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王家の崩壊  作者: 千歳
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今までのアップしていた後半部分をごっそり消しました。

色々思うところがありまして。

拙い文章ではありますが、ゆっくりと、自分なりに満足する形で完結させていきたいと思っています。


最後に、読んでくださる方がいることが非常に嬉しいです。励みになっております。宜しければこれからも、どうぞお願い致します。

これが全てだった。

彼女の聞いた全てだった。



罪、彼の罪が今のこの状況を生み出したのだろうか。

そして彼の罪に私達も苦しまねばならない。

遅すぎたのだ。


何が何でも、例えその後王君に毒殺されようとあの女を始末しておくべきであった。

そう考えても最早遅い。しかし、進むしかない。


夫への想いにきっぱりと別れを告げよう。

私は夫の愛情を勝ち取ることは出来なかったけれど、国民の愛情を僅かでも取り戻すことができれば!


近衛隊長がいる、兄もいる。

進めるはずだ。今よりはましな状況を作り出せるはずだ。


そう自らを奮い立たせても、哀しみが纒わり付いて離れないのは何故だろう?


私はどうしたいのだろう。

責任やら義務を一旦投げ捨てて、欲望のまま、夢を描いてみよう。


大きなトランクに、彼の家族に迷惑をかけないだけの金貨の入った袋を放り込む。あとはお気に入りのものだけ詰めて、近衛隊長の田舎の屋敷に行く。

ソレイユ夫人も一緒だ。


そして毎日、読書や刺繍をする。彼の家族とおしゃべりしながら甘いお茶を飲む。

彼の家族だ、きっと温かい人柄なのだろう。


時には畑仕事の真似事をして、エプロンに土の匂いを染み付かせる。食事の準備を彼の母に教えて貰う。


気候の良い日は、近衛隊長が乗馬をする姿を見て、自分も乗せてとせがむのだ。


兄は時々そんな妹の様子を見にやってくる。夕食を一緒に食べたあと、今度は兄に泊まって欲しいと頼み込み、彼は結局二、三泊する羽目になるのだ。


叶わずとも、想像するのは楽しかった。

そうよ、夫がいなくても私の夢は描けるわ。


でも、もし王が理想の夫だったら?

朝は私を優しく揺さぶり、頬におはようのキスをして、お寝坊さん、顔を洗っておいでと髪を撫でる。


身支度を整えて、おしゃべりしながら朝食を口に運ぶ。


執務の前に、朝の散歩に私を誘う。


そこまで考えて、王妃はやめた。


夢に描いた王にさえ傷つけられるのはごめんだ。

実現しそうな幸せな未来を思い描くのは楽しい。


しかし、全く有り得ないことを夢見るのは、虚しかった。

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