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何色

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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では、いよいよ最終回?です。最後まで巡也達の選択を見守って頂けると幸いです。

巡也・レイ・巡也と視点が変わります。

※を参考にしてください。

最後まで視点がコロコロ変わってすみません泣

 今まで俺は何度もこうして運命の時を迎えてきたのだろう。そして、俺はまた答えを出そうとしている。その答えの先に何が待っているのか、俺には何となく分かっている。それでも、俺はこの選択をする。俺は本当に雨になってしまったようだ。ぐるぐるといつまでも繰り返す。

「22番、君はどうするノ?」

「巡也さん……。茜さんも司さんも、待っていますよ」

「でも、同じ場所に行けるとは限らないよな?」

「そう、ですね……」

 同じことを繰り返す俺は何度も同じ罪を重ねている。そんな俺が茜や司と同じ場所へ行けるはずがない……。やっぱり、俺は吾郎さんと同じ場所へ行くのだろうな。でも、俺は……笑平さんと同じ道を選ぶ。何度も繰り返していけば、いつか変われるかもしれない。

「今の俺が無理でも今度の俺は変われるかもしれない……。俺はその可能性に」

「無理ダヨ」

「え?」

 レイが余りにもはっきりと答えるので、俺は戸惑いを隠せなかった。

「今のままじゃ、君は何も変われナイ。いつも君は同じ選択をスル。変わろうとしない者が変われるはずナイ」

「そんなの、分からないだろ!」

「分かるヨ。君を何度も見てきたカラ。どんなに繰り返しても君はキミ。何も変わらないヨ。茜を……君をちゃんと見なきゃ、カワレナイ……」

 茜……。茜の姿を思い出しても、一瞬にして真っ赤な雨に侵食される。

「もう、あんな姿……。思い出したくないんだよ」

「君は! 君は……何も分かってナイ。君が見た茜ノ姿……。マッカな茜……」

「止めてくれ……」

 真っ赤な色がどんどん鮮明になってくる。

「茜の姿を見た君は茜を忘れたいってオモッテル。でも、茜も同じ姿を見たんダヨ? 君が雨の中、どんどん真っ赤に染まっていくスガタヲ」

「止めろ!」

「茜がしたことは正しいことではないカモしれない。でも、茜は君を忘れずに進んで、待つことをエランダ……。今も君を思ってずっとマッテル。それなのに君はそんな茜を忘れようとシテル。そんな君が何度繰り返しても変われるハズがない!」

「止めろ止めろ止めろ!!」

「レイ」

 ゼロが制してもレイが言葉を止めることはなかった。

「君は変わろうと思えば変われるノニ。君はいつも勝手ダヨ。君のことしか考えてイナイ。何度も何度も茜ヲ傷つけて。君は、どうして自分を認めようとしないノ!?」

「じ、自分のことが分からないのに、自分を認めるなんてできない……」

「巡也さん。本当に自分のことが分かりませんか?」

 レイだけではなく、ゼロも俺を追い詰める。

「自分のことを本当に分かっている者なんて、ごくわずかです。全部ではなくても良いんですよ。少しでも自分のことを見ることができれば、あなたはきっと変われます……」

「君が何をしたのか、分かってるデショ? それも自分を認めることにナル」

「俺が何をしたのか……」

 俺自身が真っ赤に染まってしまったこと。茜を真っ赤に染めてしまったこと。そして、俺がここで繰り返していること。

「君は何をしたノ? 君の罪はナニ?」

 分かっているからこそ、認められない自分がいる。認めてしまったら、きっと戻ることは許されないから……。俺が変わろうとしなければ、ずっとこのままだ。戻ることができる――。

「……分かりません」

 レイとゼロの目を見ることなく、俺は答えを告げる。

「君は……これからどうしたいノ?」

「分かりません」

「……君はダレ?」

「分かりません……」

 俺はもう、何者でもない。全部忘れてしまえば、きっと楽になれる。茜のことも司のことも自分のことも全部忘れてしまえば良い。全てを忘れるくらい、ずっとここにいれば良い……。司との約束が守れなくても、俺は忘れてしまうんだ。

