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05.エピローグ
「ララル、ララ」
暗闇の中から再び、紺色の外套を身に纏った少女が、光の円の中に現れる。
「ララル、ララ」
哀悼の意を捧げた歌のようなもの口ずさみ、宙に浮いた赤い水晶玉を手に戻す。
「これで、魔王エリオンの物語はお終いです。存在の仕方なさに揺れながら、育ての親を、魔王を、友を殺し、戦争で多くの人間の命を奪った彼の物語は……」
彼女はそう締めくくると、その場で軽くお辞儀をした。
そのまま踵を返し、また無限の暗闇の中へ還ろうとする。
「ただ……」
しかし彼女は、名残を惜しむように円の内側で立ち止まった。
顔だけを振り向かせると、口角を少し上げて言う。
「魔女ココロの物語は、まだ……続いています」
外套の内側。頭を覆う部分の影から、赤と白が混ざり合った色の光が漏れる。
「人間族でありながら、魔王エリオンの子供をお腹に宿すことに成功し、母親となった……彼女の物語は」
彼女は最後にそう告げると、今度こそ、暗闇の中へと戻っていった。
その場には、誰の物ともしれぬ、光に照らされた長い髪が一本。
魔族と人間族。双方が持つ、心のような色をした髪が一本、残されていた。
エリオンのココロ ――fin――




