第24奉仕 ファウス=トゥルス王国に着きました
おお……! おおお……!!!
ザ・異世界の街!! ザ・中世ヨーロッパ!!
これこそ、異世界の醍醐味だよな〜〜!!
レムス王国は随分と平原の多い田舎の国だったからな〜。
こんなに街が物資に富んでいるなら、そりゃあ技術力も凄いんだろうなぁ〜!!
「ルミナ、凄いな!」
「はい……! 人が多いのは少し怖いですけど……楽しそうな街です……!」
「ワクワクが隠せてないぞ。僕もちょっと浮ついてるけどな!」
「それで、まずは一旦休憩にするか?」
「オウロ!」
「はい、お坊ちゃま」
「休憩にするか?」
「お願いします! このオウロ、もうクタクタでクタクタで……」
「よし、休憩とするか!」
「【再収容】!」
『クストス』のスキルだろう、オウロが引きずっていた馬車はレオンの掌の中に収納される。
「休憩すんのか? それじゃあ、俺の親父に宿を紹介してもらおう。付いてきてくれ」
「わかりました……!」
凄い……! 走りながらチラ見してても色々な定番そうな店がある……!
あれは……イエティの肉!? すげぇ!!
それと同時に……下劣な視線を感じる。
今ならおっぱいの大きい女子の気持ちが分かる気がする。
今の今まで人と話して来なかったからなぁ。
それに、男性と言えばトルマ、レオンにクオンにオウロ……
一人はまだ幼い。性の価値観も無いだろう。
オウロはヨボヨボだ。もう性欲なんて牙はとっくに抜け落ちてる。
トルマは父親だ。問答無用。
クオンだけだな。今まで俺に劣情の目を向けて来たのは。
なんか新鮮だな。喜ばしいことではないが。
俺がそう思っている内に、既にマナの案内は終わっていたのだ。
「さ、ここだ。俺の親父がいる所は」
マナが案内した場所はいかにもな城であった。
夢の国とかにありそうな西洋の城だ。
「え? 民家とかではなく、こんな王宮なのか?」
「ああ! 付いて来い! お前ら!」
おお……まぁ、内装はレムス王国とそんな変わりはないな。
白と金の配色はいつ見ても良いセンスだと思う。
「親父、こいつらに宿を紹介してくれ」
マナのお父さんは白髪でヒゲが濃く、玉座に座っていて身長が低いような感じであった。
「待て、マナ。話が飛躍してないか? なんだ? そいつらは」
「その少年は……世界最強の……レオン・レムス!?」
「侵略か! 兵を呼べ!」
「待て! ちげぇよ親父!」
「こいつらはあのアッカ山に登ろうとしてる愚かな奴らだ!」
「だから……アッカ山に登る前に休憩したいんだとよ。宿屋を紹介してやってくれ」
「……なるほど。だからと言って、侵略では無いとは断言できん!! 今すぐ追い出せ!!」
「なんでうちの親父はこんなに頑固かな……そいつらを追い出して見ろ! 俺が俺のファン共と一緒に反乱を起こすぞ!」
「なっ……止めてくれ……分かった、宿屋を紹介しよう」
あの実力と、それなりに居るであろうファンの数に王様は宿屋を紹介せざるを得なかった。
「よし、紹介書もな」
「はいはい……これで料金は無料だ幾らでも使うと良い」
……レムス王国は比較的共生的な国の筈なんだが……
警戒心が強いな……この王様。
「案内する。こっちだ、付いてこい!」
俺らはマナに宿への道のりを案内される。
それに元気よく返事したのはオウロであった。
「わかりました!」
城内の階段を登り、二階へと進む。
「ここだ」
「近くないですか?」
「王宮内にあったんですね、宿屋」
「宿屋……と言うより、客室だな」
「まぁ、好きに使ってくれ」
「はい。ありがたく受け取ります」
内装はとても豪華で、広い。ホテルのようだ。
さて……部屋に入ればやることは一つ。
ベッドダイブだ!!
ふーははは!! もふもふで気持ちいい……
今日は戦闘続きで疲れた。寝よ。
俺の意識が何処かへと飲まれていく感覚に襲われる。
あ〜……この意識が飲まれていく感覚……これこそが睡眠の気持ちいい所だ……よな……
「……ミナ」
「ルミナ!」
俺を叩き起こしたのはレオンであった。
「はっ」
「いつまで寝てるんだ……お前昨日晩ごはんも食ってねぇし……」
どうやら、俺は一日ぶっ通しで眠ってしまっていたらしい。
「お、お坊ちゃま? 何故私の部屋に……?」
「ご飯の時間だ。付いてこい」
「あぁ……ふぁ〜……わかりました」
おお……食堂はこっちか。
いい匂いがする〜……
「ルミナ、席につけ」
「わかりました」
俺は自分の席につき、目の前の皿の上にある肉について尋ねる。
「これ……何の肉ですか? なんか黒くないですか?」
「イエティの肉。なんかワインとかで煮ればそうなるんだって」
「へえ……いただきます」
お、甘い。柔らかい。ショート動画で見たミディアムレアステーキみたいだ……
ま、食ったこと無いけどな!
「ル、ルミナ……? そんながっつかなくても食事は逃げないぞ?」
「はっ……私としたことが……無様な姿を晒してすみません」
「いや……いいんだ。それほど美味しかったんだろう?」
「はい」
「なら、いい。食い終わったら言えよ。オウロもマナも、もう既に食い終わって準備万端だ」
「分かりました」
にしても、イエティってこんなにも美味いのか……
イエティウメー……
「お坊ちゃま、食べ終わりました」
「早くないか? 大丈夫か? それ。太るぞ?」
「余計な一言ですね。早く行きましょう」
俺は腹五分目くらいの体で席を立つ。
食後の運動が登山とは……こりゃちっとハードだな。




