挿入話・ある女の展望
※残酷描写含み・不快表現が多数です
彼女が生まれてから最初に目にしたのは、無機質な防護服と面を付けた無数の生き物であった。
「第五号、霊力定着と自我樹立に成功」「了解」「今より個体認識開始」
無機質な生き物たちは無機質な声でそう話し、その一体が頭部から面を取った。彼女の視界に現れたのは、切れ長に釣った双眸持つ端正な顔。
なんの感情も読み取れないその顔は、彼女を見つめながら低い声でこう言った。
「よく起きたな。私がお前の主たるものだ。以後、私に付き従い過ごすがいい」
彼女は頷いた。頷くしかなかったからだ。
「反応良好」「識別感覚・是」「正」
周囲の無機質な面達は、口々にそう言う。それを受け、切れ長の双眸も満足気に細められた。
「よし」
やや年嵩だが、端正な面差しの男だ。美貌といって良い。しかしその表情はまるで熱が感じられない。彼女を見る視線も、生き物に対するそれというより物体に対するそれであった。彼女そのものが無機物であるかのように。
けれども彼女は、それが良いことなのか悪いことなのかもわからなかった。ただ、男の言うとおりにするべきだと感じた。
直感的な何かが、囁いたのだ。このものたちに、特に面を取った男に逆らってはいけないと。
「次、第六号に移行」面を被り直し、男が周囲に指示する。ぞろぞろと無数の面たちは彼女の周囲から移動し、右隣に移った。彼女もつられて視線を移動させた。
彼女の視界に映ったのは、ぼんやりとした物体だった。周囲の生き物と違って衣服をまとっていない、彼女と同じ裸のままのかたまり。
「離着」
面の一人がそのかたまりに近づき、何かをする。はっきりとは見えなかったが、その瞬間、かたまりを包んでいた液体の色が変化した。
そして。
「第六号、霊力定着と自我樹立に成功」「了解」「今より個体認識開始」
先ほどの彼女と同じやり取りが繰り返される。ただ――
「~~~ッ、~~!」
そのかたまりは、彼女と同じ反応を示しはしなかった。ただ、首を振りながら男から遠ざかるよう、液体の中でもがく。
「反応劣悪」「識別感覚・非」「負」
無機質な面たちは、無機質にそう宣言し。
「処理しろ」
男はそう一言だけかけて。
ぶつん
何かが切れる音と共に液体の色がまた変わり、かたまりは苦しみながら徐々に動きを鈍らせ、やがて完全に沈黙した。
「霊力が途切れぬうちに新たな遺伝子情報を組み込んでおけ」「了解」
そういったやり取りが、彼女の横で交わされる。会話を薄ぼんやりと聞きながら、彼女は思った。やっぱり逆らわなくて良かった、と。
彼女はそれから程なく、液体の中から「出て」こられた。
「体表組織はまだ完成していませんが」
「構わん、痛覚は切り離してあるのだろう」
「はい、ある程度の触覚はありますが脳に伝達する情報を選閲遮断するように」
「ならば良かろう。多少未完成であっても動ければ上々だ」
そんな会話が彼女の横で交わされる。液体の中にいたころ最初に顔を見た男と、面を被っていた者の一体。彼女はやはり彼らの言っていることはわからなかったが、特に気にならなかった。何も感じなかったからだ。
ただ、動くたびに薄桃色の肉が内側からはみ出し、赤い液体が零れるのだけが気になった。ただ、そういう肉の色を見ていると何やらぞくぞくする。赤い液体の匂いに身体の芯がざわつく。それは良いことでもあり、悪いことでもあるようで。
彼女はふと考えた。周囲の生き物と外見は似ているのに似ていないあたしってなんだろう。しかしその疑問は瞬時に掻き消えた。だって、嫌な予感がしたから。思えば、意識が生まれた瞬間からそうだった。深く考えてはいけない。考えれば考えるだけ、遮断された何かを悟ってしまう気がする。その何かを悟ってしまったとき、彼女は破滅してしまうかもしれない。
そう、ただその場の勢いで動けばいいのだ。目の前にいる、この男の言うとおりに。
「そして、個体性質のほうはどうだ」