「巡也さん、本当にこれで良いんですね?」

「はい……」

「君は何もワカラナイ。見ようとしなければ見えるものも、見えないノニ。また同じ選択をする……」

「それが、俺の答えだから……」

 運命の時は自分の答えを見つける時間――。だったら、これが俺の正解なんだ。

「ここに来た者は自分がどうしてここに来たのかを見つめなきゃイケナイ。自分を認めた者だけが進むことがデキル。茜も自分の罪を認めて、選択をした……。それでも君は自分の罪を認めないノ?」

「……俺の答えは変わらない。忘れることを望むよ。もう、思い出したくないんだ。真っ赤な色なんて、もう忘れたい。何もかも忘れるくらい、ずっとここにいる……」

「そう。それが君の答えダネ……」

 俺は選択をした。進まないという選択。進んだ先に何も待っていない選択なら、俺は忘れることを選ぶ。忘れてしまったとしても、何も変わらずにそこにあるのなら、俺は忘れることを選ぶ。雨のように繰り返していく。悲しい記憶さえ忘れるくらい、俺は雨となって何度も繰り返す。

『審判終了……』

 運命の時が終わりの鐘を告げる。

『判決を下します。22番の道は……進まない、です』

 真っ赤な色も何もかも忘れてしまおう。そしてまた、俺は同じことを繰り返すのだろう。こんな思いを俺は何度もしてきたのかと思うと、不思議な気持ちだった。


 レイが俺に真っ赤な花を渡す。思い出したくない、真っ赤な色。俺に思い出せとでも言うかのように、真っ赤な色が目に映る。でも、今度目が覚めた時にはこの花を見ても、俺は何とも思わないのだろう。

「これが22番の花、ネリネ」

「せっかくだから、花言葉教えて」

「どうせ忘れるデショ?」

「それもそうだな……。じゃあ、次会った時に教えてよ」

「分かっタ……」

 目が覚めた時にはこの約束さえ忘れている。そう思うと寂しい気持ちはなかった。むしろ早く忘れてしまいたかった。脳裏に何度も真っ赤な色が浮かび上がってくる。

「この花ハ……自分を認めた者が摘むタメに咲く。自分を認めない者の花はずっと変わらずニ咲き続ける。摘まれることも、枯れることもナク……。永遠に咲き続ける」

「私達の花もずっと咲き続けています。それでもいつか枯れる日が訪れる。永遠のずっと先ですが。でも、巡也さん達の花は、あなた達の選択次第では永遠のずっと先までも咲き続けます」

「そっか……」

 真っ赤な花をぼんやり見つめる俺をレイが真っ直ぐに見つめる。レイの目には真っ赤な花が映り込んでいた。吸い込まれるような真っ赤な目。

「自分ヲ認めなさい。自分の罪ヲ認めなさい。自分の花ヲ摘みなさい」

「……俺の花はずっと咲き続ける。真っ赤な花を咲かせて――俺をいつも待っていてくれる」

「では、巡也さん……」

 俺は真っ赤な花を持ってレイとゼロと一緒に歩いていく。突然現れた大きな扉にもう驚くこともない。この扉を潜れば、繰り返していることさえ忘れて再び繰り返す。そして、また真っ赤な花と出会うんだ。俺が正に扉の中へ入ろうとした時、ゼロが言葉を発する。

「巡也さん。この世で1番怖いことって、何だと思いますか?」

「さあ……?」

 忘れてしまえば怖いことも全て消えてしまう……。だったら、俺には怖いことなんて、ないのかもしれない。答えのない俺の代わりに、レイが答えを告げる。

「変わらないコト……」

「……俺のこと、だな」

 俺は小さく笑って答えた。ずっと変わらないレイとゼロにとっては、変わらないことが怖いことなのかもしれない……。そして、一歩踏み出した瞬間、俺は目を開けていることができずゆっくりと眠りについた。

