表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の白い結婚  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/112

彼の本領発揮だ

 私と舞踏会にやって来たエドガーは、私にどうやって、どのタイミングで手を出すかと考えていた。既に薔薇石英の件で共に仕事をしているので、信頼も得ている。どこかに連れ込むことは、たやすいと考えていたが。


 会場には想像以上に顧客のマダムや令嬢が多い。


 しかも初めて舞踏会の場に姿を現わしたのだ。

 皆、興味津々でエドガーに近づく。

 さらにいえば、マダムからすると若々しいエドガーとは、ちょっと遊びたい気持ちになる。つまり「ダンスを踊りましょうよ」というお誘いにつながる。


 ただの街の知り合いではなく、顧客の貴族達。

 無視はできない。

 散々、ダンスの相手をさせられることになる。


 ようやく逃げ出した時には、本当に疲れていた。

 喉が渇いていたのも事実。

 そこで軽食や飲み物がある部屋に向かうことを私に求めた。


 そして飲み始めた白ワイン。


 エドガーは普段からお酒を飲んでいる。

 でもそれは夜寝る前に父親と酌み交わす、アルコール度数の高い洋酒。

 それに比べると白ワインなんて、水のように思える……それは確かにそうだった。それでも何杯も一気に飲み干せば、酔いは回る。


 普段なら、その酔いのままにベッドに横になり眠ってしまう。

 だからエドガーは気づいていなかった。

 自身が想像より、アルコールに弱いことを。

 しかも酔うと饒舌になり、普段秘めていることをペラペラと話したくなることに、気付いていなかったのだ。


 こうしてエドガーは酔っ払い、気持ちもさらに大胆になった。

 本来秘匿しておくべきことを私に対し、話し始めてしまう。


 さらにこの時、ライルは私が宮殿で開催されている舞踏会へ来ていると、ベルナードからの報告で知ることになる。しかもエドガーを同伴して。


 ただ馬車にはフィオナが同乗し、エドガーと私は二人きりではない。


 舞踏会の会場では、私は薔薇石英の宣伝活動に勤しみ、エドガーはエドガーで顧客である令嬢やマダムの相手をしている。ゆえに何も心配するようなことはない……そうベルナードは報告したが。


 ライルとしては、気が気ではない。


 そこへ輪をかけるようにユーリが「舞踏会へ行きたい!」と我が儘を言い出したのだ。


 当然、いつもなら却下する。


 しかし今のライルは、彼自身も舞踏会へ行きたい気持ちになっていた。そこで「給仕の女性の姿になるなら、連れて行きましょう」と言うと、ユーリは盛大に抗議する。「ならばおとなしく指をくわえ、漏れ聞こえる歓談の声や音楽で満足してください」と冷たく言い放った。


 するとユーリは……。


 給仕の女性が着る黒のワンピースに白のエプロンを身に着けた。


 ライルは初めてユーリに対し、優位な立場になれたのだ。


 こうしてユーリを連れ、舞踏会の会場に到着すると。

 ベルナードともう一人の騎士にユーリのことを任せ、ライルは私の姿を探す。


 そこは歴戦の騎士団長としての動体視力と観察眼がある。

 狙ったターゲットを逃さないその目は、まさに騎士団の名を冠すイーグル・アイ。


 まず皆がダンスを踊るホールに私がいないことを確認する。

 続いて軽食部屋へ移動し、そこで気づく。


 サンルームに続くガラス扉。

 通常は施錠されているはずが、開いていることに。


 音と気配を遮断し、敵に近づく。


 これまたライルの得意とするところ。

 まさに彼の本領発揮だ。

 さらにサンルームにはソファや大きな観葉植物も置かれているので、そこに身を潜ませながら、様子を伺うと……。


 奥の方から話し声が聞こえる。

 ライルが聞いたのは、エドガーのこの言葉。


「ユーリのことは、社交界で噂になっていたので、名前だけは知っていました。でも見た目は可愛らしくても、性格は性悪。モテるから男なんて自分のいいなり……とでも思っていたのでしょう。これでも僕だって平民社会の中では、トップなんですよ。女に困ることはない。ゆえにユーリのなめた態度は……笑えましたし、これは少し思い知らさないとダメだと思ったんですよ」


 エドガーがユーリについて語っていることに、ライルは大いに驚くことになる。

 私がエドガーの膝の上にいる状態なのは、耐えがたい。

 だがエドガーは核心に迫る話を始めている。

 もし今動けば、エドガーは話を止め、核心について二度と口にしないかもしれない。ゆえにここで飛び出すのは得策ではないと判断した。


 勿論、私が大ピンチになれば。

 話の内容に関係なく、飛び出すつもりでいた。


 ともかくエドガーが語る内容を聞き漏らさないようにしていると……。


 サンルームのガラス扉が開いていることに気付いた警備兵が、姿を現わした。ライルは素早く合図を送る。ライルは騎士団の団長専用の白の隊服を着ていた。警備兵はすぐにライルだと理解し、手の合図を読み取る。つまり「声を出さず、待機」だ。


 こうして酔っており、注意力が散漫なエドガーは、ライル達に気付かず、饒舌に私に話し続けた。そしてユーリが現在どこにいるのか。それを明かしそうになったまさにそのタイミングで、ライルが動いたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