第4話 残された時間の中で。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
ビリビリバリバリビリビリバリバリ。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
「・・・」
嫁は攻撃をやめた。
俺は地面に片膝をついた状態で、動けないでいた。
雷で焼かれ過ぎて、煙が出ている。
「どうして私に攻撃してこないのよ!?」
「・・・」
「答えなさい!」
「・・・そんなもん決まってるだろ」
俺はゆっくり立ち上がる。
「・・・自分の嫁を傷つけるような、男になりたくないだけだ」
「な、なに言ってるのよ!」
嫁が動揺し、一歩後ずさる。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
俺は泣いた。
血清を作った俺には分かっている。
|さっきの毒アイス《第三章第2話で嫁が食べたアイス》の毒は、嫁の体から完全に抜けていないことを。
俺は知っている。
嫁の命は、間も無く終わりを迎えるだろうことを!
「はあ、はあ、はあ、はあ」
嫁は倒れた。
ピクピク。
「・・・ここまでのようね」
俺は痺れる体を引きずるよう動かし、嫁のそばに行く。
俺は嫁を抱き起こした。
そして、キスをした。
「・・・なんでキスしたの?」
「これは結婚式だろ?」
「・・・そうだったわね」
「ああ」
「私のこと好きだった?」
「ああ」
「・・・嘘よ。たった2、3時間で好きになれるわけない」
「愛ってのは、一緒にいた時間じゃない」
「・・・フフフ、そう。さっきより、アナタを好きになれたかも」
嫁の体から、どんどん力が抜けていく。
「・・・わずかだったけど楽しかったわ。アナタとの結婚生活《最後の一時》は」
嫁の目から光が消えていく。
「・・・私の最後が、アナタの腕の中でよかったわ」
「死ぬなッ!」
「・・・ありがとう。さようなら。・・・・・・・・・・・・アナタ」
嫁は死んだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
俺は泣いた。
パン。
嫁に当たった。




