昼間からの飲酒は控えましょう 2
どうも皆さんこんばんは夜桜デビルです!
今回は少し戦闘描写が入っているんですがうまく書けているかわかりませんので指摘がありましたらお願いします。
ちなみに妖夢さんが使ったスペルは妖々夢までのモノだけになっています。一応ストーリーの進み具合に合わせてスペルを解禁していく予定です
それではどうぞ!!
「ふっ!はっ!せい!……」
「…」
お互い構えると同時にまたしても魂魄が切りかかってきた。俊敏さのあるいい剣捌きなのだが手数が足りていない。今俺は二本の刀を持っている為片手の魂魄よりも手数が多いのは言うまでもないだろう。上段から振り下ろされた一撃目を頭の上に水平に構えた刀で防ぎ、すぐに切り返し横からの水平切りを刀を上にあげた際に張り詰めた鎖で防ぐ。そして極めつけの下段からの切り上げを残っている刀で抑え込むようにして防ぐ。…筋はいいんだがな
「はぁ…はぁ…な、何で」
「…お前が今考えていることはなぜ攻撃が当たらないのかだろ?簡単なことだ魂魄、お前が俺よりも弱いからだ」
「私が弱い?」
「…あぁ、それも相当な力の差がある。そこでだルールを少し変更することにした」
「いきなり何を「…一つ目は俺が使うスペルは一枚のみ。二つ目は能力を使わない。最後にスペル以外で霊力は使わない。…これでもまだ力の差は埋まらないがな」」
「………るな」
「…何か言ったか?」
「私を…甞めるなぁ!!【修羅剣】現世妄執!」
獣のような声で叫びながら魂魄は一枚のスペルを宣言する。そして魂魄は俺の目の前から一瞬にして姿を消したが
「…甘いぞ」
振り向きざまに両手に持った刀を引っ張り再度鎖を張る。すると的確に急所を狙った刀が鎖に辺り甲高い音を響かせる。しかしその刀を振るった魂魄の姿が見当たらない。
「(身体能力強化スペルか?しかし移動速度は格段に上がっているが攻撃の重さは変わっていない…。狂夜の動きと若干似ているが…)っと」
考えをまとめていると目の前に刀身が見えた。すぐさま左手に持つ刀で受け止めると一瞬にして衝撃と重みが消える。確かに速いがが…見えない程ではない…
「…スペルを使ってこの速度か」
「くっ! まだまだぁぁ!!」
突き出された剣先を片方の刀で弾きもう一方の刀を突きを繰り出す。先ほどまで姿が見えなかった魂魄が顔を逸らした状態で現れる。逸らした側の頬には赤い血が流れている。…あの速度で躱したか。再度姿を消した魂魄、しかし俺には見えている。
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「…まだ続けるか?」
「はぁ…はぁ……あ、当たり前です」
数分の間魂魄のスペルに付き合ったが速度は変わることはなかった。目の前にいる魂魄は掠る程度のカウンターを何度も受け体中に切り傷が浮かんでいる。切り傷とは言え鋭利なもので数十か所も切られている為出血も笑い事ではない量になってきている。諦めるつもりはないようだが何度もカウンターを受けたためか頭が冷えたみたいだ。
「すぅ…出し惜しみはしませんこれで終わりです…【六道剣】」
「(…さっきのスペルに似ているか?)…俺も飲められたもんだな…【居合】」
また魂魄が姿を消す。しかし先程と違うのは、はっきりと見えていた魂魄の姿が見えていないことだろう。六道剣…剣術の類だろうか? 終わらせるといったということはこのスペルは今の魂魄にとってはラストスペル(弾幕系は除く)ということだろう。ならば俺もその期待に答えてやらなければならないだろう。両手に持った刀を交差するように腰に収める。
「一念無量劫!!」
「闇輝一線光」
数秒後目の前に現れた魂魄に向かって腰に収めた刀を振り抜いた。
「…残念だが俺の勝ちだな…魂魄」
「う、ゲホッゲホ!」
勝ったは俺のスペル。魂魄のスペル【六道剣】一念無量劫‐六芒星を描くように敵を切り付け最後に突きを繰り出すスペルのようだ。切り付ける速度も速くラストスペルというのは納得できるが俺のスペルとの相性が悪かった。連続攻撃による攻撃は一発一発の速度が減速してしまうのに対し居合による単発攻撃はどの攻撃よりも一発の速度が速い。それに魂魄の攻撃速度が遅かった為間をすり抜けられたのもあるだろうが…さて、
「…今のは峰打ちだ…死ぬことはn「【天上剣】天人の五衰!!」っ!?甞めるな!」
言葉を遮るようにして聞こえたスペル宣言に驚きながらも瞬時に振り返りこちらに向かってくる刀に向かって正手に持った刀と逆手に持った刀で挟み込むように抑え込む。
「…半霊がそばにいないと思ったが、まさか自身に化けさせていたとわな。だが、」
「はぁ…はぁ…ぐぐっ…」
「…一心同体である半霊のダメージも共有するのが難点ってところか?」