「二号以降のものと同じようです。ただ、初の女性体である分、未知なる箇所があるかと」
「ふん。初号の二の舞にならなければどうでも良い」
切れ長の双眸が、無機質に光る。
「記録書によると、初号も誕生直後は従順で扱いやすい個体だった模様。痛覚はそのままでしたが、『擬似親』が傍にいるだけで心拍数が安定し、体表定着の際も暴れる回数が減ったとあります」
「つくりものにも刷り込みは有効ということか」
ふん、とまた鼻を鳴らす男。
「私の望みは忠実な手足を得ることだ。余計な思考能力及び情緒などいらない。初号のように無駄な手間をかけた挙句、結局失敗した初代『監察役』と同じ道は辿らぬ」
そして、冷たく彼女を見下ろした。
「良いか。お前はディチナーレ家の悲願及びエルフ全体の命運を背負って立っている。悲願を成しえ、エルフの復興を成立させるためには余計なことは考えず、一切をそのために動け。私に従え」
他の選択肢など、無い。
彼女は頷いた。男の言葉の大半はやはり、理解が出来なかった。特に不快感も苛立ちも覚えなかったし、共感もしなかった。ただ最後の言葉だけ理解出来たので、頷いただけだ。
「よし。お前に固有名を与えてやろう。光栄に思うがいい、つくりものがいっぱしの生き物の真似事をするのを赦してやるのだ」
そして彼女は、その瞬間から男が真なる意味で自分の「主」なのだと悟る。
「シルエラ。お前の呼び名はシルエラ=ディチナーレだ」
そうか。このいきものが、あたしのあるじ。あたしをあたしとしてあつかった、さいしょのいきもの。
だから、したがえばいいんだ。そうすれば、いきてゆける。
彼女はそれから、色々な機具を付けられ色々な測定をさせられ、色々な実験もされた。
身体の表面から薄桃色の肉ははみ出さなくなったが、色々な箇所からまたあの赤い液体が零れ、時に動かなくなり、感覚が無くなったりした。しかし、そのすべてを彼女は苦痛と感じなかった。文字通り、「痛み」が皆無だったせいもある。何よりそうすることが当然だという顔で周囲は彼女を扱ったし、主も彼女をそういった目でしか見なかったので、彼女はこうされることが当然だと思い込んだのである。
それに。
ある「実験」には、彼女自身とても興味を覚えた。そしてその「実験」が繰り返されるごと、自分のからだもその行為に見合ったかたちへと変調してゆく。不思議な現象であったが、彼女はそういうものとして受け止めた。何より、とても気持ちよかったからだ。
ああ、あたしは、コレがすごく好き。
「女である分の特殊性とは、これか」
その「実験」のさなか、主の声が彼女に聞こえた。
「はい。同じ人型形体持つ異性と性交渉が出来るのは他の個体と同様ですが、やはり器の限界なのか生殖機能は働きません。ただ、第五号は女性体である分、男性体よりも性交渉の際長い快感を得る様子です。純エルフたる性欲の強さも影響しているかと」
「つまりは、生まれついての淫売というわけか」
彼女は主の言っていることはあまり理解出来ないことが多かったが、どうでもいいことだった。だって今が凄く気持ちよかったから。
「従順であれば、如何様な嗜好を持つとて構わん」
そう言って、主はそれきり興味を失ったかのように彼女に背を向けた。
彼女はそれを見て、主はこの「実験」、してくれないのかなと思った。ちょっと寂しいことだったが、すぐに忘れた。だって、今が気持ちよかったし。
それから、何年かがあっという間に過ぎた。
彼女は相変わらず測定と実験の日々を送りながら、それを愉しんでいた。正確に言うならある「実験」だけが愉しかった。それを監察している者の一体が物欲しそうな目でこちらを眺めていると知ってから、その者にも誘いをかけてみた。あっさりと成功し、以後、彼女は気づけば棲んでいる建物に出入りするもの半数以上とそういった行為をする間柄となっていた。
