第8話・ゴブリン討伐
勇者
十年前、魔族がまだ生きている頃人間はとても弱かった。
魔族は少数だが、魔法の発展が他の種族より数段進んでいる。
獣人族は魔法はほとんど使えないが身体能力に関しては魔族も歯が立たないくらいに高かった。
に対し、人間は身体能力のずば抜ける人間も獣人族には勝てないし、魔法が誰よりも上手く使える人間も魔族の魔法発展には勝てなかった。
しかもこれは人間の中でもかなり少ない人数だ。大多数の人間は他の種族からみたらゴミ同然だった。
そこで人間は禁忌に手を出す
勇者召喚だ。
勇者を召喚するには人間の命が100以上は必要だった。だが、彼らにとっては命など安かった。王族が奴隷を買い占め、召喚の生贄としたのだ。
召喚したのは3人。計300人以上の命が犠牲なった。
そうして勇者は召喚された。だが、召喚されたのは4人だった。王は神が我々に慈悲をくれたととても喜んだ。
勇者は召喚されて数年で力をつけ、他国からも恐れられる存在となった。この時、他の種族は人間を初めて敵として認識した。
そしてさらに数年たったある年。
魔王が勇者により討伐された。
獣人族も兵を送ってはいたが、何度も返り討ちに合うばかりだった。
これにより、人族は初めて脅威として認知されたのだった。
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カレン
と、いうことでわたくしカレンはいま冒険者ギルドに来ております。中は人で溢れかえってさらにそのほとんどが男男男。
花ならギルド受付に咲いているが、そこに群がる男男男。
とりあえず自分の受けたいクエストを見つけるためにクエストボードを1通り見る。
『ゴブリンの巣窟制圧。推進ランクB以上』
数は恐らく数10匹。ゴブリンを統べるゴブリンキングが1匹いる模様。
「数がいるならこれでいいか」
ちなみに俺のランクはAとなっている。今のところSランクが勇者3人にギルドマスターと旅に数人出ているので2ケタいくか行かないかぐらいだろう。
紙をちぎって空いている方のギルドカウンターへ持っていく。
「これお願いします」
「ああ?あーこれね」
勤務中だと言うのに飲料、多分酒をガバガバと飲んでいる女性。最初入った頃は女だと人がたくさん来たが、今では隣に可愛い子がいるのでこっちに1人も来なくなったことに不満なのだろう(推察)
「あんたねぇ、これランクB以上って書いてあるでしょーがー」
「いやあの俺Aなんですけど」
「なにをー!そんなことあーるわけないじゃーないですかー!ほれほれギルドカード、ギルドカード見してみー」
完全に酔ってて少しイラッとしたが我慢してギルドカードを差し出す。
「あら?ほんとにAじゃないのー!小さいのにやるわねぇー!んじゃ、いってらー」
ポイッとカードを投げ渡される。来る場所間違ったかな
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ギルドを出てさらに西の門を出て少し歩くと大きな森がある。
ちなみに忘れられているような気がするが、俺は一応貴族なのだ。なぜこんなところをウロウロできるのかと言うと家の権力者の父上が完全に俺のことをビビってしまっているのだ。
自分の息子が化け物であった時のわかりやすい親の反応だろう。ジブ○作のものだったら楽しく育てられるかもしてないが、現実そう上手く行かないものだ。
母上は放任主義なようで心配はしているが、俺のやりたいことを否定しないため自由に外を出歩ける。
「ついた」
視力を強化して前方200m先にゴブリンの巣窟を確認する。
今回このクエストを受けたのは実験がしたかったからだった。昨日負けたのはあのアーマーを貫けなかったからだ。
俺の闇魔法を使えばいけるかもしれないが、使用禁止と自分で決めたのだからここは妥協したくない。
そこで考えた新しい魔法。
「錬金」
地面に手を当てて魔法名を口にする。
錬金は土魔法の一種で等価交換で物質を変換したり、その変換した物質をほかの形に変えたりできる。