「ジュンヤ……」

 俺の名前を呼ぶ声が聞こえた……。しかし、俺の目の前にはそのまま真っ暗な世界が広がっていった。


※※※


 巡也が眠りにつく。目が覚めた時には、また全てを忘れている。

「また、同じダネ」

「そうですね。レイの願い、私は叶ってほしいんですけど」

「ワタシの願い?」

「巡也さんに、進んでほしいんでしょう?」

 ゼロの問いかけに対して、ワタシは小さく頷いた。審判者として、正しいことなのかハ分からなかったけど。

「繰り返せば繰り返すほど、罪はどんどん大きくなっていく。巡也さんが早くそのことに気づいてくれると良いんですけど」

「気付いているヨ。それでも巡也は同じ選択をスル……」

「レイは巡也さんのことが本当に好きなんですね」

 好き……とは少し違うとオモウ。

「……嫌いじゃない。トモダチって、初めて言ってくれたカラ。」

「そうですか。でも、進んだとしてもレイと一緒に進むことになるでしょうね」

「それでもイイ……。進まないよりはズット良い」

「……そうですね」

 ゼロがワタシの頭を撫でてクレル。ゼロは変わらずにワタシとずっと一緒にいてクレル。1人だったら変わらないことが怖かったかもしれないケレド、一緒に変わらずにいてくれるから怖くナイ……。

「進まないと、何も変わらないノニ」

「私達のように、ね?」

 ワタシが小さく頷くと、ゼロは笑みを浮かべているようにミエタ。

「でも、レイも少しずつ変わっていますよ。ここに来た者に対して、そんな風に思っているのは初めてですからね。私達は進むことはできませんが、変わることはできますよ……。だから、巡也さんも。進んでいなくても、少しずつ変わっているかもしれない」

「いつか、巡也は花を摘むのカナ」

「きっと……」

 変わらないはずのワタシ達が少しずつ変わっていくように、変わっていってホシイ。感情のないはずのワタシがこんな思いを持っているように、きっとカワレル……。

「信じましょう、選択を」

 正しい選択ヲ与え、運命を開く。ソレがワタシとゼロの役目。


※※※


 ゆっくりと目を開けると、そこには真っ白な2人が立っていた。

『君は23番』

「え?」

 真っ白な女の子が俺に真っ赤な花を見せる。見たこともない真っ赤な花。初めて見るその花はとても美しかった。

「これが23番の花。ネリネ」

「ネリネ?」

 真っ白な女の子から渡された鉢に植えられたその花は、ずっしりと重かった。

「ネリネ。花言葉は『また会う日を楽しみに』ダヨ?」

 真っ白な女の子の言葉は何色にも染まることなく、俺の中に浸透していった……。そして、これから真っ白な女の子と真っ白な男性から告げられる真実を俺は信じることができなかった――。


「二三ヲ二六(罪を摘む)」は完結……していません。巡也の選択は、まだまだ続いています。巡也はこれからも様々な人々と出会い、何度も真実を知ります。そして、選択をする……。ネリネの花言葉のように、巡也は選択をしてしまうのか。それとも、レイやゼロが願うように選択をするのか。巡也の選択によって、変わっていくのは巡也本人だけではありません。巡也を待つ、茜と司。巡也の選択を信じている、レイとゼロ。選択1つで、皆の道が変わっていきます。

 あなたは、何を選択していますか? その選択によって、何が変わっていくのか考えたことがありますか? どんなに小さな選択でも、わずかな変化は必ずあります。そして、選択をしない選択もあるということを忘れないでください。様々な選択の中で、あなたが何を選ぶのか、他者が何を選ぶのかによって何かがきっと変わるはずです。

 この世に偶然なんてありません。あるのは必然だけです。誰かが何かを選択したことで、今があるのです。あなたはどんな今を選択していますか?

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