「そろそろ自重しろ。実験体を巡って所有欲が科学者どもに蔓延するのは今後のためにならない。それに生殖機能の無い実験体同士で交合してもなんの利益も生まない」
主が冷たい声でそう言ったので、彼女は渋々とこの愉しみを自重することになった。
「五号、なんで最近ヤらせてくんねえんだよ」
彼女より先に「生まれた」、彼女と同じつくりの生き物がそう言う。彼女自身、相手を選ぶことなく「実験」に夢中になっていたのだ。しかしそのせいで主から不興を買ってしまった。
「うるさいわね、もう終わりよ」
「なんでだよぉ」
大抵は一度跳ね除ければ退いたが、こいつだけはしつこく縋ってくる。彼女自身彼とその行為をしている間は愉しかったが、終わってしまえば呆気無いもので、もはやなんの未練も浮かばない。むしろ、ぎらぎらした風情で無理矢理迫ってくる様子が鬱陶しい。
ああ、なんであたしはこんなつまらないやつと、あんなことをしたんだろう。
「なあ五号……、シルエラ」
その固有名で呼ばれても、うんざりするだけだ。それに、こいつはいつもあたしの固有名を発するときは気持ちの悪い声を出すし、気持ちの悪い視線で眺めてくる。なんなの、その態度。周囲の生き物とは違う、真っ直ぐ突き刺さるようでいて常に潤んでいるような目と、喉奥から搾り出すような低い声。こちらについと伸ばされる熱い手。
あるじにも、そんなふうにあつかわれたことはないのに。
「どうすれば、またヤらせてくれるんだよ」
あんまり鬱陶しかったので、言ってやった。
「あんたがひとりであたしとシた男全員殺せば、考え直してあげてもいいわよ」
その夜、ある一体の実験体が死亡する。測定中にいきなり暴れだし、周囲を攻撃し始めたからだ。もとから精神的な落ち着きが無い「失敗作」だったそれは、早々に見切りをつけられ、埋め込まれていた機具に電流を流されてあっという間に処分された。
すべてはすぐ近くで起きた事象であったが、見知った大きな身体が痙攣しながら動かなくなっても、彼女の頭の中にあったのは、頭の悪い単純な生き物に対する嘲りだけだった。
ばかじゃないの。おとこってのは、みんなこんなにばかなのかしら。
その他には特に何も感じることなく、彼女はその事象及び生き物の顔もすぐに忘れた。
それから更に何年か経ち、彼女は建物の外に出れるようになった。そして主の言うとおりに動き、主の言うように振舞った。ただ、建物の中で味をしめたあの行為は、彼女の個人的な「趣味」として残り、外に出てからも様々な男に誘いをかけ、様々なかたちで繰り返した。彼女の主は例にもよって彼女の「趣味」には寛大で、「任務に支障が無ければ何をしていようと構わん」とのことだった。彼女はこれ幸いと愉しみながら、ふと不思議な疑問が芽生えるのを感じた。
あたしのあるじは、あたしがなにをしててもどうでもいいのかな。
それは、喉奥に差し込まれるようなわずかな痛み。けれど彼女はすぐに、どうでもいいという結論を出した。だって深く考えれば考えるだけ、厄介なことになりそうだったから。愉しい毎日が、一気につまらなくなりそうだったから。なのでやはりその日その気分で過ごすほうがいいと思った。その方が楽だ。
だって、このときがきもちいいんだもの。あとのことなんて、どうでもいいの。
◆ ◆ ◆
愉しいわ。
世界は、本当に愉しい。特に、アレをしているときが本当に愉しい。この世のすべてが悦となり、肉体的な快感の中にひたすら浸れる。
男は、本当にかわいい。特に真面目そうで、オカタそうなのがいい。自分はいっさいそういう行為に興味がありませんという感じで、あたしのような女を軽蔑の眼差しで見下げる男。狙いをつけるのはそういう奴だ。逃げ場を無くし、いちど光悦を経験させてしまえば、あっという間にあたしの虜となる。そして哀れな目をしてあたしに這い蹲り、繁殖期の畜生のような貪欲さであたしに行為をねだるようになる。そういった態度を取るようになったらもう用済み。最後の一押しでみずから破滅させて終了だ。
