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「雪村と古代エジプトの神々」(セーラー服と雪女 第25巻)  作者: サナダムシオ


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㉚ フルカネルリ卿再び

 京子とサンジェルマンが、名護屋テレビ塔の、亜空間レストランに戻ると、そこにはまた、招かれざる客人が、まるで我が家に居るような顔で、寛いでいた。


 フルカネルリ卿だ。今日もグリーンのスリーピースをオシャレに着こなしている。

「おや、サン・ジェルマン伯爵、それに雪女の奥方も、お帰りなさい。首尾は如何でしたかな?」


「フルカネルリ卿も、余程暇だと見える。それとも何か、この私に執着する理由でも有るのかな?」

 伯爵はそんな答え方をした。


「どうやらキミは、私からの忠告を真摯に受け止め、悪魔捜しを始めたようだね?感心、感心。」 

「そうかい。私はてっきり、貴君の悪魔コレクションの邪魔をしていないか、心配していたのだが……。」


「とんでもない。私はただ、キミの視野を、広げたかっただけなのだよ。来るべき決戦の日に備えてね?」

「それは……1999年の7月の事を言っているのかな?」


「さあ、どうかな?……ああ、そうそう、ミノタウロスの件は、私の方で既に解決済みだから、キミはタッチする必要は無いからね。」

「……成る程。そういう事ですか。」


 二人の間に、目に見えない火花が散っている感じがする。バーカウンターの後ろで控えていた、由理子と鷹志は、ソレを見ながらヒヤヒヤしていた。


「まあ、いいさ。キミの元気な顔を見られて、私も安心したよ。これからも引き続き、悪魔の調査に励んでくれたまえ。」

 そう言うと、フルカネルリ卿は立ち上がり、また煙のように消えてしまった。


「アイツ、全く意味不明ね?一体何しに来たのかしら。」

 吐き捨てるように、京子が言った。


「お二人が帰還されるまでは、当たり障りの無い、お天気の話をしてましたよ。最近の気候をどう思うとか、今後の日本からは、春と秋が無くなるかもしれないよ、とかね。」


 鷹志がそう言うと、伯爵の表情が少し曇った。

「彼がそんな事を……。」


「あと、ユリちゃんが、彼に会った事がある気がして、しょうがないって……。」

「鷹志、それは……勘違いかもしれないから。」

 由理子が慌てて訂正しようとする。


「いや、その感覚は大事ですね……覚えておくとしましょう。」

 伯爵はそう言って考え込んだ。


 まだまだ"悪魔"の追跡は、続けなければなるまい。

 それに、"旧友"のフルカネルリ卿の動向にも、要注意だ。


 こうして、チーム・サンジェルマンの冒険は、いよいよ混迷を極めるのであった。

 

 以上で第25巻は完結です。

 引き続き第26巻も、よろしくお願いいたします(>ω<)

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