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プロローグ
「ま、まさか、ここはパラレルワールドってやつなのか……?」
思わず口から呟きが漏れた。もしかしてこの世界に人間だった俺は居ない……? 俺はこのまま吸血鬼でいるしかないのか……? 愕然と項垂れつつ、手で口元を覆いショックで込み上げて来る吐き気を抑え込む。
「ちょっと、大丈夫!? 顔が真っ白よ。パラレルワールドって――貴方、異世界から来たって事?」
心配そうに背中をさすってくれる蒼の声を聞いてハッとした。
――もし、どうにかして俺が元の世界へ帰って人間に戻れたとしても、そこに蒼は居ない……?
だとしたら、俺はこの世界でこのまま吸血鬼でいる事を選ぶ。けど……それと同時に、この恋心は口に出せなくなった。蒼と吸血鬼の俺じゃ生きる時間が全然違うから。
この想いは箱にそっと閉じ込めて、絶対に開かないように鎖でぐるぐる巻きにして、胸の奥底に押し込んでおこう。
間違っても蒼には悟られないように。化け物の俺なんかに好意を寄せられても、蒼が困るだけだろうから。
お読みくださりありがとうございます。
次回、第1話で主人公が長き眠りから目覚めて、この物語は始まるのですが、ある衝撃的な出来事に見舞われていて……?




