冬は、ココアに涙の雪を溶かして 03
あとは……、文芸部か……。
何をする部だろう。文芸? 文? 作文?
うわあ、おれが一番苦手なやつじゃん。
まあ、一応行ってみるかな。もう、他にないし。
おれは、別校舎の入り口にある地図のところへ行く。ここには、別校舎の教室の場所が書いてある。別校舎の教室はほとんどが部室だ。部室じゃないところといったら、技術室、家庭科室、美術室、コンピュータ室、あとはトイレと物置ぐらいかな。
ええっと……文芸部……文芸部……。あれ? ないなあ。もしかして、本校舎にあるのか? でも、本校舎に部室があるなんて聞いたことないし……。
「あ、先生、先生」 おれは、渡り廊下を渡ってきた先生に聞いてみることにした。 「文芸部の部室ってどこですか?」
「確か、文芸部に部室はなかったような……」
「え? それじゃあどこで……」
「図書室じゃなかったかな……、いや、普通教室だっかも知れん……」 なんだか分かんない先生だ。
おれは、頭を下げると、渡り廊下を歩いて、本校舎に入った。
えっと……、図書室は一階だったかな。
入学したばかりの一年生にとって、新しい学校は巨大迷路と等しい。
図書室についた。けっこう広い。教室三個分、いや四個分ぐらいはあるんじゃないだろうか。それくらい本棚がたくさんあって、座るところが見当たらない。もう、ビッチリ詰まってますって感じだ。
ここじゃあ、国語の時間とかに図書室で授業できないじゃないか。
本棚の迷路を通り抜けると、やっと机と椅子を発見した。
会議室にあるような丸い長テーブルのまわりにパイプ椅子が十五脚ぐらいある。その椅子には七人くらいのパラパラと座っている。
全部、文芸部の人なんだろうか。おれは、とりあえず近くにいる人に話しかけてみることにした。
「あの……」
「なんですか?」
「文芸部の人ですか?」
「いいえ、ちがいますけど」 その人は、おれをけげんな目で見ると、立ち上がって去っていった。
なんだ。いないんじゃん。
おれは、回れ右をすると帰ろうとした。
「ねえ! 文芸部に入るの?」 一番奥の席に座っていた人が、おれを見る。その近くにいた三人も同時のおれを見る。
……この人たちが文芸部員?




