終局
ラフトタイムスの小さな記事に今回の任務について載っていた。
当然、王の暗殺等と書いている訳もなく、事故があり一人が死亡とだけ小さく書かれていた。
騎士団は永遠の王のメンバーを逮捕した事でそれなりの成果を上げ、入り込んでいたスパイも逮捕
。これ以上の情報漏洩は無いだろう。多分。
立野大佐達は事後処理に終われてかなり忙しいらしい。
そんな中でも、たまにチビッ子から電話がかかってきて喋ったりご飯食べに行ったりしている。
りっつん達も影から永遠の王を追いかけているそうだ。
本多のおっさんの怪我はかなり酷いらしくまだリハビリをやっているそうだ。
空は随分高くなり、気温はかなり涼しくなった。
「いらっしゃい」
いつもの喫茶店、いつもの時間にいつもの顔。
「なんにする?」
「ん〜。コーヒー」
「店長ー。コーヒー」
カウンターにいる店長にオーダーを言いに行く衣里。
案内しろよ。
お。いつもの席が空いてる。
それが分かっているから案内されないのか。
どっちでもいいや。
「はぁ」
「お疲れ様です」
「体はもういいの?」
「はい。本調子には遠いですが……リハビリも兼ねて」
しのぶが今日発売の週刊誌『エルレーコン』を持ってきてくれた。無論、漫画。
「そう。頑張って」
エルレーコンを読む事間無く、ぼんやりと店内を見つめる。
今まで何度も見たいつもの光景。
私と一緒にこの光景を見ていた『アイツ』はもう……いない。
それを聞いた時は信じられなかったし、受け入れたくは無かった。
でも、時間が経つにつれそれが現実味を帯びてきて、それを認めたくない一心であらゆる場所を探し
回った。
日付が変わり、日が昇り、また沈む。
その間、ずっと探したけど『アイツ』は見つからなかった。
疲れ果て、公園のベンチに座りこんでいると千早が来てくれた。
「行こ」
私よりずっと辛いはずの千早の声に泣きそうになった。
涙を堪えて、
「うん」
立ち上がり、千早の後についていった。
「よ。元気?」
「ま、そこそこ」
私の前に座る千早。
「あ、私もコーヒー。あと卵サンド」
「で、仕事は?」
「三時に依頼人が来るって言うてた」
「あ、そう。それなら私もお昼食べようかな」
あの日から一週間位経ってから千早が仕事を手伝ってくれてる。
『アイツ』より優秀でちょっと抜けてるパートナー。
時間は流れ、次第に悲しみを薄れさせてくれる。
でも、私は忘れる事は無いだろう。
悲しみを胸に、『アイツ』の分も頑張って楽しく歩いて行こう。
〜あとがき〜
前回から時間が経ちましたが、第二作目ようやく書き終わりました。
世界観はそのまま受け継ぎ、よくある? 設定である『代理屋』を舞台に日夜頑張っている二人を
中心にストーリーを動かしていたのですが、どうでしたでしょうか?
一話完結で、最後は長編という展開でキャラ数をそれなりに考えてましたが、それでも足りずその
場で作ったキャラもかなりあります。
結構長い付き会いになったキャラ達と分かれるのは少し寂しいですがこれも経験になれば、と思い
ます。
そうは言ってもこれからも書きたいキャラや設定、ストーリーはぼんやりと浮かんできていまし、
別のストーリーも書いて見たいとも思ってます。
終わってから思うのは、次へ活かしたい所と次への課題。
それらを受け止めて精進していきたいと思います。
楽しんで頂ければ幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。




