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おせっかい令嬢はハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た異世界!?~  作者: 星降る夜
第1章

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60/130

60 幼稚園以上、小学生未満


 「昨日お友達になったの」


 私が虎太郎君と翔君に2人を紹介すると、あまり興味なさそうに席に着いた。


 「クラス一緒だったじゃん」


 今さら?という感じで翔君が言う。


 まるで私が知らなかったみたいだ。知らなかったけど。覚えていなかったというか……


 ちょっとむっとしてふくれた。


 虎太郎君を見るとおもむろに椅子から立ち上がった。


 「愛梨花ちゃんと将来を誓い合った虎太郎です。よろしく」


 「「「キャ~~~ア!!!」」」


 3人の女の子が一斉に悲鳴をあげた。


 「ぶっ~~~~~~~~~~う!!!」


 い、い、ったい、何を言い出すんだ虎太郎?


 私は、思いっきりお水をふいた。


 いつ、どこで、そうなった?


 「愛梨花ちゃん汚いよ」


 うろたえている私に、翔君がナプキンを取ってくれた。


 「こ、虎太郎君。将来を誓い合ったとは?い、い、ったい」


 ナプキンで口元をふきながら、うわずった声で私が聞くと心外だというように言う。


 「一緒に小学校へ行こうと言った」


 そこ?そこね!


 将来って言うか、ものすごく近い未来じゃない。


 「しかもだ、苦楽を共にした中でもある」


 虎太郎君まだ続きがあるのか?


 訳わからないことを言うのはやめて欲しい。


 「虎太郎君いつそんな難しい言葉を覚えたの」


 よくぞ聞いてくれた。みたいな顔をするのはやめて、得意げ顔なんですけど。


 「母様が言っていた。だから大事にしなさいと」

 「虎太郎君のお母様が?」


 虎太郎君が力強く頷いた。意味わっていないよね?絶対。


 お母様!!!変なことを教えないで下さい。


 素直な虎太郎君はそこかしこで言いふらしてしまうじゃないですか。


 しかも誓い合っていないし、幼稚園生以上、小学生未満なんだから無理です。


 とりあえず、胸をなで下ろした。そうだよね、言葉の意味なんて知らないはずだよね。


 なんだぁびっくりするよ。


 「愛梨花ちゃん勘違いした?」


 翔君が含みのある笑顔で言う。


 はいっ?!


 君は、幼稚園以上、小学生未満の顔じゃない!


 翔君は口角を上げて私を見つめた。


 ”君の気持ちはわかるよ”みたいなその笑顔に私の感は告げている。


 あっ、こいつは絶対女垂らしになる。悪じゃなくてもプレイボーイになる。


 危険だ。


 今からすみれちゃんとは距離をとって貰おう。


 「所で君達は本当に愛梨花ちゃんと友達になりたいの?」


 翔君がめちゃくちゃ失礼なことを聞いてきた。葉子ちゃんと杏奈ちゃんも鼻白んでいる。


 「翔君それって、一体どう言う意味?」

 「本当に友達になりたかったら、もっと前に声をかけている。って事だよ」

 「ああ、そうだ。僕達の周りには良くあるから」


 虎太郎君までそんな事を言う。


 今まで気が付かなかったけれど、この2人は意外と冷めている。周りによってくる人間に対して心を開かないんだ。


 知らなかった。そんなそぶりも見せなかった。私が気が付かなかっただけか?


 確かに考えられなくはない。でも、それでも良いと思った。


 「えっと、私はそれでもいいかな。来る物拒まず去る者追わずで」

 「愛梨花ちゃんが何言ってるのかわからないよ」


 すみれちゃんが不思議そうに私の顔を伺った。


 「まっ、くれぐれも追い払われないように気をつけてね」


 翔君が釘を刺した。こいつ絶対に同い年には見えない。人の事は言えないけれど。


 もしかして翔君も前世の記憶があったりするんだろうか?


 それともお姉様やお母様に鍛えられたんだろうか?


 「翔君は何月生まれ?」


 私が聞くと皆が一斉に私を見る。


 あれっ、何か変なことを聞いた?普通だよね?


 「愛梨花ちゃん、幼稚園で毎月お誕生会してたよ。覚えていないの?」


 すみれちゃんに言われた。


 あっ!そうだったんだ。


 その月に生まれた子供達がクラスの前に出て皆でバースデーソングを歌った覚えがある。


 でも私は11月からしか幼稚園の記憶がないから、私が覚えていないと言う事は、ここにいる皆は11月より前に生まれている事になる。


 「愛梨花ちゃんて皆が知っている事は知らなくて、皆が知らない事を知っているんだよね」


 今日の翔君は口が良くまわる。


 そうだけど、何だかその言い方にカチンとくるんだな。


 もうっ!


 






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