。
「影を運んだのではありませんね」
セリカが言った。
「はい」
僕は答えた。
「置き場所が、別の音でも見えるか聞いただけです」
「見えましたか」
ククルーが聞いた。
僕は布端を見た。
見えた、と言えば強すぎる。
見えなかった、と言えば消しすぎる。
「揺れました」
僕は言った。
「影が見えたのではなく、置き場所が揺れました」
ミラが、ようやく鍵束を一度だけ鳴らした。
ちゃ。
その音は、銀樹の音と合わなかった。
合わなかったのに、邪魔ではなかった。
「合わない音でも、隣で聞けます」
ミラが言った。
リンドは窓の方角を見た。
「なら、街へ向く窓でも、同じことを試せるかもしれません」
「街へ聞かせるのですか」
ティオの声が少し強くなった。
ミラの鍵束が止まる。
ロウの手が布端を見つめる。
オルガの筒が、ほんの少しだけ重くなる。
セリカの指が、筆のない空中で止まる。
リンドは首を横に振った。
「まだ、聞かせません。聞かせる前に、窓の近くで、届く距離を見ます」
その言葉で、ミラの肩が少し下がった。
「外へ聞かせる前に、外へ届く距離を聞く」
ミラは自分で言い直した。
「それなら、鍵を持ったままでも行けます」
セリカは石の上から小さな布端を取り、両手で僕へ返した。
セリカから返された布端を、僕は手に取った。
端に敷いた布そのものは、まだ作業台に残す。隣を見るための小さな布端だけを持つ。
持つと、運んでいるように見える。
だから、僕はそれを胸に抱えなかった。手のひらの上に、軽く乗せるだけにした。
「持っていくのではなく」
ククルーが言う。
僕はうなずいた。
「隣を見に行こう」
銀樹の下で、そろわない音がもう一度鳴った。
しゃら。
布端は、何も答えなかった。
答えないまま、次の窓の方へ向けられた。
その先に、まだ街へ向いていない細い窓がある。
その場所の名前を、僕はまだ口にしなかった。
名前を口にしないまま歩くと、足元の音がよく聞こえた。
ロウの靴音は、板を持たない分だけ軽い。けれど、職人の手が何も持っていないわけではない。休ませた板の重さを、置いてきたまま覚えている。
セリカは筆を持たず、ティオは問い札を持たずに歩いた。二人の歩幅は違うのに、どちらも自分の手を前へ出しすぎない距離を測っているようだった。
オルガの筒は横のまま、時々すうと鳴る。ミラの鍵束は、鳴りすぎず、鳴らなさすぎず、その風音の外側で小さく揺れた。
リンドは何も持っていない。持っていない胸元が、かえってよく見える。誇りを置いてきた人ではなく、誇りを前へ出さないで歩いている人の姿だった。
そして僕は、小さな布端を手のひらに乗せている。
握れば、持ち物になる。
掲げれば、合図になる。
隠せば、秘密になる。
手のひらに乗せるだけなら、まだ置き場所のままでいられる。
その形を崩さないように、僕たちは細い窓の方へ歩いた。
口にしないまま、端の布の揺れを覚えた。
忘れないためではない。
忘れられたものを急いで連れ戻すためでもない。
置き場所があると知ったまま、次の距離へ進むために。




