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ナツメは自虐気味にそう呟く。と同時にキャロルが脳天にチョップを浴びせてきた。
「痛ってえぇ!何すんだよ!」
「ダメだよ、ナッちゃん!また、すぐそうやってネガティブシンキングするんだから。ちゃんと銃を発動して、フライドチキン倒せたんだし結果オーライ。でしょ?」
キャロルは、人差し指を口元に当てウインクする。
「フライスネークな」と突っ込みながらも、ナツメは反省した。キャロのいう通りだ。考えてもどうしようもないことをうだうだ悩んでもしょうがない。焦らず、自分のペースでエリュシオンの使い方を把握していけばいいのだ。
「あの子……」
キャロルが窓から覗く湖に目をやる。
「ミアちゃん、一緒に来てくれるかな?」
一呼吸置いてからナツメは「それこそ、あの子が決めることだろ?」と答えた。
「うん……そうだよね」
キャロルは笑顔を浮かべる。そして「ふわぁ」と欠伸した。
「今日は大変な一日だったし、早めに寝るか。明日も朝早いしな」
ナツメとキャロルは苦笑しながら、その日は早々に寝る準備を整え床に着いた。
翌朝の九時、ナツメとキャロルはポトラ村の入り口付近にある平坦な形をした岩に座っていた。ミアには「明日、村の入り口で八時に待ち合わせよう」と伝えてあった。
「ミアちゃん来ないね……」
キャロルが哀愁に満ちた表情を浮かべる。
ナツメは昨日、ミアに言い残した言葉を反芻していた。
——フライスネークという家族の仇を取ることに成功した後、どうするつもりなのか?
明らかに彼女は、あの異形種と刺し違えるつもりだった。
それも踏まえた上で、ナツメはミアに「死ぬのはいつでも出来る。でも、俺たちにはミアが必要なんだ。信用出来ないかもしれないけど、もし俺たちがロクでもない奴らだってミアが感じたら、すぐに見切りをつけてもらって構わない」と告げていた。
ナツメは時計を見る。
「一時間か、キャロ。そろそろキーロフに戻ろう」
「でもミアちゃんが……」
「元々、俺たちが強制とか出来る筋合い無いことだしな」
しきりに残念がるキャロルを慰めながら、ナツメはヴィエジャの森に向かって歩き出した。
その時、すぐ傍の茂みがざわざわと動き、外套を羽織った小柄な少女が出てきた。
「ミアちゃん!」
キャロルは、さっきまでの塞ぎようが嘘のように、はしゃぎながらミアに抱きついた。
「にゃ!?」ミアが悲鳴をあげた。
「遅いじゃん!もう来ないかと思って……僕。僕……」
キャロルは目尻に涙を溜め、ミアを力強く抱擁する。




