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第三百三話 平行線をたどる⑧

「ふむ……わらわ達の邪魔をするのなら消し飛ばすまでじゃな」

「そうですね」


ベアトリーチェとレンが、ヒューゴ達のもとへと動こうとした。

だが、その反応も、想定どおりだったというように、ヒューゴの楽しそうな表情は変わらない。

このまま、悪戯に時間を消費することがヒューゴの狙いだからだ。


「『破滅の創世』の配下達は、同じ地に長時間、留まることはできない……」


『破滅の創世』の神としての権能の一つである神の加護。

その力を一族の上層部が有している今、『破滅の創世』の配下達は同じ地に長時間、留まることはできない。

神のごとき強制的な支配力。

一族の上層部が有している、その絶大な力は天災さえも支配し、利用することができる。

それは『破滅の創世』の配下達を同じ地に留めないようにすることも可能だ。

時間制限まで、ヒューゴ達が生き延びていれば、『破滅の創世』の配下達はこの地を去ることになる。

ヒューゴがそう結論づけた矢先――奏多は異変に気づいた。


「慧にーさん、攻撃が来る!」


奏多がそう呼びかけた途端、上空から無数の光撃が降り注いでくる。

ベアトリーチェが招いたのは無慈悲に蹂躙する光。

結愛達には……悲鳴の声の一つすら上げる時間は与えられなかった。

その前に、彼女が招いた致命的な光撃が結愛達へと放たれていたからだ。

だが――。


「……っ」


次の瞬間、結愛達の視界は一変していた。


「……あっ」


結愛の前に、いつの間にか手をかざした奏多が立っている。

光撃の遠撃。それは寸分違わず結愛達に迫った、はずなのに。

それなのに――。


「……奏多くん」


しかし、それによって伴われる絶大なる威力はこの場にいる者達に与えられることはなかった。

膨大な光撃が結愛達に命中するその寸前に、奏多が片手でそれを弾いてしまったからだ。


「みんな、大丈夫か?」

「はい、奏多くん」


結愛達の身に唐突に訪れた窮地。

しかし、それは奏多が手をかざしたことで危機を脱していた。


「奏多、助かったぜ」

「本当に凄まじい力ね」


慧の言葉に呼応するように、観月は眸に不安の色を堪える。


「またもや、わらわの攻撃を防ぎよった。記憶を失った『破滅の創世』、本当に厄介じゃのう」


身を呈して結愛達を守った奏多の姿を見て、ベアトリーチェは落胆する。


「相変わらず、不変の魔女、ベアトリーチェ様の力は強大だな。『破滅の創世』様が、この場にいたことが生死を分けたってわけか」


ヒューゴは状況を踏まえながらも、完全に置いていかれた状況。

人間を超えた存在が超越の力を振るえば、人間には認識しようがない。

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