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 「なあ、謙二 お前本気なのか?」


 日名子の為のココアを淹れている謙二に一樹は問いかける


 「今更なにさ、かず兄 1回は承諾したじゃない」


 チラっと一樹を見ながら 謙二は少し面倒臭そうに答えた


 「…でもやはり日名子が心配なんだ」


 「じゃあ かず兄はどうしたらいいと思うのさ?」


 「俺の会社で俺の秘書」


 「却下。 かず兄の秘書って言ったって 色んな奴らの接触するじゃんか」


 「それは謙二に任せても一緒だろ?」


 「いや。全然違う。俺の方は若いイケメンばかりだ」


 「まあ俺の会社の方が年齢層は高いな」


 「だろ?かず兄の会社の方が危険だって」


 「日名子・・・あいつが・・・ファザコンじゃなければなあ・・・」


 日名子の元旦那は職場の上司だった。


 始めて挨拶にここへ来た時 自分達よりも年上のサエナイ小太りのおっさん


 うちの可愛い日名子が騙されてる!!へんなおっさんに騙されてる!!!と発狂したのは秘密


 後で知ったのだが彼女の好きな芸能人は漫画家のえびすよ〇かず


 元々 父親の影を探してるのか 年上好きってのはなんとなくわかっていたが・・・


 ぽっちゃり?ぽっちゃりですますのか?あれ?っていう感じの太った人。ようはデブ専と知ったのはこの頃だ。


 小太りのサエナイおっさん……は日名子のドストライクだったのだ

 

 「かず兄の今の第一秘書の尾崎さん(42歳独身)とか・・ヤバいと思うんだよね」


 「そうか?でも尾崎は細身で年齢の割には爽やかだかぞ。経理部長のハゲタヌキ(46歳独身巨体)の方が危険だと思うんだがな」


 「あんなハゲタヌキに お義兄さんとか呼ばれたくもねえな」


 「当たり前だ。呼ばせるもんか」


 「そんな恐い事にならないように この家に閉じ込めながら仕事をてもらうのが得策なんだよ」


 「・・・・・別に仕事なんかしなくても俺が食わせてやるのにな」


 「それは・・俺だって日名子くらい養えるさ、でも本人がそれだと嫌がるだろ?」


 「仕事って名目は必要だもんな」


 「この家に居てもらう為には仕方ないんだって。認めてよ。かず兄」


 「仕方ないか・・・・。」

 

 もうこんな会話は何度目だろうか。


 さんざん話しあって納得したはずだったのに


 やっぱり心配なのだ。本当だったら日名子を家に閉じ込めてしまいたい


 またへんなおっさんに騙されて傷つく姿なんかみたくもないし


 へんなおっさんを引っかけてこられても正直困る。


 元旦那に「お義兄さん」と呼ばれた時の屈辱といったら・・・・


 明らかにあんたのが年上!!いやだ!こんな弟!!!と我を忘れた事を忘れない


 あんな思いはもうしたくはなかった。




 


 

 白檀の入った長いお線香 それが1本消えるまで日名子は 仏壇に向かって話しかけていた。


 ぶるっ


 日差しはいつの間にか陰ってきている


 肌寒さを感じながらリビングへ戻った


 


 「挨拶終わったよ」


 そう言いながらリビングに入ると美味しそうなココアの匂いが漂ってくる


 「仏間は少し寒かったろう?体冷えなかったか?」


 謙兄がそう言いながらココアを差し出してくれた


 「少し肌寒かったけど平気だよ」


 「そうか。」


 ・・・


 ・・・・・・


 「ねえ、お兄ちゃん」


 意を決して 離婚報告をしようと思う


 こーゆうことは早いうちにサラッとすませてしまいたい


 そんな私の心をまったく無視したように


 「なあ、日名子の煮物が食べたい」


 「かず兄ずるい。俺は日名子のポテトサラダが食べたい」


 2人から何故か料理のリクエスト


 「・・・それって夕飯作れってこと?」


 「うん」「おう」


 まあ、久しぶりだし今日くらいたまにはいいか


 「りょーかい。って材料あるの?」


 「色々揃ってる」


 「煮物とポテトサラダとみそ汁と焼き魚と炊き込みご飯 よろしく」


 「ちょ 炊き込みご飯も?」


 「俺らも手伝うよ」


 「……わかった」


 ココアで体を温めた後 キッチンに立つ


 広い対面キッチン 大型冷蔵庫には沢山の食材が入ってる


 さぁ 作ろう!っとエプロンをし袖をまくり手を洗う


 「あ、それと」


 まだあんの!!!?と思ったとき


 「カレー5人前な」


 「カレーなら俺も食べたい +2人前」


 「かず兄が食べるんなら俺も食べる」


 「なら カレー10人前に追加だな」



 わけのわからない注文が入る。


 あれ?炊き込みご飯だよね?煮物だよね?ポテトサラダだよね?


 カレー・・・って


 10人前って!!! 


 カレー自体は簡単だけど10人前とか じゃがいも剥くのすら嫌なんですけど・・・


 


 








 

 









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