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グールとカーミラ王

よろしくお願いします

 「……はぁ」


 ──長い。


 一体この遺跡はどこまであるんだろうか。

 このエリア、広すぎやしないか?

 もうかなりの距離進んであるんだが……。


 敵にも殆ど会わないし。


 「もう遅いしログアウトかな………ん?」


 余りにも敵に会わないのでもうログアウトしようかと思ったいたとき目に入ったのは──。


 「──扉?」


 こんな扉さっきまで無かったような……。


 かなり怪しげな扉だけどこれはゲーム。思い切って……。


 「あら?何でこんなところに人間が?」

 「──ひいっ!」


 (な、なんだ!?)


 突如後ろから女の人の声が!


 恐る恐る振り向くと、いたのはパジャマ姿の金髪の美女だった。


 「え………誰?」


  ◆□◆□◆□◆


 「あなたは誰?」


 女の人が聞いてきた。


 こっちが聞きたいんですけど……NPCってのは表示で分かるけど。


 <シークレットクエスト『カーミラの隠し部屋』が発生しました>


 「うおっ!」


 驚かすなよ!


 今度は何だ?………シークレットクエスト?

 普通のクエストとは違うの?


 ──まぁ良いか、レアだって事だろう。


 「何でここに人間が?……しかもこんなとこまで……ふむ……」


 パジャマ姿の美女は何かブッブツ言ってる。

 少し怖い。どうしたんだろう?


 じっと見ていたら急に美女がこっちを向いた。


 「あなた何でこんなところにいるのかしら?」


 なぜ?とは。

 ここにいる理由などゲーム内の探索以外にないのだが。


 「巨大スケルトンはどうしたのかしら?」


 巨大スケルトン?──ああ、偉助なら。


 「──倒しました」


 何で巨大スケルトンがいることを知っているのだろう。

 巨大スケルトンのせいでここから出れないから倒してくれとかそんな感じのクエストなのか?


 「あら……やっぱり、あの子は倒されたのねぇ……」


 ……あの子?


 何か嫌な予感がしてきたぞ。


 「まぁ良いわ。そこ少し良いかしら?」

 「……この扉ですか?」

 「あら?あなたこの扉が見えているの?」

 「え?あ、はい」


 扉が見えないプレイヤーもいるのだろうか。いるのだろう、この反応だと。ここはアンデッド系のダンジョンだから【死に向かうもの】が原因かな。それとも俺の種族がグールだからか──。


 「へぇ、見えるのね……」

 「あ、はい……」


 どうも緊張する。

 不思議な雰囲気だ。


 それにかなりの美人だから。一度も彼女出来たことのない俺からしたら緊張してしまう。

 それにパジャマ姿だから余計にさ……。

 

 「ちょうど良いわ、少し遊ばない?」


 ……もう変な意味にしか聞こえない。

 このゲームは全年齢対象だしそんな展開にはならないとわかっていてもだ。


 「遊ぶって言うのはどういう?」

 「今から私が呼ぶ子と戦って頂戴」


 戦い。……どんな相手が出てくるのだろう。シークレットクエストと表示されていたし、かなり強い敵になるだろう。


 「戦ってもらうのはこの子よ」


 ──少しの緊張と強敵への畏怖を秘め見た先には。


 「──巨大スケルトン?」


 ……また?


 「そう、“偉助”」


 ……ん?


  ◆□◆□◆□◆


 思った以上に拍子抜けだった。もっと強い敵が出てくると思ってたんだけど、蓋を開けてみれば一撃で沈んだ弱敵。


 「また負けたのね偉助、次は頑張って、もっと力を与えてあげるわ」


 女の人が偉助に話しかけてる。何やら知り合いっぽい会話だ。


 「グォ……」


 女の人が偉助に触れたら偉助の体が光った。

 すると表示されているステータスが変化した。



 巨大スケルトン“偉助” レベル17



 レベルの大幅アップ?

 しかも身体でかくなって体が黒く光ってる。


 「さあ行きなさい“偉助”」

 「グォ!」


 は、早い!

 倒したやつとはスピードが全然違う!


 避けきれるか!?


 「うぉ!」


 あぶねっ!

 蹴られそうになった!


 こっちも蹴ってやるわ!


 「おりゃ!」


 ガキッ!


 ……痛い。

 堅すぎでしょコイツ!


 どうすれば?


 【死にゆく業火】でも使うか……


 業火?……そう言えば


 「【フレイムショット】――ッ!」

 「グ?………グォォオオア!」


 あ、燃えた……。

 火に弱いってところは一緒なのね……。


 「忘れてたわ……」


 女の人も頭を抑えてアチャーって感じ。


 偉助の弱点のこと忘れてたみたい。

 ……何かドンマイ。


 「失敗したわ。面白くないし、もう帰るわ」

 「……あっ、はい。そうですか」

 「──そうそう、もしよかったらこの扉入ってみて?」

 「え?用があるんじゃ?」

 「もう良いわ、もし入るなら頑張って」


 もう良いんだ。

 自由人だな……。


 「わかりました」

 「それじゃあ、さようなら」

 「あ、はい、ありがとうございます」


 そう言って女の人は洞窟の奥へ歩いていった。


 あっ、そう言えば彼女の名前見てない。


 「えっと……」


 去り際の彼女のステータスの表示をチラッと見る。



 カーミラ王

 詳細不明。



 へぇ~カーミラねぇ………ってカーミラ王!?


 彼女王様だったの!?

 しかもこの遺跡の名前の人じゃん!


 結構重要なNPCだったんだ。


 王様がまさかパジャマ姿だとは思わなかった。王様、息抜きでもしに来たのかな?


 もしかして扉の中は休憩室みたいな感じなのだろうか。


ありがとうございました!

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これからもよろしくお願いします!

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