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リアル・インテグラル・マキナ〜死んだら即終了のゲーム世界を死線突破の火事場スキルで無双する〜  作者: 雷蔵ててな
裏マップ

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24/27

約束


 そのまま解放された俺達は詰所を後にした。

 時刻は十九時を回っており既に真っ暗だ。

 精霊の淡い光が飛び交って幻想的である。


〈なんかいい雰囲気〉

〈浮気者〉

〈羨ましい……〉

 

 少し並んで歩いた。

 他愛もない話をする。


「じゃあ……」


 別れを切り出そうとしたその時。

 ユーナが真剣な顔をして俺を見ていた。


「烏我くん」


「なんだ」

 

「ボクとパーティを組んでくれない?」


「すまん、無理だ」


 俺は即答した。

 何となくそんな気はしていたから答えは用意しておいた。


「えっ」

 

 ユーナは目をぱちぱちさせている。

 そして数秒後。

 

「そ、そんなぁ……」

 

 見るからに落ち込んだ。

 犬だったら耳が垂れている。

 尻尾がしゅんと下がる姿を幻視した。


〈ユーナちゃん可哀想〉

〈辛辣で草〉

〈まあ役職ちょっと被ってるしなあ〉


 コメント欄が哀れんでいる。

 少し素っ気な過ぎたか?

 一応、付け加える。


「今は……な」


「今は?」


 そう。


「ソロでしか手に入らないスキルがあってな。それをゲットするまでは誰ともパーティ組みたくないんだよ」


「じゃあその後でなら……?」


 ユーナがおずおずと聞いてくる。

 俺は頷く。


「ああいいぞ。とは言え俺と役割が似てるからな。バランスを考えるとクランの違うパーティに、となるかもしれないが」


 これも前のアカウント消失を受けて感じた課題の一つ。

 

 ソロの限界。

 

 一人でできることには限界がある。

 だから何れは仲間を集めるつもりだった。

 パーティを組み、あわよくばクラン創設まで。


 今回のアカウントではそこまで視野に入れている。


「クラン作るんだ!?」


「ああ、そのつもりだ」

 

「やった! 約束だよ!」


 喜ぶユーナ。

 表情がコロコロ変わる。

 見ていて面白いし分かりやすいやつだ。


〈いいな〜〉

〈うちも入りたい!〉

〈いつクランメンバー募集しますか!?〉


 そうだ、とユーナが思い出したように手を叩く。

 

「烏我くんは配信でステータス晒してるんだよね」


「うん……? まあ、そうだな」


 本当に隠したいものは隠してるけどな。


「じゃあフェアにボクのステータスも見せておくね」


 言うなりメニューを操作する。

 直後、共有ウィンドウが視界に表示された。

 

————————————————————————

【ステータス】

 清瀬 夕奈

 Lv:28

 体力:74/74(C)

 魔力:101/101(B)

 筋力:113(A)

 知力:86(B)

 器用:113(A)

 敏捷:113(A)

 耐久:59(C)

 精神:59(C)

 幸運:86(B)

【スキル】

 双剣術/急所攻撃/回避/連撃強化/投擲/軽業/忍足/潜伏/気配察知/気配遮断/暗視/解錠/毒物知識/応急処置/逃走/クロススラッシュ/ラピットエッジ/ステップブレイド/ガードブレイク/ツインファング

【称号】

 追跡者

【装備】

 武器:黒牙の双短剣(レア)

 頭:影織りのフード(アンコモン)

 胴:夜行革鎧(アンコモン)

 腕:瞬撃の手甲(アンコモン)

 腰:怪盗のユーティリティベルト(レア)

 足:疾風のブーツ(アンコモン)

 装飾:宙の耳飾り(エピック)

 装飾:紅狼の牙飾り(レア)

————————————————————————


 別にそんなことを気にする必要は無いのだが……

 だがこれがLv.30程度のプレイヤーのステータスか。


「どうかな?」


「悪くはないな」


 正直な感想だった。

 評価Aが三項目というのは結構上澄みの方だ。

 俺のように頭がおかしくないとSはいかない。

 スキル構成もシーフとしては最適かもしれないな。


〈ユーナたんって結構強いよな〉

〈これが一般的なプレイヤーのステータスか〉

〈比較対象があれだからなんか低く感じるな〉


 というか耳飾りはエピックか。

 意匠的にレジェンダリーでもおかしくないと思ったがな。


「えへへ」

 

 ユーナが照れたように笑う。

 

「でも烏我くんって変だよね」

 

「変って何だ」

 

「Lv.6で異常進化したボスエネミーを倒す人は変だから」

 

「それは否定できん」

 

 自分でもそう思う。

 たぶん普通じゃない。

 運が良かっただけとも言い切れない。


〈その通りで草〉

 

 ユーナがくすくす笑った。

 まあいいや、と言って後ろに数歩下がる。

 

「じゃあまた」


「ああ、またな」


 手を振って別れる。

 やがてユーナは夜の街に消えていった。


「さて」

 

 俺は賑わう夜の大通りへ足を向けた。

 

「街中を色々寄っていこうか」


 やることは山積みだ。



※



 ピコン、と通知が来た。

 メールにビックリマークが着いている。

 新着メールが届いたようだ。開いてみる。


 フランリッテ:さっきはすまなかった

 フランリッテ:そろそろ仕事が終わるんだが……

 フランリッテ:今夜待っていてくれないか?

 烏山 科戸:すまん、やることある

 フランリッテ:えっ

 フランリッテ:貴様! 後でって言ってた!

 フランリッテ:逃げないって言ってた!!

 フランリッテ:あの言葉は嘘だったのか!?

 フランリッテ:おい!返信しろ!既読無視するな!

 フランリッテ:(不在着信)

 烏我 科戸:また今度な

 フランリッテ:貴様……

 フランリッテ:約束だからな!?

 フランリッテ:おい!わかったら返事しろ!

 フランリッテ:(不在着信)

 フランリッテ:おーーーーーーーい!!!


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