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2nd bullet:ライフル弾の行く末

「アンタさ、魔法少女とかやってみない?」


、、、、はっ?

 あまりにおかしな発言に思わずひいてしまった。

 午後7時を過ぎて暗くなってきた教室に沈黙が漂う。

 いや、漫画とかアニメとかそっち系の世界ならありえるよ。でも現実でそれはないんじゃないの~?そもそもこの人はなんつった?「魔法少女」だとよ!?

   

俺は男だよ!!?


 はぁ、んまぁいい。よくないけど。

 とりあえず早いとこ帰んないと。こんな状況他人に見られたらひとたまりもない。


「とにかく、もう帰るか。」

「そうね、ていうかアンタ服はどうすんのよ。」


 確かに返り血がビットリついた学ランで公衆の面前を歩くことはある意味自殺行為だ。だがこれこそ不幸中の幸なのだろう。


「それなら、俺は体操服とジャージがあるから問題ないけど。お前こそどうすんだよ。」


 どう考えても彼女、セルカ・ビジョップはここの生徒ではないだろう。それに俺と同様返り血をビットリ浴びている。


「え?アタシはこれを解除すればいいだけよ。」


 え?解除?,,,,いやいやいやそんなまさか。

 そう思っている俺を完全に無視して。セルカは口元で何か呟く。急に黙ったと思いきや、強い光が彼女を包み込む。そして上から徐々に光が消え、また違う彼女の姿を見せる。やっぱりそういうことだったか。

さっきまでのゴスロリとは違い、セルカの服装は白いワンピースに胸元に青いリボンがついた少し清涼感のある服装に変わっていた。


「、、、じゃあ、俺着替えてくるわ。」

「わかったー」


 その後、着替え終わって戻ってみるともうセルカはいなかった。


「ありゃ?もう帰ったのか。しょーがね。俺も帰るか。」



ー数分後ー

 突然といろんなことがあり過ぎて家についた瞬間、ドッと疲労感が俺にのしかかる。当然今は誰もいない。


 ちなみに俺は一人暮らしである。母親は物ごころついた頃にはすでにおらず、姉は俺がガキのころにイギリスに留学したっきり帰ってきてない。あちらでよろしくやってるんだろう。そして親父は仕事の都合上、単身赴任。といってもあんな頻度じゃもはや放浪に近いな。まぁ、ちゃんと仕送りが来るからいいんだけど。

 てなわけで、俺はこの2階建ての一軒家に一人で暮らしてる訳だ。友達はギャルゲーみたいで羨ましいというけど、実際は大変なモンなんだよなぁ。


 コンビニの弁当で夕飯をすませ、ソファに寝転がり俺は考え込む。

 にしてもアレはなんだったんだ?本当に霧島は死んだ、いや消えたのか?


  ピーンポーン


 まさかあれが全部夢なんてことは有り得んな。現にこうして痛みは残っているし。


  ピーンポンピンポンピポピポピーンポーン


 それにあんときのセルカの顔はかなり真剣だったな。どう考えても適当に勧誘してるわけではないようだ。俺に何らかの素質があるってことか?


  ピンポーンピポピポピポピポピンポンピポピンポーンピーンポーン


 ああもう、うるさいなぁ!

 居留守を使おうとしたが無駄だったみたいだ。ったく、しつこい来客だなぁ。イライラしつつ玄関を開ける。そこには、



「はぁ、やっと出てきた。」

「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉい!!な、な、なんでお前がここにいる!?」

「アンタが帰るところを尾行してきた。ていうか遅い!アタシにピンポンダッシュをさせるつもりだったの!?」

「じゃああんなに連打しまくるなよ、、、」

「、、、っぅ。うるさい!!」


 あ、逆ギレした。


「、っで。こんな夜遅くになんのようだ?」

「今日からある程度、ここで暮らすから。」

「ふ~ん。、、、、はあああぁぁぁぁぁ!!?ちょっと待て!どういうことだ!?」

「事情は後で話すから。確か日本ではここで靴を脱ぐんだよね?」


 返す言葉もない。こいつもう入る気マンマンだぞ。

 いきなりの侵略者に迎撃態勢にも入れず、リビングまで攻め込まれた。セルカはそのまま座布団にドカッと座る。 っていうかあぐらはやめろよあぐらは。スカート見えちまうだろ。

 この子に女子力があるのか心配になってきた。


「ところで、事情ってどんな事情だよ。」


 俺は自分用と来客用の湯呑を出し、茶を淹れ始める。

”まだお前はあくまでも「来客」だからな!!”

という俺なりの抵抗である。


「言うまでもなく、あの怪物と魔法少女についてよ。」

「やっぱりな。そうだろうとおもった。」

「ちなみにアンタは自分の母親がどうなったか知ってるの?」

「お袋は俺がガキの頃に死んだ。死因は聞いてない。」  

「アンタのお母さんは、戦死したわ。12年前、ツクヨミとの戦闘で。」


バンッ!!

思わずちゃぶ台を叩いてしまった。


「はっ、嘘だろ。証拠はあ 「証拠ならちゃんとあるわよ。」

 

 俺の口をはさみセルカは一枚の写真をちゃぶ台の上に差し出す。そこには、お袋の遺影にそっくりな顔の女性と、3~17,8歳ぐらいの少女たちがいた。あれ、もしかしてこの銀髪の娘ってセルカなんじゃないのか?


「これで、アンタのお母さん、榊美奈子さんがアタシたちの組織、十字陸軍クロスアーミーに所属してたのは納得いくでしょ。それに美奈子さんの遺品から、これが見つかると思うんだけど。」


 といい彼女は右手の甲をこっちに見せる。その手の薬指には、特徴的な模様のはいった銀の指輪がはまってた。だがこれって見覚えがあるな。俺は途端に立ち上がり、お袋の神棚の引き出しを開けると、それはあった。


「これのことか。ていうか何だこれ?」

「それはアルカナリングっていってね、アタシたちの魔力をうまいことコントロールするためのやつ。で、どうすんの?魔法少女。やるの?やらないの?」


その瞬間俺は彼女の意図を全て察した。


”なるほど。要は俺がお袋の後を継げってことか。”


 ったく。そんな風に言われたらきっぱり断れねぇじゃねぇか。まぁそう考えてる時点で俺はお人好しなんだろうけど。




「わかった。まあやってみるとするよ。その魔法少女とかいうやつを。」

「よし!んじゃあアタシはここに住むことになるわね。改めてよろしくね。」



、、、やれやれ。まだいいとは言ってないのに。



To continue shooting,,,

読者の皆様!おはようございます!こんにちは!こんばんは!熱湯水割りであります!

なんでこんなにご機嫌かというと、なんと初めてポイントがついたうえに、お気に入りにしてくれるお方が出て来たからなのであります。ワタクシ、ホントに感激です!! 自分の作品を気に入ってくれる人がいるのはとても嬉しいことですね^^

うっしゃ~なんかやる気出てきた~!

次回は皆様お待ちかねの展開になるはずです!!お楽しみに!!


構成設定

十字陸軍クロスアーミー

 1831年 イギリスのロンドンを本拠地として異形の生物「ツクヨミ」の駆逐を目的として創設された。ニューヨーク、パリ、香港、シンガポール、リオデジャネイロに支部があり。多くの強い魔力をもった人が結集している。残念なことに極東こと日本には支部がなく、セルカの居候の原因でもある。

 

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