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38話 賽は投げられた

ノアはゴーレムから物色して手に入れた鍵を手に取り、鍵を開けた


その瞬間、唸るような振動と共に扉が自動的に開いていき、その中からは目を疑うほど大量の書物が丁寧に保管されている様が顔を見せた


この中に、クレイム総理の筆跡記録が必ずあるはずと意気込みながら、ノアはこの大量の書物を一つ一つ物色していった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アレスは南門を入り、一歩一歩地面を蹴りながらセンターへと向かった


「グリフォンは討伐しました」


センターに着くと同時に、先ずアレスはギルベルトに任務の結果を報告した


「そうですか、お疲れ様でした、1日に2度も任務が続いて、お疲れな事でしょう、今日は休んd…」


ギルベルトが言い終わる前に、俺は彼が手を当てている机を強く叩いて、宣戦布告でもするかのように言い放った


「そう言いながら、今日中にどうせあと一回くらいはあるんでしょう、任務…申し訳ないですがそれは無理です、さっきの任務で超越光速を使い切ったし、今日また戦えるだけの魔力なんてもう残っていない」


それを聞いたギルベルトは、あたかも信じ難い話を聞いた直後のような顔をした


グリフォン如きに俺が超越光速を使い切るとは思ってもいなかったのだろう、実際その通りだ


「もちろんこれは、グリフォン相手に超越光速を使い切ったのではありません、これと遭遇してやられたんです」


そう言ってアレスは、バイアの死体が収納された端末をギルベルトに差し出した


ちなみにこの時俺は、ノア様が悪魔を倒してくれたとは言わなかった、ノア様に余計な疑いを向けさせないためだ


「…………!これは!!!」


ギルベルトはそれがなんなのか一瞬わからなかったようだが、よく観察してみるとすぐに中になにが収納されているのかわかったようだ


「これは…悪魔、ですか!?」


「はい、この中には間違いなく悪魔が収納されています。マスター、ナスカン森林に悪魔が現れたなんて、王国が建国されてから一度も報告されていませんよね」


切り込むようにアレスが話す


「そう…ですが」


「つまり、この悪魔はつい最近この森に現れたという事になる、つい最近あの森で起きた異常現象…何かわかりますよね?」


脅すような物言いでギルベルトに詰め寄るアレス


「………あなたの言いたい事はわかりました、けど、それを私に話して何になると言うのです?悪魔を見つけて倒してくれた事については感謝します、そして勿論、この死体は研究所に私が納めます、ただ、あなたはそれ以上なにを私に望んでいるんです?」


ごもっとも、それでいて突き刺すような言葉の連投だ


「俺はあなたがどう思うかを聞いてるんです、国からの仕事で、戦士に任務を受け渡す立場にあるあなたの意見を。仮にこの悪魔が一連の事件を起こした張本人だとして、ナスカンはそれを正当に裁くと思いますか?」


ギルベルトはしばらく困惑したように沈黙した後、俺の詰めいるような質問に答えた


「……なぜそのような質問をしたのかはわかりませんが、まぁいいでしょう。次回の国運天秤裁判では、この悪魔の死体が証拠として提示されるのは間違いないでしょう。それがアイラスパイ説を覆すほどのものであるかどうか…この悪魔が犯人になるかは、それ次第です」


台本のように淡々とそう言って終わった


俺はやっぱりこいつが嫌いだ


その後もしばらくこいつと対面していたが、埒が開かなくなると思い、それ以上はなにも聞かずにさっさとセンターから出ていった


外はやはり青空が広がる晴天ではあったが、それにしては妙に風が吹き荒れていた


覚悟を決め、国と戦うと意気込んだまではいいが、今になって無性に不安になってきた


本当にうまくいくのだろうか、勝つことはできるのか、取り憑かれたようにその事ばかりを考えている


だが大丈夫なはずだ、大丈夫だと信じる事が大切なのだと、ノア様に教わったばかりじゃないか


大丈夫だ大丈夫だと、何度も自分に言い聞かせる


震えている心は、確かに勇ましいものだという確信は、確かにあった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やっと見つけた、クレイム総理の筆跡記録、やはりあったのか…」


思わずそう呟いたしまうほど、私がこれを見つけるのに時間がかかってしまった


6時間…永遠に終わらない地獄を見させられているような気がした


膨大な数の資料からこの短時間で筆跡記録を見つけられたのは奇跡と言えるだろう


私は昔から、物を探して見つけるのが苦手だ


この間も、最近買った小説を読もうとしたがどこにしまっておいたかを忘れて、2時間ほど探し回っても見たからなかったのに、実際は物陰に隠れて見えていなかっただけで、少し考えれば3分も経たずに見つけられるような場所にあった…という事があった


こんな事を当たり前のように繰り返している


けどまぁ、見つかったからよしとしよう、2つ目以降を調べてもいいが、更に時間がかかりそうなのと、別に必要なものでもない為探すのはやめる事にした


後はアレスの言っていた、破壊された牢屋跡…それを確認しに行くとしよう


後少し、後少しで、以前とは違う、確実な証拠が揃うはずなのだ



その頃、ある3人の戦士が、偶然、森の奥で、いつ、誰が建てたのかわからない、城のような建物が発見された

アレス全然戦ってなくねって思った方、では貴方は理不尽に抗えと言われて、すぐに国と戦いますか?

評価・ブクマ、よろしくお願いします!

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