表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/63

冬は、ココアに涙の雪を溶かして 01

 おれは、田中太一。湖宮中に入学したばっかりだ。クラスは二組になった。担任の先生はやさしくて、ちょっと厳しい。小学校からの友達もたくさんいるし、なかなかいい中学校生活のスタートだ。

 「なあ、部活はどこに入る?」 となりの席の関原が聞いてくる。今は、休み時間だ。次は移動教室なので準備をする。

 「んー、どうしよう。べつに入りたいのがないんだよなあ」 カバンの中からアルトリコーダーを出す。机の中から教科書も。

 「だったら、吹奏楽に入らない? 楽しいぜ、きっと」 目をキランと輝かせる関原。

 「うーん、考えとくよ」 あいまいにうなずくと、おれは教室を出た。関原もついてくる。 「関原は、吹奏楽に入るのか?」

 「ああ、もちろん。実はもう入部届けだしちゃったんだ」 ヘラッと笑う関原。入部届けを出すしめきりはまだ、二週間もあるのに。

 音楽の時間中。おれは決めた。吹奏楽部はやっぱり無理だ。

 授業の最初にある合唱で、音を大きくはずして、みんなに笑われること五回。

 リコーダーが上手くふけなくて、先生に個別指導を受けること二回。

 関原に、おまえをさそったのはまちがいだった。と言われること三回。

 これでもし、吹奏楽部に入ったとクラスみんなに知れたら、いよいよ笑いものになる。

 「やっぱダメだね。吹奏楽は」 音楽室から教室に帰る途中、関原に言った。

 「ああ、そうだろうね」

 そもそも、おれは、音楽が好きじゃない。


 さて、何にするか……。

 そろそろ真剣に考えなくてはいけない。入部届けのしめきりは明日になってしまった。

 部活といったら、運動部がまず思い浮かぶけど、何か疲れそうだし。

 盛んなのは、美術部だけど、そんなに美術好きじゃないし。

 家に帰ってから、おれは部活の一覧表を取り出す。

 野球、サッカー、バスケ……。の項目にななめ線をひっぱる。

 あと、吹奏楽。美術部。

 定規で線をひっぱっていく。残ったのは……。

 マンガ部、科学部、コンピュータ部、の三つ。

 おっと、一つ残ってた。

 ──文芸部。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