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おせっかい令嬢は悪役回避してハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た財閥異世界!?~  作者: 星降る夜
第1章

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58 勲章おじさん


 『ここにいたんだね。探したよ』


 私は捕まれていた左手をふりほどくと聞こえない振りをした。


 かかわりたくない人だ。


 何だかわからないけどヘビに睨まれたカエルの気分だ。カエルになったことはないけれども……


 視線を無理矢理そらすとお皿の上のポテトに集中する。知らんぷり、知らんぷり。


 「すみません。その子が何か?」


 慌てたように先生がやって来た。


 「日本語、わからないです」


 外人特有の大きなゼスチャーで両手を広げながら言う。


 嘘つきだ。絶対わかっている。


 通訳の女性も会場に入ってきた。


 皆さん勝手に入ってはいけないんじゃないですか?


 大体私が目を付けられる理由がわかりません!


 「この女の子のリボンが可愛くて気になっていたそうです。話をしてみたかったと」


 通訳が先生に説明をしている。先生は頷くと私に向き直った。


 「愛梨花ちゃん、国際交流の良い機会です。お話してみては?」


 はいっ!?驚いて先生をあきれたように見てしまった。


 食事中に突然手を掴んできた変態おじさんと交流なんて冗談じゃありません。


 私は首を振った。


 「イヤです。失礼な人とは口をききたくありません」


 通訳から私の答えを聞くと少し低い声で脅すように言う。


 『返答によっては、この幼稚園の存続に影響があるかも知れませんね』


 このおじさん何を言いってんだ。脅しには屈しない!それが私の信条です。


 だからついうっかりと言ってしまったんだ。


 通訳が訳すよりも先に答えてしまった。


 「もう卒園したので幼稚園がどうなろうと私の知ったことでは無いです」


 おじさんはにんまりと笑った。


 『英語がわかるようだ』


 しまったと思ったけれどもう遅かった。


 「日本語がわからないんでしょう?」


 あくまでも日本語しか喋らない。キッと睨みながら言う。


 『可愛らしい』


 そう言って笑う顔がいやらしくてぞっとした。


 背中が薄ら寒い。無理だ、初めて会った時にも思ったけど、生理的に受け付けない。


 助けを求めるように、隣の虎太郎君に目をやった。


 ”何を言ってるんだかわからないよ”と言う顔をしていた虎太郎君だけど私の視線を受け止めると立ち上がった。


 「愛梨花ちゃんに話しかけるな。食事中だ」

 『おやおや、もうナイトがいるとはね』

 「お嬢様!」


 低く野太い声が聞こえた。入り口から高島が小走りでこちらにやって来る。


 見れば陰険メガネも。助かった……


 高島はこちらに来ると直ぐに私を抱き上げてくれた。


 右手にフォークを持ったまま勲章変態おじさんを指した。


 「あの人しつこいの!」

 『国際交流は王族の使命なのでね』


 つらっと言うでは無いか。変態!


 『こちらの幼稚園児達との交流は終わったはずだが』


 陰険メガネが流ちょうな英語で話す。


 流石、インテリ!頼りになるじゃないですか。


 『こちらのレディがあまりにも可愛らしかったので、お近づきにと思いまして。誰もが私達との交流を望んでいますから』


 『交流はもうお済みですね。我々と食事でもいかがですか?』

 『仕方ないですね。小さなレディーまた会いましょう』


 私に挨拶をしてくるからフォークを振り回してぶった切る。


 またの機会はないから!!!


 高島は私を降ろすと大きな手で私の頭を撫でた。


 「お嬢様、もう大丈夫ですから。後で」


 幼稚園の先生はただ何事かと突っ立ているだけだ。


 何の役にも立たなかった。まっ良いけどね。


 嵐のように皆が行ってしまった。


 「愛梨花ちゃん大丈夫?お知り合いなの?」


 私はブンブンと頭を振る。変態と知り合いだなんて絶対に嫌だ。


 「知らない人」

 「知らないのになれなれしいね」

 

 すみれちゃんの言う通りだ。


 何故か近づいてくるんだけど……頭に手をやる。


 やっぱりこのリボンのせいだ!違いない。


 頭を振って思考を切り替える。いつまでも変態親父の事を考えているなんてイヤだもん。


 ローストビーフおかわりしようかな?


 あいつのせいで、味が良くわからなかった。


 「おかわりに行かない?」


 虎太郎君が嬉しそうに頷いた。


 んっ?もう全部食べたの?


 早っ!


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