第21話
大変遅くなってしまい申し訳ありません!
リアルが忙しく、更新が遅れてしまいました…
ホムラ視点です。
もうすぐ6月になる。
あれから、魔術師団長やカレンさんとの魔術の修行が始まり、今は魔力の流れを感じ取るための精神修行の最中である。
昼は騎士団で訓練、夜に精神鍛錬を行う、というなかなかハードは生活だったりする。
それでも――。
「やるしかないんだ。」
元の世界へ戻るために、自分ができることはこれしかない。
もしかしたら他にもあるのかもしれないが…今の自分にはこれしか思いつかないのだ。
「アルベルト団、集合!!」
めずらしく、副団長が団の全員を招集した。
いつもは団ではなく隊ごとに訓練をしていて、こうやって全員集められることはない。
私にとっては初めてのことだった。
「何かあるのかな?」
私は団長が来るまでの間、待ちきれず隣にいたウェイロー君に小声で聞いてみた。
「ホムラって遠征初めてだっけ?たぶんこれから遠征先の話をされるんじゃねーかな。」
ウェイロー君は明後日の方向を見ながら答えてくれた。
こうやって集められるのは遠征についての話がほとんどだそうで、今回も遠征先が決まったという話ではないかということだった。
遠征か…。
…私行けるのかな?
正直1ヶ月ちょっとじゃ大して体力なんてついてないと思う。
遠征に行くなんて…。
「アルベルト団整列!」
団長が来たようだ。
私は後ろの方にいたので頭の天辺しか見えなかったが咳払いしたのはわかった。
途端に団がしんと静まり、静寂に包まれる。
「皆もすでにわかっていると思うが、6月8日遠征に立つことになった。場所は以前行ったハツカ村のさらに奥、ジュネーの森だ。サリア砦の者からの通達で、森の奥に倒し損ねた魔獣イフリートが潜んでいるそうだ。」
魔獣イフリート。
思い出すのはあの大きな牙である。
この世界に来たとき、気づけばハツカ村にいた。
そのとき村は火の海で、私は魔獣という獣に襲われようとしていた。
その魔獣はイフリートという名前が付けられていたようだ。
現在ハツカ村の復旧はまだ行われていない。
村を襲ったあの魔獣の討伐がまだ行われていないから。
初めての遠征があの獣だなんて…。
私には無理だよ…。
気づけば地面しか入っていない視界の外で、誰かに肩を叩かれた。
「ホムラ。辛いかもしれないが、お前も来るんだ。」
それは団長だった。
いつの間にか周りからは人が散っている。
「たいちょう。でも私には…。」
言いかけて口をつぐむ。
全部言い訳だってわかってる。
もちろんそのための努力を怠ってたつもりはないけど。
体力がない。
遠征地にたどり着けないかもしれない。
剣を振れるかわからない。
なによりあの魔獣――
イフリートが怖い。
それよりも、なによりも。
今の私は。
外の世界が怖い。
遠征という話を聞いたときから、不安はすでに胸の中で広がっていた。
この環境に慣れすぎてしまったんだと思う。
この、騎士団という環境が良すぎて、みんながいい人過ぎて、外の世界を見るのが怖くなってる。
元の世界には戻りたい。
でも、私は安寧を手に入れてしまった。
この安寧を捨てて危険の先の元の世界に、帰ろうとする勇気を失いかけている気がする。
「ここで立ち止まってる場合じゃないんじゃないか?お前は前に進まなければならない。そうだろう?」
団長はいつになく優しい口調である。
団長はいつも正しい。
私は、正しいこととは辛いことでもあるのだと思った。
「は、い…。」
苦し紛れの返事しか出なかった。
「今回はほとんど危険はないだろう。この前の遠征で魔獣は深い傷を負っている。根城にしている場所を追い込み、敵を討つ。」
以前ハツカ村で襲われたときには、騎士団によって傷を負っておいた状態らしい。
今は森で身体を休め傷を癒しているそうで、そこを今度はこちらから襲撃するということだった。
「お前は必死でついて来い。」
団長はそう言って、いたずらっぽい笑みを見せた。
主人公が暗くてすみません…。
もう少しで明るくなるのでしばしお待ちを!
夏休みに入るので更新速度上げられるかもです(^^)