本当に、男というものは哀れでかわいい。オカタい奴であればあるほど、弱点を衝かれるとあっという間に崩れる。プライドが高ければ高いほど、自分が忌み嫌ってきたものに「堕とされる」際の絶望は計り知れない。そういった過程の行為が、一番愉しい。
最初から貪欲な男も、馬鹿でかわいい。あたしを支配しているようで、支配されていることに気づけていない顔。あたしのからだを貪りながら、蕩けた面を晒しながら、その場限りの快感に呑まれている表情。そいういう様を見るたび、このあとどうやって破滅させてやろうか考えるのが愉しい。悦楽にとろけた顔が、一気に絶望へと沈むのが最高だ。
男は最高。すべてが、あたしのためのオモチャ。
そういった生き物が溢れているこの世界は、本当に愉しい。
最近は、新しいオモチャが増えた。主の専用騎獣だという、蒼い髪をした男。本性は人型じゃない、下等な畜生の一種。でも顔は極上だったし、何よりあたしを見るときの表情がいい。
――目の前の生き物には、微塵も関心が無い、という顔。
ああ、そういう顔をする男を「堕とさせ」たい。それが、あたしの何よりの愉しみ。
「騎獣の種たる生殖器を壊さない程度ならどうとでもして構わん」との主の了承を得たので、早速愉しんだ。ただ、これまで百発百中だった誘いをかけてもとんと応じず、少々時間はかかったが。人間や畜生の雄の人型は、エルフと違って腕力が弱いので、こちらから襲ったらあっという間に屈した。それにどうやらこいつは、自分より他者を眼前で痛めつけられるのが苦手らしい。適当な生き物を人質にとるだけで、面白いほどあたしの言うなりになった。
ただ。
そいつは、今までの男とは違って、どのような快楽を味合わせようが、呑まれることは無かった。最初から最後まで瞳には理性があり、そして視えない感情があった。そして行為が終われば、蒼い瞳はすぐさま無関心に戻った。
こいつ、なにをかんがえてるの。あたしが愉しんでる最中なのに。
その様が腹立たしかったので、執拗に行為を迫った。男はなよなよしい見かけとは裏腹に体力があって、あたしがどれだけ頑張ろうが翌朝には平然とした顔で主の下に戻る。そしてやっぱり、あたしに対しては行為中を除き、終ぞ態度が変わらない。負の感情すら漂わせず、ひたすらに無関心。「堕とされる」ことが、無い。
生意気。ただの性欲処理な畜生のくせに。
いつかこいつを、あたしに真の意味で這い蹲らせてやる。そして哀れな雄の表情でねだらせてやる。オカタい顔を、崩させてやる。
あるじとおなじいろのめをしているくせに。あたしをむしするなんて、ゆるさない。
◆ ◆ ◆
「戻ったわよー」
「シーラか。ディアンは?」
彼女はひと仕事を終え、棲み処に帰宅した。迎えた男は、女より後に「生まれた」生き物である。
「あいつはタブン、お愉しみ中」
「抜け駆けかよ、俺だってヤりてえのに」
「我慢しときなさい、リュス。きっとあとから順番巡ってくるから」
「ちぇ」
ふて腐れた表情になった弟分に、土産を手渡して慰めてやる。彼は見る間にぱっと目を輝かせ、上機嫌となった。単純な男だ。だが、その様は不快ではなかった。
先に「生まれた」ものとは性が合わなかったが、後に「生まれた」ものとはこうして馴れ合うことが多々ある。どうやら彼女が長く男と付き合うためには、性欲対象とみなさなければ良いらしかった。主もそうだが、歳が離れたこのリュスと今ここにいないディアンは、彼女にとって近しいと感じる数少ない相手だ。
(こういうの、なんて言ったっけ。か、かぞ……)
「そーいやさ、」
元から深くなかった思考は、弟分が不意に発した声に遮られる。
「シーラの留守中、また新しく『同士』が見つかったんだぜ」
「え? 純エルフが生きてたの?」
「うん。俺らの復興活動を聞いて、是非力になりてえってさ」
「やったわね。本部に戻ってる主が聞いたらきっと喜ぶわー」
「うん」
