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_____夢語4_____

2021年5月のお話。

『そろそろ時間であるな』


「あーん?もう朝?早いのう」


『時間の流れまでは歪められぬ。下手に現実に影響を与えるわけにはいかぬが故』


「はいはい。分かってらーよ。というかできるのかまじか」


光り輝く靄の中。

創造された部屋の中で狐っ子、もとい神社の神その人と会話していた優美であるが、

そろそろ目覚めの時のようである。


「じゃーまたね。どうせ数日以内に呼ばれるんだろうが」


『ではな。また三日ほど後に』


「あ、まじで数日以内に呼ぶのな。そんなに俺話すネタ無いよ?」


『そなたにとってどうでもいいことでも我からしてみればどれだけ聞いても飽きぬことよ』


「俺の生活のぞき見して全部知ってるくせによく言うわほんと…じゃ」


『ではな』


靄が徐々に薄れ、

優美の意識が現実へと浮上していく。


□□□□□□


「…ぁあー…朝か」


もそもそと布団の中で動き出す優美。

寝相は相変わらずであるのか、

起きた時の髪の毛はぼさぼさである。


「…何時だ、今」


体をゆっくり起こし時計を確認する。


「…眠…」


時刻は11時。遅めである。

こちらに来てから特に早起きなのでなおさらである。


「…やっぱ朝の9時に寝るのはダメだな。寝てないに等しいわ」


何故そんな時間まで起きていたかと言われると、

遊んでいたからなので何とも言えないが。


「…もう一回寝よ」


そのまま再び布団にもぐる優美。

千夏も既に家から出て行っているので、

止める者は誰もいない。


□□□□□□


「んあ…?あれ?」


『なっ…そなた何故戻ってきたっ!』


「え?あれこれ夢?」


『ついさっきここから出て行ったではないかっ!』


「いや、なんか眠かったんで二度寝したんだけど」


『はあ…夜更かししすぎだ』


「まあ今更感あるよね」


あたりは光り輝く靄の中。

目が覚めたのはいつもの家のリビング。

目の前には呆れ顔の狐娘。

つまり夢に帰ってきた。


『そなたの夢との接続を断とうとした瞬間にもどってきおって…』


「だって二時間しか寝てないんだもの。二度寝もしますわ」


『神社の仕事はどうするのだ。今そなた一人であろう』


「起きてから考える」


『適当であるな…まあよい。さっさと戻れ。寝るのであればここの接続を断った後にせよ』


「んなこと言われてもなあ。起きた後ここの記憶ないし、たぶん今起きたら三度寝するよ?」


『とにかく、一旦戻るのだ。そなたが三度寝に入る前にはここの接続も断っておく』


「いやー悪いねえ、手間かけて」


『悪いと思ってないであろう…』


再びあたりの靄が晴れていき、

優美の意識が浮上していく。


□□□□□□


「…」


優美の目が開く。

そしてそのまま起き上がることすらせずに時計を確認した。


「…」


そして再び眠りについた。

相当眠いようである。

というのも先ほど起きてから15分ほどしか経っていないので仕方ないかもしれないが。


□□□□□□


「…んー、ってあれ」


『早いっ!』


「いや早い言われてもなあ…さっき言ったじゃんかよ三度寝するって」


『ここから出てから5分も経っておらぬわ!それではこの場所の接続を断つことができぬ』


「そりゃだって15分しか体感的に寝てないんだし仕方なくない?」


『ま、まあそうかもしれぬが…10分くらい待てぬのか?』


「1分持たなかったな」


『どれだけ眠たいのだ…』


「合計睡眠時間2時間15分だからなあ」


頭を抱える狐娘。

こうなるとは予想していなかったらしい。


『致し方ない。もうしばらくここにおれ。眠気が抜けるくらいになったらもう一度送り返す』


「そうするわー。あと5時間くらいいるわ」


『もう勝手にせよ…我にもやることがあるのだ』


「え、なにやんの。俺と同じタイプの暇人だと思ってたけど」


『…そなたと千夏の支援をせねばならぬ。命に関わる危険から護るのもそう容易いことでもないのだぞ。…そなたは寝ておるからその心配はなさそうだが』


「いや家が崩れたりしたら俺死ぬんじゃね?あと不審者がこう来たりしてもだめだろ」


『あの家は少なくとも今は崩れぬ。悪意のある不審者は神社にそもそも近づけぬ。何も心配などいらぬ』


「あーそこらへんもいろいろやってんだ。へーありがたやーありがたやー」


『有難みのかけらも感じぬな…』


「というか実際やることってのぞき見なんでしょ?」


『のぞき見というな』


「だがどうあがいてものぞき見」


『とにかくちょっと静かにしておれ。集中できぬ』


「はいはい」


少し黙る優美。

珍しく静かになるこの空間。


「もういい?」


『…よいぞ』


「のぞき見中?」


『…まあそうだ』


「なんだ、俺にゃ見えんのか」


『ともに暮らしていたとはいえど他人の私生活ぞ。見せられぬわ』


「のぞき魔に言われても説得力ねえ」


『第一、千夏を覗いてどうする気だ。そなた、どこにおるかは知っておるであろう?会いに行けばよいではないか』


「いやまあね。ただ覗くってこう投影する感じかなとか思ってたから俺も見えるのかなーと」


『…できなくはない』


「お、やれるんだまーじで」


『…やらんぞ』


「分かってら」


そういいながらフラっとリビングから出ていく優美。


『どこへ行く』


「いや暇なのでこの空間でも探索しようかなと」


『…靄しか無いぞ』


「え、なにそれつまらん」


『我の創造した空間故、我が創らぬ限り何もない』


「なんか創って」


『…何を』


「面白そうなもの」


『アバウトすぎるわ…』


その後も結局本当に現実時間で5時間ほどの間、

この空間内にとどまっていた優美。


『そろそろよかろう。いい加減目覚めよ』


「せやなー」


『適当だな…送り返すぞ』


「あいあい」


そうして今度こそ靄から解き放たれて

目覚めに向かう優美。


□□□□□□


「…ん、やべもう4時か」


時計をチラ見して起き上がる優美。


「…ふぁああ……」


大きくあくびを一回。


「…もう一回寝よ」


全く起きる気配のない優美であった。


□□□□□□


『…どれだけ寝る気だ』


「…さあ?あと2時間くらい?」


『ちゃんと早く寝ろ!優美よ!』


結局本当に目覚めたのは夕方の6時だったとかどうとか。


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