スペルが居合の類であった為簡単に競り合いに持ち込めた。競り合いの中先程スペルを当てた法の魂魄の方を見るとぐったりと地面に横たわる人魂のようなものが倒れている。六道のスペルの最中に入れ替わったのだろう…用意周到な奴だ。しかし半霊を自身に化けさせるには多少なりのリスクがかかっている。まず、敵に気づかれないこと。今回は俺が霊力を使っていなかった為うまくスペル中に入れ替わることができたがもし俺が霊力を使っていたなら一瞬で見抜いていたことだろう。次に半霊が受けたダメージが本体にもフィードバックすること。一心同体である事とは別に魂魄は半人半霊という種族である。俺と狂助も狂夜と一心同体ではあるが種族は人間?と狂気、半悪半吸気、一心同体とは言っているが実際は一心同体ではなく体の奥にある理性にいる為フィードバックの対象にはならない。
「…残念ながら今の魂魄じゃ俺には勝てない…諦めろ」
「残念ながら…私は切られるまで諦めるつもりはありません!」
「…口だけは達者なようだな。なら、望み通り…切ってやるよ」
「しま…うぐっ!?」
逆手に構え直した方の刀に力を籠め魂魄の刀を上に弾き、その際がら空きになった腹部へともう片方の刀を突き刺す。致命傷を避けるため貫通はさせていないが先程のようなスピードは出せないだろう。
「…勝負ありだ。俺は吸血鬼だ、さっきのスピードで動いても血の匂いで位置が分かる。これ以上続けても結果は変わらない」
「さっきの…私の言葉聞いてましたか…切られるまでといったはずです」
「…屁理屈はやめておけ。血の匂いで俺も興奮してる。下手したら殺してs「だぁ!」…人の話はちゃんと聞くものだ」
「ぐっ!私にはもう一本刀が…!?」
「残念だがその刀は抜けない」
またしても話の途中で先程俺が弾いた刀を振り降ろしてくる。何度も弾くのも面倒なので適当に力を加えて魂魄の手元から弾き飛ばす。しかしすぐさま腰に差している刀を抜こうとするが抜けない。それはそうだ。
「…俺の刀を繋いでいた鎖がないことに気づかなかったみたいだな」
「…いつの間に」
魂魄のもう一本の刀は鍔の部分から鞘にかけて鎖が巻かれており納刀が不可能な状態で腰に差さっている。簡単だ。さっき刀を突き差した時痛みで魂魄が怯んだ。その隙に刀から鎖を引き千切って巻きつけた。それだけだ。
「…腹部の傷に得意物の刀が使用不可。降参には十分な理由だと思うが?」
「はは、こう見えても私…体術も多少使えるんですよ?」
「…この距離じゃなかったら体術も使えただろうな」
「私の負けですね」
魂魄との距離は約一メートル。この距離からの攻撃は断然に刀を持っている俺が有利であり体術である体術での攻撃は当然届かない。思いっきり踏み込んだとしても俺の攻撃の方が数秒早く当たる。もしスペルを使おうとしてもその隙に攻撃を入れる事ができる。そう、この勝負は既に決着がついている。
「…お前の望みは叶えてやる」
「…え?」
ズバッという鈍い音とともに目の前が赤く染まる。軽く顔を袖でぬぐい呆然と立つくしている魂魄へと近づく。
「…これでお前の負けだ。中々楽しかったぞ」
「…ありがとう…ございます」
お礼の言葉を呟くと同時にゆっくりと倒れてくる魂魄を抱きとめる。疲労と出血で気を失ったのだろう。さて、
「…用件はこれで終わりか西行寺」
「えぇ、妖夢も頑張ったと思うけどやっぱり貴方には勝てないみたいね」
「…いや、いい線まではいっていた。まさか半霊をあんな風に使うとは思わなかった」
「あの子貴方に一方的にやられて相当悔しかったみたいでね。何か驚かせる事が出来るものはないかって休憩してるときにいろいろ考えてたみたいよ」
「…あの時は急いでいたからな。魂魄には悪いことをした」
気を失った魂魄を抱き上げながら傍から見ていた西行寺に声をかける。西行寺も魂魄では俺には勝てないことは分かっていたみたいだが魂魄からの頼みでもあったのだろう。そして今回の宴会が開かれる原因となった異変時に俺が魂魄を一方的に攻撃したことを根に持っていることを聞かされた。あの時は博麗と霧雨、十六夜を守ることが最優先だったのだから仕方ない。
「ふふ、貴方って意外と律儀なのね」
「…よく、狂夜達にも言われるが俺にはよくわからない」
「そう。それよりもそろそろ妖夢の手当てをしてあげて頂戴。血がすごいことになってるから」
「あぁ、そろそろ笑い事じゃなくなってるからな」
ゆったり話しているが魂魄の切り傷からは未だ止めどなく血が流れ衣服を赤く染めている。そろそろ止血しないと死にかねない。
「…俺に用があるなら屋根の上に来てくれ。大体はいる」
「えぇ、分かったわ。妖夢の事頼んだわよ」
「…あぁ」
西行寺に別れを告げ魂魄を抱え直してから白玉楼の中へと向かった。
妖夢さんとの戦闘が終了しました。しかしまだ静夜さんのターンは終わりません。次回は静夜さんが妖夢さんの介護をする話です。狂夜さんの話や夜の宴会の話はまだ先になりそうです。
それでは今回はここまで!次回もよろしくお願いします!!




