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おひとり様で行くファミコンRPG世界冒険録  作者: 橘可憐
2 ー 2ルアルコー国
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別行動してみた

初級ダンジョンは街から歩いて40分ほどの所にあった。

しかしこの荒野には珍しく木の多い平原と言った感じで、どこからどこまでがダンジョンなのか見た目では判断しづらいのがまた悩ましかった。


木も枯れたように見える背の高い木や、背の低い木と言うより太くなった雑草の様な木などで、良く見ると沼の様な場所もあった。

広さで言えばもしかしたらバアラニックのダンジョンより広いかも知れないと思っていた。


「この先からがダンジョンの様ですね」


ルリが足元を指さすので確認してみると、私達が立つ場所と一歩先の土の色がはっきりと区切られた様に違っている。

気にして良く見ていないとそれはきっと気が付かないだろう程度の色の違いだったが、ダンジョンの方が若干色が濃いのが分かる。


「入口とか出口なんてのは無いんだね」


「そうですね、その分このダンジョンを隈なく攻略するとなると大変かもしれませんよ」


ルリの言葉に私も素直に頷いていた。

まず通路らしい通路が無い分どこまで攻略したかも判断しづらいし、きっちりと現在地と進行方向を見極めていなければ迷う事になるかも知れないとマップを開いた。


「じゃぁ始めますか」


私は迷うことなく境を超えてダンジョンへと足を踏み入れた。

するとさっきまではただの景色でしかなかったそこに突然魔物の姿が見え始める。

モグラかネズミかと言った感じの魔物が穴から飛び出して来たり、サボテンに擬態した魔物が棘を飛ばして来たり、枯れ草がコロコロと転がっているかと思えばそれが魔物だったりして、然程強くない相手とは言えなかなかに気が抜けなかった。


しかし、大きな岩の上やその岩陰に宝箱があったりもしたので、そう言う場所を見かけると確かめない訳にはいかず、思いの外攻略に時間が掛かり結構疲れた。


「これ、デジョンが使えなかったら全エリア攻略できる気がしないわ」


大きな岩から飛び降りて改めて周りの景色を眺めながら私は呟く。


「こうして景色だけ見るとダンジョンとは思えませんね」


同じくルリは辺りを見回している。


「宝箱の位置や魔物の位置が分かればもう少し楽なのにな」


「マップに表示させますか」


「できるの?」


「今のあなたは発見や警戒と言うアビリティを覚えましたからダンジョン内だけなら可能ですよ」


「そういう事は事前に教えてよぉ~」


「聞かれませんでしたから」


デジャブの様な会話を交わしマップに宝箱と魔物の位置情報を表示して貰うと、驚いた事にまだ開けてないマップにも宝箱のマークと赤い点の表示が現れていた。


「ねぇ、もしかしてこのひと際表示が大きいのってエリアボス?」


「そういう事になりますね」


「じゃぁ、今日はこのエリアボス倒したら戻ろうか」


私は辺りにはもう宝箱が無いのを確認してルリに同意を求めると、ルリは黙って頷くのでエリアボスを目指し足早に進んむ。するとボスの表示も動いている事に気が付いた。


「もしかしてここのエリアボスって移動してる?」


「その様ですね」


「マジかぁ~。じゃぁ知らなかったらボス見つけるの大変じゃない」


私達はエリアボスの表示を確認しながら追いかける様に軌道修正して進み、そして漸くその姿を確認すると三角柱の身体にオレンジ色の頭を乗せた人間より大きなサボテンだった。


(このサボテン前世で育てていたのに似てるよ)


油断をしていると頭から棘爆弾を投げつけられた。

咄嗟にルリに身体を引き寄せられ爆弾を回避し気が付くと、ルリによって既にエリアボスは倒されていた。


「戦闘中に気を抜かないでください」


ルリには珍しい強い語調と険しい顔つきに私は「ごめんなさい」と素直に答え心から反省していた。




その頃のシオンは混雑する店を選び中に入ってはたいした物も買わず、店員にマジックバックをわざわざ自慢して歩いていた。


「よお兄ちゃん良いもん」


「雑魚に用は無い」


シオンを付け回す荒くれ共のセリフを最後まで聞かずに相手を軽く倒す。


「一番高い値を付けてくれたヤツになら売っても良いがな」


と、そんな挑発めいた行動を繰り返していた。



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