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キャロルはミアが寝ているベッドに腰掛けると顔を寄せてきた。
「ミアちゃん!」
「は、はい!」
声の大きさにミアは身を震わせる。
「ミアちゃんってさ……胸、大きいよね」
「……は、はい?」
キャロルのいっていることが理解できずミアは、おっかなびっくりしながら訊き返す。
「僕よりさ……胸、おっきいなって。でもって小柄で童顔で可愛いだから反則だよ!」
キャロルは顔を更に近づけ、ミアに頬ずりし始めた。
「ひぁ!」
ミアはどうしていいか分からず、なすがままだ。そこへドアが開き、ナツメが入ってきた。
「どうだ、キャロル。ミアは目を覚まし……」
ナツメがいい終わる前に枕が顔面に飛んできた。
「ナッちゃんのスケベ!ミアちゃんの下着姿見に来るなんて最低だよ!」
「いや、ちょっと……まて!俺、そんなつもりは……」
「早く出てけ!」
ナツメは慌ててドアを閉じ、逃げ去るように部屋を後にする。
「ほんと油断も隙もないんだから!ミアちゃんが怪我してないか確認するために服、脱がせてもらったんだよ。あ!服持ってくるね」
キャロルは部屋のテーブルに置いてあったミアのキャミソールとレギンス。それから外套を手に取る。
「はい!」
キャロルはシーツに包まっていたミアに衣服を手渡す。
「あ、ありがとう……ございます」
「うんうん!」
ミアはそそくさと衣服を着た後、キャロルにお辞儀をした。
「……あの、わざわざ私なんかを看病してくれてありがとうございました。それでは……私はこれで失礼させて頂きます……」
「あれ?もう行っちゃうの?」
キャロルは酷く寂しげな表情を浮かべる。
「もっとミアちゃんと話したかったんだけどな。ほら!例えばー、なんであのフライドチキンとかいう異形種に立ち向かっていったのか、とかさ。あ!後、その左手の指に付けてる指輪、宝具だよね!糸みたいなの出してたけど、凄く便利そうだね!」
キャロルは勢いよく捲したてる。ミアは透きとおるようなエメラルドグリーンの瞳でキャロルをじっと見つめていた。そして形の整った唇を少し開く。
「あの……キャロルさん。え、と……。たびたび、助けて頂きありがとうございました。でも、もう……私なんかに関わらない方がいいです」
ミアは、そういうと部屋のドアを開け出て行った。
ミアが宿屋の受付を通り過ぎたとき、店の主人は露骨に嫌悪感に満ちた表情を浮かべた。ミアは気づいていたが構うことなく宿屋の外に出た。




