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おせっかい令嬢はハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た異世界!?~  作者: 星降る夜
第1章

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59 お友達増えました


 すみれちゃんとチョコレートタワーを楽しんだ。美味しくて幸せ。


 私はいちごをチョコレートにくぐらせて時々マシュマロ。


 すみれちゃんはクッキーやバナナ、リンゴにいちごと一通り楽しんでいた。性格が出るんだね!


 翔君と虎太郎君はアイスクリームでパフェを作成している。


 男の子は何かを作るのが好きみたいだ。前世ではレゴとかプラモデルも男の子が好きでよく遊んでいるのを見かけた。


 食事の後はホールでアニメ映画を見た。


 今日のお部屋は四人で一部屋。一応男女は別の部屋になった。


 同室になった女の子2人はクラスでも大人しい子達だった。


 色々あったから先生が気を遣って無難な子達にしたんだと思う。


 すみれちゃんとは知り合いみたいだ。お母様達が仲が良いらしい。


 「愛梨花ちゃん、柊 葉子ちゃんと 楠 杏奈ちゃんだよ。2人ともお家がお医者様なんだ」

 「覚えていなくてごめんなさい」


 葉子ちゃんと杏奈ちゃんは苦笑している。


 その顔を見て今までの自分の所業が恨めしい。一体どんなことを幼稚園でしていたのだろう?小学校へ上がったら、なるべく目立たないように抜け目なく生きて行こう。


 「愛梨花ちゃんはいつも虎太郎君と翔君達とご一緒だから声をかけづらいの」

 

 確かに最近はそうかも知れないな、と思う。


 私達と話しているときに他の子が話しに来るのを虎太郎君が凄くいやがる。あっち行けオーラが出ている。


 「おままごととかしそうにないからね」


 杏奈ちゃんに言われてなるほどと思う。


 2人ともしそうにないね。今度誘ってみようかな?面白いかも。


 「おままごと好きなの?」

 「今、はやっているの。ドラマのまねとか面白いんだ」

 「そうそう、この間は旦那さんの浮気をテーマにしたんだ」

 「はい?浮気?」


 幼稚園生で浮気なんて、意味分かっているのかなぁ。


 「そうなの。最近ママが昼のドラマに凝っていて杏奈ママとうちのママが同じドラマを見ているの」

 「1つはお受験のドラマでそれは何となくイヤだったんだ。けど最近は浮気なの。面白いの」


 杏奈ちゃんと葉子ちゃんが顔を見合わせて笑った。


 オイオイ良いのか奥様達。お宅のお子様方はおませさんですよ。


 将来が怖いよ、世の旦那様!


 すみれちゃんも目を輝かせて聞いている。


 う~ん、お姉様は子供は健全な方が良いと思う。


 「うちはテレビないから見ないの」

 「えっ!愛梨花ちゃん所はテレビないの?」


 いやぁ~この世界にテレビがあるって知らなかったんだけど……


 てっきりないのかと思ってました。


 「うん」


 頷くと2人からとても残念な子を見るような視線を感じた。話題にはついて行けない。


 記憶がない時点でも可哀想な子だったけどそこに残念が加わったみたいな感じ。


 「枕投げする?」


 すみれちゃんが話題を変えてくれた。そうそう枕投げしたかったんだ。お正月に虎太郎君としたら意外と楽しかった。またしたいなと思ったんだけど。


 「「疲れるからイヤ」」


 葉子ちゃんと杏奈ちゃんが声を合わせて言う。女の子だからのりが違うのかな。


 「ねえ、皆でお話ししようよ」

 「愛梨花ちゃんと虎太郎君と翔君達はいつも何して遊んでいるの?」


 葉子ちゃんと杏奈ちゃんが興味深そうに私のベッドに上がってくる。


 腕を組んで考えて見る。


 特に何かしているわけでもなくただ虎太郎君にいつも引っ張り回されている。


 そこに翔君とすみれちゃんが付き合ってくれている。そんな感じ?


 「特に何もしてないかな?」

 「そうなの?凄く仲良しに見えるけど」


 杏奈ちゃんの言葉に葉子ちゃんもすみれちゃんも頷いている。


 「お祖父様が虎太郎君のお父様とお知り合いだからかな?」


 最近わかったことだけどね。まるで前から知っていたみたいに言った。


 「ふ~んそうなの?でも前は一緒に遊んでなかったでしょう?」


 葉子ちゃんが6歳にしては鋭い指摘をしてきた。よく見ているんだね。


 前は誰と遊んでいたのか?私が知りたいくらい。誰も声をかけては来ないし……


 「私が色々忘れてしまったから、お父様に面倒を見るように言われているみたいだよ。別に良いのにね」


 これは嘘です。何となくごめんね虎太郎君。


 仲良しだというのを必死に言い訳している自分がだんだん嫌になってきた。


 でも女の子の恨みは買いたくない。これが本音です。


 「そうなんだ。葵ちゃんとかが愛梨花ちゃんの悪口言ってたよ」

 「どんなこと?」

 「虎太郎君と翔君をこき使っているとか」

 「そうそう、すみれちゃんも逆らえないとか言ってたしね」


 思わずすみれちゃんの顔を見る。


 すみれちゃんは必死に首を振った。


 「違うから、愛梨花ちゃんはお友達だから」


 すみれちゃんが両手をぶんぶん振ってくれる。


 ありがとう、嬉しくて思わずすみれちゃんに抱きついた。


 私にとっては幼稚園で初めて出来たお友達だ。


 以前の事は覚えていないし、嫌な子だったからお友達もいなかったと思う。


 それを葉子ちゃんと杏奈ちゃんが笑いながら見ていた。


 「愛梨花ちゃん、私達もお友達になれる?」


 葉子ちゃんが遠慮がちに聞いてきた。


 「あっ、私も」


 杏奈ちゃんも言う。


 「えっ?嬉しいんだけど」

 「皆で仲間の誓いをしようよ。運動会の時みたいに」


 すみれちゃんが手招きをする。私は運動会に出ていないからわからない。でも皆のまねをした。


 私達はベッドの上で皆で円陣を組んだ。


 右手を出して重ねていく。


「小学校へ行っても仲良くしようね!」


 すみれちゃんが声をかける。


 重ねた手を下に向かって落としてから天に向かって突き上げた。


 「「「「エイ、エイ、オー!!!」」」」


 次の日朝食のテーブル席は6人になった。




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