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私と店長の他愛もない話。  作者: 仮『どん』
私と店長のニセコイ計画。
19/41

#18 決戦当日。(2)

今回もわりと短めです。

読んで下さる皆様のお陰で、なんとか続いています。

本当にありがとうございます。

だらだらとやっていきますが、どうか長い目で見守って下さい(笑)


ではまた後書きで。

「へぇ。なかなか雰囲気のある喫茶店だね」


と、暗い店内を見渡して彼は言った。


「ふむふむ、あー! 彩音ちゃんメイド服着てないじゃないですかー」


と、私服姿の私を指差して彼女は言った。


「メイド服? 先代の店長が持ってたのがあったと思うけど」


と、少し首を捻り、何かを思い出すように彼はおいちょっと待て。


店長、貴方(あなた)なんてモノを持ってるんだ。

それに、先代の店長って。

今までそんな話聞いたことがない。



――たしか2階にあったはずたけど。取ってきた方がいいかい?


――是非お願いしますですよ店長さん!


呆気にとられる私を置き去りにして、いらない気遣いを見せる店長と、勝手に盛り上がる莉那ちゃん。


まさか私にソレを着せるつもりではないでしょうね……。



「はい。あったよ」


しばらくして、店長は物置部屋と化している2階から、メイド服を持ってきた。


黒と白を基調としたそのデザインは、どこかピアノを連想させる落ち着いた雰囲気を醸し出していて、私が勝手に想像していたような派手さは全くない。


ただ、


「これ、いったいどうやって着たらいいの?」


初めて見る生のメイド服に対し、思わず口から出てしまったこの一言を、私は後から後悔することになるのだった。


「おーおー、さっそく着る気満々ですねぇ」


面白がる彼女。


「素晴らしいチャレンジ精神だと思うよ。 鷲宮さん」


感心する、彼。


「それ、割りと生地が薄いから服の上からでも着れるはずだよ? あ、それじゃあバンザイして。 僕が着せてあげるから」


何を考えているんだ、店長。


もしかしてそれで彼氏ぶってるつもりなんだろうか。


「よい、しょっと!」


仕方なくバンザイをした私に、店長はメイド服を着せてくる。

第三者から見たら色々と在らぬ誤解を生む光景かもしれないが。



――スポッ


予想以上にすんなりと、メイド服は私の体にすっぽりと収まった。

ちょっとサイズが大き過ぎるような気もするけど、案外苦しくないものです。


「彩音ちゃん。結構似合ってると思うよ。ほら」


「!」


店長は自分のポケットからおもむろに手鏡を取り出すと、私の前で上下に動かしてみせた。


そこに写っていたのは、落ち着いた雰囲気を身に纏う女性。

顔を見て、やっとそれが自分なのだと気付く。


普段はあまりオシャレとかに気を遣わないから、服だけでこんなに印象が変わるとは思わなかった。


「ほら、似合ってるでしょ?」


「あ、ありがとうございます……店長」


ちょっぴり気恥ずかしくて、上手く返事が出来ない。


そんな私の心に、更なる追い討ちがかけられる。


「うわうわうわー、店長さんに褒められて顔赤くなってますよ! 彩音ちゃんカワイイー!」


違うんです。違うんですよ莉那ちゃん。

私はいつもと違う自分の姿に、ちょっとびっくりしちゃっただけなんです。


「どうしたの、大丈夫? 熱でもあるのかい?」


そう言って真剣な表情で、今度は自分の右手を私のおでこに重ねてくる店長。


「ぉおー!なんか少女マンガみたいなことしてるー!」


それを見て更に1人で盛り上がる莉那ちゃん。

……もう勘弁してくれ。


店長も店長なりに頑張って彼氏ぶってるつもりなんだろうけど、何かが違う。なんかこう……。



「……よし、よし!!」


その声の主は、志村くん。

彼も彼で、確かな手応えを感じるように、ぐっと右手の拳を握りしめながら、しきりに大きく頷いていた。


もう十分でしょう。

もう2人共、お腹も一杯でしょう。


モーニング、頼まなくていいですから。

売り上げに貢献しなくても結構ですから。


『はやく、はやくキスシーンを!!』などと喚き散らす莉那ちゃんを連れて、どうかお帰りになってくださいまし!




⇒⇒Continue⇒

ここまで読んで下さった方。

更新を待っていて下さった方。

皆様のお陰で頑張れます。

本当にありがとうございます!

今回も短めな話です。

次回で決戦は終了として、テスト後の梅雨、6月の話を少し。

その後、夏休みに入っていく予定です。


だらだらとやっていきますが、どうか皆様の長い目で見守って下さい。


ではまた!

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