第4話 能力の価値。人の価値。
「アレス、もう大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
「アレス、感謝はリーナ様にしてあげてくれ。ずっとアレスの看病をしてくれてたんだよ」
「先生、ずっとじゃありません!」
「あはははははははっははははっはああははははhahahahahaaha!」
ボクは病院を出た。
「リーナ、ありがとう」
「言葉なんていらないわ! 態度で示してよね! フン!」
「それじゃ、今から一緒に劇場にいかない?」
「えッ! ホ、ホントに!? ア、アレスがどうしてもって言うなら! い、行ってあげてもいいんだけど?」
「よし! 決まりだ! またね! リーナ!」
「なんでやねん!」
「わ、わかったよ! 行けばいいんでしょ!」
「当然でしょ!」
リーナが腕を組んでくる。
これでは逃げられない。
あたりからヒソヒソ話しが聞こえる。
「リーナ様が無能力者のアレスと一緒に歩いてるわ」
「リーナ様は超優秀な能力者なのに、なんで無能力者なんかといるのかしら?」
「あの子は身の程をわきまえてほしいわ」
「・・・・・・・・・・・・リーナ・・・・・・様」
「リーナって呼び捨てにしてって言ってるでしょ」
「リーナ、ボクといるとリーナまで悪く言われる」
「気にしないわ」
「・・・・・・でも」
「・・・・・・お願い、アレス。一緒にいさせて」
ボクはアレス。
どこにでもいる普通の一般人。
ただ、
「無能力」だ。




