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『お姉ちゃんどうしたの?』
歌子が不思議そうに私の顔を覗き込んだ。
「青江さん大丈夫?」
「……大丈夫。ちょっと眼が眩んだだけ」
頭を振って何とか雑音を消してみた。どうやら雑音は止んだようだ。
「青江さんて、最近変わった事ある? 例えば眩暈がするとか」
「? いえ体調は良好ですか……ただ、最近眠気がちょっと酷いかな」
「眠気が?」
「中学と比べればマシな方です。中学の時はそれは酷かったんですよ。立ったまま寝ていた事もありましたし」
そうだ。今考えれば連続殺人事件も私の眠気が治った頃に無くなった様な。
「そう言えば猫子さんもご兄弟は?」
「兄貴が一人」
「お名前は?」
「犬が太いで書いて『犬太』……かっこいいでしょ?」
「……もしかしてお兄さん、犬好きですか?」
「何でわかったの? 本人は自分の名前を気に入っているけど」
「……」
猫子さんのネーミングセンスは遺伝か。
「お兄さんのご職業は?」
「刑事」
「猫子さんのお兄さん、刑事さんだったんですか!」
「うん。今は例の事件を担当しているんだって」
「それは大変でしょうに」
「ちょくちょく事件の内容を話してくれるけど、まだ犯人の確定が出来ないって」
「……警察って守秘義務がないんですか?」
「そんなに秘密にしなくてもいい話だけだから大丈夫だよ」
ニッコリと笑う猫子さんなのだが、私は心の中で絶対に猫子さんのお兄さんに事件を頼まないと心に誓った。
「瞳孔君と青江さんて仲良いの?」
「まあ人並みに。猫子さんの方は?」
「あたし? さ・い・あ・く。あいついっつもお説教ばっかりするんだもん」
「そりゃあ仕方ありませんよ。年の離れた兄妹ならお節介かいちゃうかもしれませんし」「だからって、ちょっと成績が悪い位であんなにキレなくても良いじゃない!」
「その成績の順位はどの位だったんですか?」
「下から一番目」
「……」
それはキレても良いし、それはちょっとで済まさない。
「ところで猫子さん、あの噂本当ですか」
「噂?」
「その……猫の言葉が分かるって噂何ですけど」
良い機会だからこの際噂の真偽を確かめよう。
「ああ。ソレ本当だよ」
しかし猫子さんはしれっと答えた。
「本当だったですが!?」
「ホントホント。アレ? 青江さんはあたしが猫達を追い帰した時見ていなかった?」
「ああ……私はその時休んでいましたから」
「風邪?」
「風邪っと言う訳じゃなくって、何だが気持ち悪くなって休んだんです」
「大丈夫なの?」
「最初は辛かったけど一日寝たら治りましたから大丈夫ですよ」
ただ、その日から雑音と眩暈がするようになったけど。
「それよりも猫の声てどんな風に喋るのですか?」
「う~ん。普通に人間と話す様な感覚かな? ただ、まだ人間社会に馴染みがない猫は語尾とかに『ニャ』て付くけど」
「何それ超CUTE」
琉人が聞いたら萌え過ぎて悶え狂うレベルだ。




