22世紀地球温暖化レポート
何でこの作品、アップを急いだんだろう・・・
推敲もそこそこにアップされたこの作品が、あまりに文章見苦しかったのでかなりいじりました。
読んだかもしれない数名の方。スミマセンでした。
世界は競って石油燃料の大量使用を再開していた。
原子力エネルギーが敬遠されていったのは今に始まったことではないが、代替エネルギーを声高に訴えていた21世紀が嘘のような化石燃料推進策が今、世界を跋扈している。
実際の生活で最も変わったのが、自動車燃料の流れではないだろうか。
ある意味退化した。いや、懐古というべきか。現在自動車メーカーが躍起になって営業をかけているのは、大きな車体と大排気量のガソリンエンジン車である。
これも化石燃料推進策の一角であり、21世紀型エコロジー車の象徴であった電気、もしくは燃料電池車はもちろん、いわゆるハイブリッドカーや燃焼の効率化を図った「低燃費車」が軒並み冷遇され、1リットルで10キロ以上の定地燃費を記録する車には車両重量税額が加算される仕組みになっている。いまや軽自動車と普通自動車の税の比率は逆転し、燃費で客の目を引けないとなればおのずと車は安全性や装備面での勝負となっていた。
余談だが、クリーンエネルギーという概念だけは生きている。今、必要とされているのは「二酸化炭素」であり、排気ガスは二酸化炭素を除いたガスを排出しないようにする技術により、それはほぼ実現されているといっていい。
なお、石油の枯渇の心配はない。
20世紀から脅され続けた「限りある資源」石油の埋蔵量はいくつかの理由……すなわち「「あれは20世紀から展開されていたエコビジネスによる情報操作だった」との暴露」や「油田の発見や掘削技術の進歩」など……により、あの頃とはまったく違った試算結果がはじき出されている。今では、このまま消費拡大を続けても数百年単位で困らないという見解が常識である。
……思えば地球の歴史は46億年。それだけの歴史の中で蓄積した動植物のエネルギーを、石油を大量に消費し始めてから枯渇するといわれていた21世紀までの、ほんのつかの間で人間が使いきれるわけがないのだ。
二酸化炭素が求められている現状において、一方で森林も計画的伐採が進んでいる。樹木は二酸化炭素を吸収してしまうためだ。
もちろん乱伐による砂漠化を企図しているわけではないし避けなければならない。あくまで大気中の二酸化炭素含有率の操作のためであり、地球上における樹木の量と二酸化炭素の吸収量がすべて計算された上での、地球規模での計画伐採なのである。
それほどに今、人間は二酸化炭素を求めている。
100年前にあれほど害悪とされた二酸化炭素がなぜ、それほどに"生産"されているのか……。
それはもちろん、世界は今、温暖化を推進しているからに他ならない。
二酸化炭素は「地球温暖化」という観点から見ると「温室効果ガス」といわれるものだ。太陽の熱は地表に反射して宇宙に逃げていくが、この「ガス」によってそれが妨げられ、熱が大気中に篭もり、地球表面の気温を上昇させる。
20世紀末から21世紀にかけて、それが世界的な大問題となり、人為的な温室効果ガスの排出量の削減を盛んに話し合ったものだが、昨今、温暖化の悪影響を口にするものなどはいなくなった。
そんな現状……21世紀の住民はきっと意外に思うだろう。
氷河期の訪れと地球への影響が想像以上に早く、深刻である。
「温暖化」が人類を絶滅から救う一端となりえるか……今が勝負なのだ。