リュスの顔が子供のように綻ぶ。頭が悪く短気で癇癪もちの弟分だが、主に対しては忠実で素直だ。そしてそれは、彼女も同様だった。
あのとき、試験管の中で固有名を与えられたときから、彼女らはあの切れ長の蒼眼をした男が「主」だと悟ったのだ。
そういえば。
「主の騎獣はまだツァーリの教会に引き篭もり中? お仲間逃がした罪でひょっとしたらオシオキ中なわけ?」
「あー。なんだか主にボコられてたけど、死んじまったみてえ」
「――え」
彼女の緑眼が見開かれる。ややあって、それは歪められた。
「……さいあく」
彼女は頭を抱える。この場合、あの獣の死を悼んでいるというわけではない。
「まだ愉しめると思ったのに。耐え性が無い畜生ってやあね」
そこにあるのはただ、失くした玩具に対する残念感だけ。
もう少し時間をおけば、深く思考すれば気づけたかもしれない。残念感の合間に差し込む、わずかな痛みに。しかし彼女はそれ以上考えることなく、執着も見せなかった。
(まあ「堕とさせる」ことが出来なかったのは残念だけど。今となっちゃどうでもいいわ)
失くした玩具に長く興味を持たせていてもしょうがない。深く考えた分だけ、つまらなくなるのはこれまでの半生で実証済みだし。何より。
「オモチャがなくなったんなら、新しく見つけるだけよ」
彼女はそう言って、妖艶に微笑んだ。弟分から新しくやってきたというエルフの顔写真を受け取り、それを見つめながら。
「良い男ね。好みだわあ」
「シーラはぜってえ気に入ると思ったー」
けけけっとリュスが笑う。それと同様の笑みを返しながら、彼女は指で艶めかしく写真をなぞった。
「結構若いわね。武人系? 文人系?」
「ん~、文人系だったかな」
「ふ~~ん」
彼女の緑眼が、妖しく光る。
「じゃあきっと、あたしより腕力は弱いわね」
「おいおい、俺らと同種を襲うなよ。畜生とか人間とかなら好きにしていいと思うけど、エルフの純粋種を駄目にしたら主に怒られるぜー」
「そうね……、まあ愉しみ方は何通りもあるわ」
うふふ、と笑いを零しつつ、顔写真に吐息を吹き付ける。
「どんな男かしらぁ……ティリオさんって」
眩い金髪と青紫の双眸持つ写真のエルフは、無表情でこちらを見つめていた。
まるで書類ごしに、彼女を嘲るように。
シルエラ=ディチナーレ(シーラ)・・・外見年代としては二十代後半くらい。新世代エルフ第五号で初の女性体。派手な色の金髪緑眼美女、ただしおつむは例にもよって空っぽ。好色で美男好き。
四号・・・年代は不明。シーラより先に生まれた新世代エルフ。固有名は与えられなったので、五号以降のものより更に不安定。彼の心理発達の危うさを考慮し、以降の新世代エルフには固有名が与えられるようになった。一番身近な妹分であり、特別な経験をさせてくれたシーラにある感情を抱いていたが……
リュビリス=ディチナーレ(リュス)・・・外見年代はハタチ程度。新世代エルフ第七号。黒髪に灰色の瞳。顔立ちはエセトと瓜二つ。キレやすいガキんちょ。
新世代エルフは生粋の純エルフでないので、美貌だけどじいさんみたいなオーラは在りません。普通のエルフ程度。エセトは試験体でもあったので生まれてから特別に擬似母親が付いていました。彼女に「知性のあるエルフっぽく」振舞うよう教育されていたので、後進の彼らより演技力も情操も育っていました。まあ、そのせいで苦悩もそれなりだったのですが……
第一号の失敗を受け、第二号以降はより「合理的に」ことを進めた結果、精神もより未熟且つ短絡的なDQNが量産されました。個々の意思はあるけど造反する意志力と思考能力が無い、どっかのSF映画のクローン人間みたいな仕様です。厳しい測定もパスだったので実力もエセトほど高くない感じ。それでも遺伝子情報が同じエルフのものなので、外見がどことなく似通っています。じいさん(個人的にエセトが苦手)が見たら素で眉顰めそうな面々です。




