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 カードゲームや携帯ゲームばかりでもアレなので、チャンバラごっこをすることになった。

 使うのは、地震発生装置でもあるスケさんの剣だ。

 実はこの剣、鞘から抜かなければ何も起きないことがわかったのだ。

 つまり、鞘に収めたままぶん回せば木を風圧で斬ったりすることは不可能なのである。

 とはいえ、本物の剣だ。

 本当にチャンバラをするわけではなく、どちらかと言うとごっこ遊びの要素の方が強い。


 「よく来たな、勇者よ。

 我の手を取れ、さすれば世界の半分を与えようではないか」


 かつてプレイしたゲーム。

 そのラスボスである魔王のセリフをノリノリで口にした。

 名演技!

 自画自賛になるけど、かなりいい線いってるんじゃね、これ?!


 そんな魔王役の自分へ、少し戸惑いながら返してくるのはもちろん、スケさんである。


 そう、なにを隠そうスケさんが勇者役である。


 「だが断るっ!」


 勢いよくいって、すぐにスケさんが頭を傾げながら続けた。


 「あの、これ配役逆じゃ?」


 「そうですか?」


 自分は好きなんだけどなぁ。魔王役。

 

 「魔王が好きなんて、変わってるなぁ」


 「いや、普通に勇者も、そのお仲間も好きですよ。

 遊べれば悪役だろうが英雄役だろうが気にしないだけです」


 「ま、こうして遊ぶために墓地へ通ってきてるってだけで、変わってるか」


 「……うーん、ちょっと疑問なんですけど、スケさんの言う変わってるって、なにを基準にしてるんですか?」


 ちょっと思うところがあって、ごっこ遊びを中断して自分はスケさんに訊ねた。


 「基準?」


 「この場合は、スケさんにとっての【普通】ですかね?

 いや、だってそうでしょう?

 自分からしたら、スケさんがカップ麺やポータブルプレーヤーに驚くのは変わってる方に入りますよ。

 だってそれはこの世界、この時代には普通にあるものだし。

 今の話から考えるに、スケさんが生きた時代には勇者に憧れる人は居ても、悪役である魔王に憧れたり好きになったりする人は【普通】いなかったってことですよね?」


 「…………」


 「スケさんからすれば、たしかに自分は変人で普通ではないのかもしれないですけど、自分からすれば変人で普通でないのはスケさんなんですよ」


 「似た者同士ってことが言いたいのかな?」


 「ん?

 んー、いや考えの基盤というか基準がそもそも違うから、好みの違いを変だって言われて違和感があったというか。

 こう、引っかかったというか」


 「カチンときた?」


 「いや、そういうのとはまた違うと言うか。

 でも、近いというか。

 んーむむむ、うまく、説明できません」


 「ふむ」


 「あ、これだ!

 そもそも喋る骸骨が、普通だのなんだのウダウダ細かいこと吐かすなよって言いたかったんです」


 「……貴方、時々、口悪くなるね」


 「あはは、これが自分なんで」



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