↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/40

第30話

連続2話投稿です!


ホムラ視点。


カレンさんに魔装加工してもらったカタナを貰ってから2週間。

遠征の直後は1週間の休暇があったけど、ほぼ休日返上でカタナに慣れるための訓練を続けた。


今までは木刀だったけどこれじゃ魔物を倒せないから、次の遠征では刀を使いたかったんだ。

だってウェイロー君に言われたんだよー。「ホムラのじゃ斬るっていうより殴るってカンジだよなー」って。

しかも私の殴打じゃ力が足りなくて怯むか気絶するかのどちらかで、倒すには至らないし。


殴るってなんなのさ!木だけど刀使ってるのに!

その言葉に結構傷ついた。酷い。

私だって斬ってるんだよ!…気持ちの上では。


理由はそれだけじゃないけど、なんだかみんなの役に立ってないみたいで嫌じゃない?

刀を使えば、腕力のない私でも敵を倒せるんじゃないか、って期待してるんだ。



訓練は、始めに刀の構えについてだけ、団長(たいちょう)に教えてもらってあとは自分で個人練習しようと思ってた。

…“思ってた”って、なんで過去形なんだって思うでしょ?


まあ、団員のみんなはわかってたみたいなんだけど、面倒見が良すぎる団長は休暇でみんながお休みしてる間も私の訓練に毎日付き合ってくれたんだ。

普段の訓練みたいにびしばし鍛えてもらって、例え休暇中でも真摯に向き合ってくれて感謝はしてる。…いつもならみんなに分散してる檄が私一人にくるから、ちょっと、いや結構厳しいけど。



こうやって訓練してもらっておいて思うけど、私このままでいいのかな。


困ってるときも、悩んでいるときも、迷っているときだっていろんな人に助けてもらって、いつも人任せ。

異世界だから。わからないから。って周りのせいにして助けを求めて。


この前やってもらった武具の加工だってカレンさんにやってもらって、魔術師団長からは魔力を強めるアクセサリーをもらった。


それから団長には…感謝してもし尽くせない。

何も聞かず団に迎え入れてくれて、私を鍛えてくれた。

私が一人前の騎士になれるように、見守っててくれてる。



いつか元の世界に帰るために、私は力を身につける。

そこに嘘はないけど、けど…。

それはみんなの想いを無碍にする行為なんじゃないかって思った。


まだ心もとない力だけど、それでも私が身につけたこの力は、誰のためでもなく自分のためにしか生かされない。

それは力を分け与えてくれたみんなへの裏切りなのではないかな、と思う。

ううん。実際そう、裏切りなんだ。


それでもやめることはできない。

だって、求めてるから。元の世界(家族)を。

帰りたい。なにもしないままなんて…そんなこと、出来ない。



でも…みんなと離れたくない。

どっちつかずの感情が私を蝕んでいるみたい。



「何弱気になってるんだ私!」

自室のベッドの上で頬をぱんぱんと叩いた。


とにかく、今は力をつけることが優先だ。

とりあえず寝よう。




カタナは扱いが難しく、下手をすると自分を傷つけそうだ。やっぱり騎士団で用意されてる剣とは勝手が違う。


そういえば、団長にカタナに名前をつけろって言われた。

名前をつけた方が、刀が私に力を貸してくれる、って。


…どうしようかな。刀の名前ってどんなのがいいんだろ。

とりあえず追々考えよう。


魔装鍛錬――精神統一っていったらいいかな――は最近やってない。

カタナを握っているだけで魔力の流れは掴めるようになったから、訓練で休暇を潰した分、夜はきちんと寝るようにしてる。

ほんとは夜も訓練したかったけど訓練所は開けてもらえないし、カレンさんや魔術師団長にも休息をとるように言われてしまったから。

でもきちんと寝ると昼間の訓練の集中力も違ってて、魔力の流れだけじゃなくて相手の攻撃の速度や軌道も捉えられるようになった気がするから、かえってよかった。


この世界に来て最初の頃、特に4月の下旬から5月にかけて全然眠れなくて、ずっと訓練してた。

でもやっぱり上手くできなくて。そのころは筋トレばっかりだったけど回数が続かなかったし、木刀を貸してもらっても振るだけで訓練になってなかった。

やっぱりちゃんと寝てなかったからかな。睡眠の力ってすごい。



魔術に関しては、カレンさんや魔術師団長に教えてもらわないといけないからまだ使えないけど、そろそろ属性が見極められる頃じゃないかって言ってた。

感じ取りやすいものが、火のにおいや温度なら火の属性。水のにおいや湿度なら水の属性、土のにおいや地震なら土の属性。

それがなければ風の属性。


私ってどの属性なんだろうなぁ。あんまり適正がある感じがしないな…。

とにかく何でもいいから早く身についてほしい。


RPGなんかには光や闇の属性が良く出てくるよね。ラスボス戦だけ使える、ものすっごい術とか。

そう思ってカレンさんに聞いてみたけど、それはないって言われた。

実際にはあるらしいけど、人間に扱えるものじゃないらしい。すご技なんだねー。


ちなみに、呪文を覚えれば早いんじゃ?…なんて思ったけど、魔術師団長に「呪文は一人ひとりの心の中にある!」とかわけのわからないことを言われた。

魔力を引き出すために呪文を唱えることで集中できるなら唱える、できないなら唱えない、ということらしい。カレンさん談なり。

要するに魔術を発動させるのに呪文がなくても大丈夫ってことだね。


でも私には無理そう。

教科書の朗読だって声に出すのが精一杯な私が、呪文を唱えながら魔力を集めて魔術を起こすなんてできるとは思えない。


要は2つのことを一遍にやることができないってことなんだけど。

私にできるのは杖を凝視しながら魔力を集めることくらいかなー…。

あー、なんか遠い目。



話は戻るけど。

カタナの方だってまだまだ完璧なんて程遠いけど、今回は魔物の討伐だから役に立ちたい。

魔獣一体だったら私の出番なんてないけど、数多い魔物相手なら私だって戦力になるはずだ。


魔獣と戦うことに必要なのは、団全体のチームワーク。

あと魔獣に立ち向かう勇気。…私に足りないものですね、ハイ。


反対に、複数の魔物相手なら、個々の戦闘処理能力と人数。

団長みたいに強くても、一人で何十体もの魔物は相手に出来ないから、人数がいることがまず大前提。

…まあ団長なら、10体20体くらい大丈夫な気もしなくもないような…。


ま、ともかく、そういうことで対魔物なら人数が必要だから、経験のない私でも役に立ちたいってわけ。


もちろん、ウェイロー君に何も言われたくない、っていうのもあるけど、やっぱりさ。

私自身だけのためじゃなくて、この力をくれた人やその人たちが助けたいって思う人のために、強くなりたい。

この世界にいる間は、それが存在意義のようなものだと思うんだ。



訓練を始めてもう半年が経つ。

私だってそろそろ戦うだけの実力はつき始めているはず。


だからこそ、守られてばかりじゃだめだ。

私だってアルベルト団の一員として強くなってるんだ。



やっと書きたいところにたどり着きました!

あと1、2話で折り返し(ぇ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。