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【461さん踏破録】〜元引きこもりダンジョンオタク、入るたびに構造が変わるグンマダンジョンを攻略して最強探索者に至ってしまう〜  作者: 三丈夕六


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最終話 また会う日まで

 俺達が群馬から帰って数週間。今思い返してもあの現象は不思議だった。


 俺とリレイラさんは何故か群馬県の「みなかみ町」という場所にいた。2人ともなぜそこにいるのか分からなくて、俺は傷だらけで動けなくなるし散々だった。


 たまたま近くを通りかかった女性が治癒師で傷を治してくれたから良かったものの、もし彼女と会えなかったらと思うとゾッとした。


 しかも、帰ってからも不思議な事は続いた。俺のスキルツリーに見覚えの無いスキルが出現していたり、他のスキルも上昇した形跡があった。鑑定魔法なんて最大値のレベル5まで上昇していたし。


 その現象に俺とリレイラさんも首を傾げてしまった。


 その後、みなかみ町近くのダンジョンもいくつか回って来たけど「ペラゴルニス」という強いボスが現れたくらいでそれ以外に変わった所は無かった。


 不思議な事は他にもあった。それから何度かダンジョンに潜ったが、スライムやゴブリン、ワーム型といった、特定のモンスターの行動が手に取るように分かるようになっていた。


 何故だか分からないが、体が覚えているというのだろうか? 相手が攻撃モーションに入った時、体が勝手に回避や攻撃の行動を取る。そればかりに頼るのは危険だけど、この感覚に慣れていくしかないな。


 それからリレイラさんの転勤が決まって、あっという間に時間は過ぎて、リレイラさんとお別れする日になった。



 ……。



 彼女を駅に送って行くまでの道すがら、これから1人でダンジョンへ挑むことへの注意事項を彼女に散々言われた。相変わらず頭固いなぁ……お別れの日だっていうのに説教されるとは。


 駅の改札まで来ても彼女の話は終わらず、30分近く駅前で話を聞くことになってしまった。



「いいな、決して無茶はしないこと。君はすぐ無茶をするから」


「分かってますって……」


「なんだその返事は……!」


 俺が辟易している事に気付かれてまた説教されてしまう。道行く人々が俺達をチラチラ見ては距離を取る。なんか、怒られる子供みたいで恥ずかしいな……。


 そう考えていると、彼女は急にふっと笑みを浮かべた。


「だが、ここ数週間の君には驚いたぞ。別人のように動きが良くなったし、私も安心して見ていられた」


「本当ですか?」


 そう言われてちょっとテンションが上がってしまう。俺を見たリレイラさんは何故か頬を赤くした。首を傾げると彼女はプイッと顔を背けてしまう。なんだろう、この反応?


 そう言えば、リレイラさんも少しだけ雰囲気が変わった気がする。厳しいのは厳しいけど、今までとは違う表情を見せてくれるようになった。そう思うと少し残念だな……これからもっと仲良くなれたかもしれないのに。


 彼女は気を取りなおすように顔をブンブン振って、キャリケースを持った。


「それじゃあ、お別れだヨロイ君。また会おう」


「東京でも頑張って下さい」


 リレイラさんはコクリと頷いて改札へ入っていった。彼女が去って行く姿をじっと見つめる。エスカレーターに乗ってもう彼女が見えなくなる。なぜだか、その背中を見ていると胸が苦しくなるような気がした。


 

 今までリレイラさんから教わった色んな事が脳裏をよぎる。厳しかったけど、優しい人だった。リレイラさんがいたから、俺は今日まで探索者を続けてこれたようなもんだ。


 そんな彼女に、もう頼れない。ここからは本当に自分の力で攻略して行かないと。


「……あれ?」


 無意識に顔へ手を当てようとして、ヘルムに邪魔されてしまう。何だろう? 今頬に何か伝ったような……もしかして俺、泣いてた? もういい大人なのに別れで泣くなんてなぁ。


「リレイラさんに見られたら笑われてたかも」


 俺はヘルムを両手でガンと叩いて振り返った。


 リレイラさんは自分の道を進み始めた。俺は俺の道を行く。ここは、真っ直ぐ立って自分の足で立つのが大人ってもんだな。



「よっしゃ!!! 気合い入れて攻略に行くぜ!!」



 俺は、新たなダンジョンへ向けて駆け出した──




 ─461さん踏破録、完─




 そして、2人の物語は10年後へと……。






 

ここまでお付き合い頂きまして本当にありがとうございます。この物語は本編である461さんバズり録のプロローグであり、エピローグに位置します。踏破録から読んだ読者さまは何を言っているんだ?と思われると思いますが、そう思われた方はぜひ本編をご覧下さい。


 このグンマダンジョン出現を引き起こした大事件、「時の迷宮」に纏わる話が語られます。踏破録で不明だった管理者や最後に登場した聖剣についても分かるかもしれません。


 また、バズり録を読まれていた方も、よければもう一度再会した2人の物語を読み返してみて下さい。2人のシーンのつまみ読みだけでもいいので……踏破録を読んでから読み返すと新たな発見もあるかもしれません。


 この作品をいいなと思って頂けました方はぜひ(【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に)して応援下さい。ブクマもぜひそのままで。バズり録を読んだ後のエピローグにもなっておりますので。



 それでは皆様、また会う日まで。お別れでは無いですよ?



 「また会おう」は「再会への約束」です。



 それでは。



461さんバズり録 第一話リンク


https://ncode.syosetu.com/n7721iz/1/


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― 新着の感想 ―
【踏破録】完結おめでとうございます&お疲れ様でした! みなかみ町のオススメ観光マップを見ながら「温泉が何ヵ所もあるな~、混浴あるよね?(ニヤニヤ)」しつつ(←オイッ)、【バズり録】のプロローグや謎に…
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