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異世界妖怪奇譚〜雪女の場合〜  作者: るうと280
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第3話:のぞき魔たちの末路(男ってやつぁ)


えっと、どうやら新たな能力スキルに開花したみたい。


固有スキル、【雪による広域探索】。

私が凍らせた、あるいは雪を降らせた範囲内にある「すべての動体気配」を、手取るように把握できるレーダーみたいな能力だ。


で、今、部屋を凍らせたばかりの私のレーダーなんだけど。


(……いや、反応ありすぎでしょ)


窓の外、屋根裏、廊下の物陰、外の壁に張り付く影。あらゆる場所に、騎士団員だか隠密だかの気配がひしめき合っている。

可憐な12歳の美少女の

部屋を覗き見か?


そうか、全員、ロリか?しかものぞき魔なんだな。


ならば

「全員、逝ってしまえ」


私が冷徹に呟いた瞬間、私の部屋から溢れ出た超絶冷気が、騎士団宿舎の全体を容赦なく飲み込んだ。


パリィィィィィン!!!


一瞬にして、騎士団宿舎のすべてが白銀の氷に閉ざされた。

かろうじて無事だったのは、私の冷気の「ガチの殺気」を本能で察知して限界跳躍で逃げ延びた、副団長のレイラさんと、あのゴリラマッチョだけ。

……後で聞いたら、あのゴリラ、騎士団長だってさ。全く、人の上に立つ役職なら、最低限のデリカシーくらい身につけて欲しいもんだ。人だよね?


現在、凍りついた宿舎のあちこちから、騎士団員たちが半分壁に埋まった状態で生えている。まるでシュールな前衛芸術のオブジェだ。全然綺麗じゃないけどね。


ガタガタと震えながら、レイラさんが苦笑いで私に両手を合わせた。


「う、うんうん、怒る理由はめちゃくちゃ分かるよ、ツララちゃん……! でも、あいつら、決して悪い奴らじゃないんだ。ただちょっと、バカなだけでね。……今回だけは、私に免じて許してやってくれないかな?」


衣服の自動洗浄機能のおかげで、血の汚れひとつない着物の裾をきゅっと整え、私は冷ややかな視線をオブジェ(男たち)に向けた。


「……わかった」


私はパチン、と指を鳴らして凍結を解除した。

え? どうやって一瞬で元に戻したかって? 普通に氷を溶かしただけだよ。氷の分子運動を急速に活発化させただけ。前世の科学の常識だよね。


……まあ、ちょっと分子を動かしすぎて、宿舎全体が『熱湯風呂』並みにアッツアツになっちゃったのはご愛嬌。氷から解放された男たちが「あづづづづづ!?」とのたうち回っている。


そんな男たちの前に、一歩踏み出したのはレイラさんだった。その背後には般若のオーラが見える。


「さて、お前ら……全員、地獄特訓フルコース6時間だ!!」


熱湯から這い上がった団員たちが、絶望の声をあげる。


「「「「そりゃ、殺生だぜ。姉御――ッ!!」」」」

「ほう? 今、私のことを『姉御』と呼んだね。いい度胸だ、5時間追加だ! さっさといけぇぇぇ!!」

「「「「ヒェェェェエエエ!!」」」」


怒号と共に男たちを蹴散らしていくレイラさんを、私はツンとすました表情(内心:お姉さん超かっこいい、抱いて)で見つめていた。姉御と呼んじゃいけないみたいだ。さっき呼びそうになったのは内緒にしとこう。

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