今回イメージするのは銃というものだ。
記憶を頼りに細部までしっかりとイメージすると少し大きめのピストルというものが出来上がる。多分なかなかの出来だと思う。
「よし、できたがこの構造通りに作ってもアイツには全く無意味だろう……あのアーマーが反応出来ないくらいのスピードと量……」
少し考えると何となくイメージが出来上がる。
ここで肝心な部分が弾だ。
まずはカマイタチを起こし、それを空気の壁で覆って圧縮する。圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮
自分の体積以上あったものを魔法陣を壊さずに指の第2関節以下まで圧縮する。
そして魔力で弾の形を作ってその中に圧縮した風魔法を入れる。
ちなみに失敗すると超高圧縮されたカマイタチが自分に全て襲いかかってくるので最新の注意が必要だ。
これを10回ほど繰り返す。
「ふう…やっとできた」
計10発の弾をマガジンに詰めていく。
そしてスライド式の当たりをさらに改造していく。
この銃はスライドさせない。中で爆発術式を発動させ弾を発射すると同時に吸収術式を起動させて威力を最小限に抑える。
銃は純鉄で出来ているが、多分このままではすぐに壊れてしまうため強化術式を付与しておく。
完成した試作品1号にマガジンを入れて安全装置を外し、視力強化を使いゴブリンの巣窟よ入口当たりを狙う。
大体4匹ぐらい固まっている。
「頼んだぞ一発目だ!」
ズガァン!!
という轟音。鼓膜が破れる痛みを感じながら目を見開く。
瞬く間に200mの距離を詰めてゴブリンの肩あたりの肉を抉り着弾する。
「ギェ?!」
ゴブリンは一瞬驚くが、すぐに仲間の後ろに下がる。この連携はかなり厄介だが、今回は好都合だ。
着弾から1秒。魔力の壁が消える。すると超圧縮された風の暴風がゴブリンを襲う。
それはほんの一瞬の出来事だった。一瞬でゴブリン4匹は粉々になり、風で飛ばされる。
「ヒール」
鼓膜を直しつつ改善点を見つけていく。
「音は予想してなかったな…音吸収も追加して、他はOKだったかな?」
音吸収の魔法陣を追加で書いてこれでテストはあらかた完了した。
どうやら銃にはたくさんの種類があるらしく、これに俺の作った魔法を組み合わせればかなりのものになるだろう。
とりあえず今日はこれでいいかと思い銃を腰のガンホルダーに入れて錬金で短い鉄剣を作る。
「今度はブーストだな……オーバードライブ!」
体に力がみなぎってくる。
ここにさらにブーストをかけるのだが、前回の戦闘のようにずっとブーストをかけていては体がもたない。
なので一瞬だけ。
ぐっと腰を落とし剣をしっかり握る。
「ブースト12!!」
ズガン!
足元の地面が削れる。そしてすぐさまブーストを解除して着地と同時に
「ブースト!!」
姿勢は低く。少しでも風の抵抗を減らせるようにと。
洞窟の中は一本道になっているのでこちらとしてはかなりの好都合だった。
異常事態に気がついたゴブリンが10匹ほど出てくるが、もう遅い。
ゴブリンの目の前に1度着地すると同時にブーストをかけ直し、右手に握っていた短剣を1回振るう。
火の強化を付けているので右にいたゴブリンは剣から出た火の餌食となる。
そして着地した時に足元に土魔法をかけていたので左側のゴブリンは串刺しにされてしまう。
そして洞窟の中に魔法弾を数発連射すると洞窟の中で刃物の風が吹き荒れる。
そして残ったのは細切れにされていてもはやゴブリンの原型を保てていないモノが大量に出来上がっていた。
「音吸収つけたら今度は音が少しもしなくなって逆に恐ろしいな…んで、証拠として耳を取ってくるんだっけー?」
殺したのはこれで始めてだし、剥ぎ取りも初めてだが何も感じないな。もっと不快感を味わうかと思ったが、前世で体験してたのかな?
数匹ゴブリンの耳を剥ぎ取り洞窟をでる。
全て耳を剥ぎ取ってもいいがなんか面倒くさくなったから辞めた。
帰ろうと思いまだやることを思い出し足を止めて後ろを振り返った。




