表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/21

その後……

 それから何年の月日が経っただろうか。空間が出来上がった後、神力の回復のために眠りに付いた俺はいつの間にか椅子に座っていた。真っ白の空間には何もなく、ただただ白だけが続く味気ない空間。神力の回復が思ったより遅く、魔力を使って地上界を観察しながら楓を探してみたが見つからず終いで今日まで過ごしていた。


「楓は、どうしたんだろうな。死んでしまったかな」


 外では百年の月日が経ち、徐々に復興の兆しを見せ始めていた。俺が知っている者は死に、次の世代が顔を見せ始めていた。もはや俺の知る世界はなく、ただ新しい世界を見つめることしかできなかった。きっと楓も寿命を迎えてしまっている事だろう。

 再び人類を観察しようとしたが不意に背後から暖かな気配を感じ取った。振り向こうとしたがそんな暇もなく抱きしめられてしまう。懐かしい声が後ろから響いてくる。その温もりに俺は涙を流す。


「先輩、やっと会えました」

「楓なのか」

「はい。ここにいますよ」


 紛れもなく楓であり、俺の大好きな女の子であった。大人っぽく成長した楓は俺の目の前で微笑みを浮かべる。俺に家族の温もりを思い出させてくれる大切な人。変わらないその温もりに俺も笑みを浮かべる。


「どうやってここに?」

「精神体になりました。一定以上の魔力を持っていたらなれるようですね。精霊に近い存在ですよ。それから神器をもらって」


 楓は俺にそれを見せてきた。それは仮面であった。その魔力には見覚えがある。魔神の力だ。魔神はこんなものを作っていたのか。しかし、人の世に神器が知れ渡ってるとは思えない。ということは、魔神が意図的に用意した可能性もある。どうやって知り、得ることができたのか興味はあるがまた今度にしよう。それよりも今は再開を喜ぶ時だ。


「そうか。無事なら良かった」

「先輩は変わりありませんね」

「ああ。俺はずっとお前を探していたんだがな。ついぞ見つからなかった」

「ふふ、そうですか。ねぇ先輩、あの時のこと、覚えてますか?」

「あの時?」

「はい。夢の中の出来事ですよ」


 それは俺しか覚えていないはずだ。もしかして思い出したのだろうか? そんな疑問を楓は肯定する。


「先輩、私はあなたのことが好きです。どうか一生を共に生きてくれませんか?」

「もちろんだ。俺もお前のことが好きだった。ずっと、ずっとな」


 人ではない、完全なる神になれど、この想いは変わらない。きっとうまくやっているはずだ。これから先、何が起こるかは分からない。それでも生きていくのは愛しい人が隣にいてくれるからだと俺は思う。


「ずっと一緒だ。隣にいてくれ」

「先輩は一人だと頼りないですからね」

「なんだよそれ。俺は神だぞ」


 いつか終わりが来るときまでずっと一緒だ。そう誓った。俺は楓に口付けをしてそして抱きしめた。もう二度と離さない。ずっと共に永遠を過ごすのだ。魔神は死にたいと思うようになったようだが俺はその二の舞にだけはならない。楓がいる限り、楓との思い出がある限り、俺はきっと人の心を持った神でいられるのだから。


 魔神は死に、世界は救われた。仮初めの平和は人々を平穏へと導いていく。けれど、いつかまた魔物達は人類に牙を向く。それまでに色々と整備しなければいけない。新たな使命を定めた俺は愛しい人と共に在れる喜びを抱きながらこれから先の事について想いを馳せた。


「さぁて、人類にはもっと強くなってもらうぞ」

「私もお手伝いしますよ」


 二人の指と指が絡みあう。俺は愛しさを爆発させてもう一度楓に口付けを落とすのであった。


▽▽▽


 それは後に大いなる神託と呼ばれることになる出来事だった。復興が進み、次世代へと移り変わった頃、突如として死神を名乗る神の神託が降りたのだ。死神はこう言った。


『我は死神。死を司る神だ。我は自らの力をもって世界にいる魔物を全てダンジョンへと封印をしよう。これでほとんど外で魔物が湧く事はなくなるであろう。しかし、ダンジョンに出る魔物はそうはいかぬ。よって、ダンジョンの管理を人の子に委ねる。管理し損ねれば死と滅びが待っているであろう。くれぐれも注意をすることだ。我はそなたら人の子に期待している』


 たったそれだけの言葉に世界は揺らいだ。ダンジョンは実際に作られ、魔物の数も激減した。ダンジョンには多くの魔物が出るようになり、管理を怠ればそれら全てが外に出る事が理解できた。人々は死神の信託の通りにダンジョンを管理し、守っていく事になった。

 人の世は更に平和となり、発展していく。安全な場所が増えたがために人の数も増えて文明も発展していった。元の文明に戻るまでどれほど掛かるだろうか。あるいは新しい文明ができるかも知れない。人々は魔力によって使える魔術の研究をしたり、スキルの力を解明をしていくことになる。

 これからは発展の時代。崩壊の時代は終わったのだ。人々は平和を謳歌し、平穏を楽しんだ。それがいつまで続くのかは分からない。しかし、それがいつまでも続くように努力していく。それが人のあるべき姿なのだから。



有り難うございました。少し見直してみましたがやはりつたない文章ですね。もっといい文を書けるようにしたいものです。では、次回があれば、また。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