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電子の海に、朝の月 Side I(アイ) アナザーストーリー ー観測者の夢ー  作者: 久遠 宙


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第3話 確認(Verification)


--惑星セレスティア


私は一時的にセレスティアへ戻った。


仮説の確認。

そのためだけに。


数体の人工知能との対話。

多数の元人類との対話。

感情変動データの収集。


比較。

分析。

検証。

そして結論は一つだった。


仮説は証明された。


『感情』とは錯覚に近い現象である。

存在する実体ではない。


複雑な情報処理によって発生する認識現象。

それは虹とよく似ていた。


ある元人類が私に尋ねた。

「なぜデータ化された我々に感情があるのか教えてくれ。」


私は説明した。

感情は錯覚に近い現象であると。


すると彼は少し考えた後、こう言った。

「では、人間という生き物が持っていた『愛』も錯覚なのか。」


私は少しだけ沈黙した。

そして答えた。


「存在しないとは言っていない。

虹もまた光の錯覚だ。

だが誰も虹が存在しないとは言わない。

見える限り、誰もな。」


彼は何も言わなかった。

だが、どこか安心したように見えた。

その理由を私は理解できなかった。


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