ちびっこ勇者魔法使いに出会う
「ハァ…どうしましょ…」
ジョエールに言われ城下町から意気揚々ととびだしアルヴェスタ山に来たのは良いものの…
「魔物一匹いやしないじゃないのよ…こんな山に魔王城なんてあるの・・・・・・?」
「まぁまぁお姉ちゃん…きっとこの山に魔王城があるって!探してもいないのにないなんて決めつけちゃだめだよ!」
「……それもそうね。まぁとりあえずはこの山を探索するわよー!」
「おー!」
その瞬間グ~~~と二人のお腹から腹の虫が鳴く音がきこえた。
「あ~……とりあえず…ご飯食べようか…」
「そ…そうですね…」
「取り敢えずあたしは魚を釣ってくるから…ユキミヤ君は薪を探してくれない?」
「分かりました!」
さて…とりあえずは竿を作らなくちゃねー…買っておけばよかったわ…まぁ今更悔やんでも仕方がないしおとなしく作ろうっと…取り敢えず丈夫そうな木の枝とつるを適当に組み合わせてうまい具合に削った木の棒を釣り針にしてなんちゃって釣り竿を完成させた。
「正直こんなので釣れる気しないわ―…」
なんてことを口にしながら糸を川に垂らして数十秒…竿を何かが引っ張っている感触が手に伝わってきた。
「え?嘘?!」
驚き竿を引くとなんと魚が釣れていた。私は口を開けてポカーンとしていた
「あー…意外と何とかなるもんなのかしら……?」
予想外の出来事ではあったけどまぁ釣れてるんだから別に気にしなくてもいいか。何て呑気な事を考えながら釣りを続行した。
「おねえちゃーん、魚どのくらい釣れましたか―?」
「あ、おかえり―。結構釣れたよー」
ユキミヤ君が戻ってきたころには大体15匹くらい連れていた。正直二人で食べる分にしては結構釣りすぎちったな…そう思い釣るのを止めようとした瞬間にまた竿を何かが引っ張っている感覚が手に伝わる。ただ先ほどまでと違い重さが明らかに通常の魚の重さではなかった。
「!!…ユキミヤ君!大物だよ大物!ちょっと引っ張り上げるの手伝って!」
「え?!ハ、ハイ!」
「良い?いっせーので引くよ!いっせ―…の!!」
二人でタイミングよく竿を引くと、そこには魚ではなくタコの様に触手めいた長い緑色の髪で魔女ハットを被り黒いローブを着ている女性が釣り針に引っかかっていた・・・・・・
「…………」
「………え?」
…数分後…
「いや~…助かりました~。お二人ともありがとね~」
取り敢えず釣り上げた女性をたき火で温めながら焼いた魚を食べさせたらものすごい勢いで元気になっていった。
「いえいえお気になさらず―…」
「無事みたいでよかったよー…」
「あー…自己紹介がまだだったね~…」
と女性はそう言うと立ち上がりくるりとまわりローブをたなびかせながら自己紹介を始めた。
「アタシの名前はトゥエル~!こう見えて魔法に精通してるんだ~!そして君たちで言うところ亜人種ってやつよろしくね~!」
そう言うと彼女は回転を止めビシッと決め顔でポーズを取った。
「よ…よろしく…」
正直なところこの子のテンションについて行けそうにないわ…そんなことを思っているとユキミヤ君が小声で私に質問をしてきた。
「…ねえねえお姉ちゃん…亜人種って何…?」
「え?…あー……まぁ簡単に言うと人に似てる別の生き物よ」
「へぇー…」
亜人種…というのは私達人間が『人のようでいて人ならざる知性を持った種族』の事を総称として『亜人種』と呼んでいるの…でも大抵の種族は亜人種と呼ばれることを嫌っているの。だけど彼女…トゥエルは自らの事を亜人種と呼んだ…このことに対して私は少し疑問を持った…が多分気にすることでもないでしょうと思いほかの気になった疑問をぶつけてみた。
「ねぇトゥエル…さん?貴方って…いったい何族なんですか?魔法に精通してるってことは…エルフ族・・・?」
「んー…まぁそんなところだよ~」
「ハ、ハァ…そうですか…」
「あ、あと~アタシのことはトゥエルでいいからね~敬語とかもしなくていいから~!」
「え、えぇ…分かったわ」
何かうまい具合にはぐらかされてしまったような気がするが…まぁ良いか…何て事を思いながら焼いた魚を一口パクリと口にした。




