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8話:テスト

もうすぐ一学期が終わる────それは、夏休みが始まるという印であり、期末テストがあるという印でもある。


皆、1位をとるべく必死に勉強している。


それは、一宮元春も同じであった。


俺は、入試、中間テスト、小テストというあらゆるテスト全部1位をとってきたのだ。


だから、この期末テストも一位をとるべく奮闘しているのだ。


そんな俺を見て、「一宮、勉強しなくてもどうせ1位だろ。」なんという愚か者共も見たのだが、俺が目で一括すると、ビクッと怯え、立ち去っていく。


勉強せずに1位をとれるなら、そいつは正真正銘化け物だ。


俺だって、平日は少なくとも8時間は勉強している、休日なら16時間はしている────会議中も暇なので勉強している。


この前とか、郷にバカにされて集中出来なくて最悪だったんだ。


『────で、この前ニートル地区を襲った敵のことだが、何か最近の敵に違和感を感じないか?どうだ、郷…実際戦ってみて…。』


藤堂嶺太郎がいつも司会をしている。


『確かに最近の敵は、異常に再生能力が高かったり、ん?おいっ、元春…お前何してんの?』


「勉強。」


『勉強って随分と学生らしい生活してんじゃねーか。』


「いや、俺学生だし。ってか、勉強の邪魔すんなよ、郷。」


『ハハッ、優等生やってんのな?』


『おーい、郷…無駄話すんな。』


にこやかに郷の頭を掴み、そのまま机に叩きつけるNo.3────場の空気が一気に静まる。


元々うるさかったのは郷、1人だけだったしな────


『いってーよ!藤堂っ!』


『うん?だまろーか?』


『あっ、はい。』


何かを悟ったのか、思い出したのかよく分からないが、郷はプルプル震えながら、その後ずっと大人しかった。


二人の間に何があったのか気になった俺だが、勉強に集中した。


「…ンー、良くわかんねーな。」


「どうした?どこが分からない?」


No.1のシバルバーが俺にそう聞いてきた。


どうやら、俺に勉強を教えてくれるようだ。


「えっと、ここの術式にほかの系統の術式を加えたら、失敗するはずなのに何で成功すんのか、どうしても分かんなくて…。」


「ふむ、それは…その前にお前はこの2つの術式を見て何も分かんないのか?」


「えっ?分かんないけど…。」


「…そうか。一宮元春、お前はどうやらまだ勉強不足のようだ。いいか、この術式、基になっているのは蒸気を使った魔法…そして、ほかの系統と言ったが、実はお前が見ている術式全部、元となっているのは…。」


「あっ、酸素だ!」


「そうだ。蒸気は酸素と水素が結びつき、温めることで発生する。よって、酸素を基にしている。だから、全部酸素を基としているからその実験は成功したんだ。」


「なるほど!!ありがとう。」


「ああ。お前は、しっかり落ち着いて考えれば解けない問題はないだろう。だから、落ち着いて解くんだ。」


「ありがとう。テストこれで満点取れそうな気がする!」


俺は、その後も分からない問題があり、シバルバーに教えてもらった。


シバルバーの教え方はすごく丁寧でわかり易かった。



❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁

テスト当日。


「…ふぅ、やっぱテスト前だとすげえ緊張すんな。」


「相変わらず、一宮は真面目なんだな。まあ、そこが好きなんだけどね、私は。」


そう言って、朝っぱらから女子に免疫力のない俺に抱きついてきたのは風元雪音だった。


「風元、お前もテスト受けんの?」


「もちろん。…それより、私のことは雪音って呼んでよ、もーとーはーるぅー。」


「こほんっ、…。」


一つ咳払いをする佐倉花菜。だけど、俺達は気付かない。


「わわっ、抱きつくなっ!頭ん中が真っ白になるだろっ!」


「えー、何で?」


「こほんっ、…。」


2度目の咳払い…またしても気付かない俺達。


「ちょっ、俺は同い年の男子とか、女子とあんまり話したことないからどう話せばいいのか分かんねーんだよ。」


「え?まさか、元春…コミュ障?」


「まっ、まあーな…。だから、そろそろ離れてくれ。」


コミュ障だと認めれば、雪音もどいてくれると思ったのだが、俺が甘かった。


「じゃあ、まず手始めに私で慣れなよー。」


「いや?遠慮したいかな〜。」


「えー?なんで?」


ダアアアンッ


机を叩く大きな音が教室内に響く。


その瞬間、みんな一斉に音のする方────それ即ち、教卓の方へ目を見やる。


すると、教卓にはヒビが入っておりそのヒビを入れたと思しき手を視る。


その手は、とても綺麗で男性には見られないスッキリした手だった。


そして、手からだんだん上を見ていくと、苛立ちをあらわにする佐倉花菜の顔があり、全員佐倉花菜と目を合わせないように教科書や参考書などを見やるのだった。


もちろん俺も。


すると、佐倉花菜が俺の方に少しずつ、少しずつ近寄ってくる。


俺は、泣きたい気持ちになった。


(ひえええっ!助けてっ!)


周りのみんなの心情は、と言うと。


(一宮元春、生きてたら友達になるよ。)


(一宮君って見た目ほど怖くないし、それにコミュ障って言ってたよね…何かかわいそう。)


(一宮、骨は拾ってやる。)


(一宮元春、お前の分まで生きてやる!)


などと少しばかり…いや、かなり自分勝手な野郎どもだが、一応同情してくれるらしい。


「ご…主人…。女とばっかりいちゃついてんじゃねえ…ですよ。」


「あっ、あの?!佐倉花菜さんっ?!」


「…なんでしょうか?」


「さっきから、殺気ダダ漏れですよ?!」


「何ですか、ご主人…そのツマンネーダジャレは?」


「いやいや、俺別に笑わせようとか思ってないしっ!」


「あー、今日は何でこんなに暑いんでしょーか?」


「いや、昨日より気温は低いよっ?!しかも、暑いのはもともとだしっ!だって、季節考えてよっ!今、真夏だよっ?!!」


「…そーですか。じゃあ、私は寝…ま…す…。すうっ…。」


いきなり倒れたかと思ったら、佐倉花菜は寝ていた。


しかも、俺の側で…(見えちゃってんだよっ、コノヤロー(照))何が見えてるのかは、あまり触れては欲しくない。


俺は、サッとシャツを脱ぎ(この学園のシャツ男子は黒で助かった)、佐倉花菜のスカートの下からのぞくそれを隠すためにかける。


そして、おれは佐倉花菜をお姫様抱っこして、校長室にダッシュで向かう。


「校長先生、いきなり佐倉花菜が倒れたんだけどっ?!」


「あらあらー、まあた花菜…夏バテしちゃったのねー。」


「はっ?夏バテ?」


「そう、夏バテ。」


「夏バテで人間…こんなにいかれるもんなんすか?」


「ええ、花菜の場合他の人より症状が重くてね。そうだわ、看病してあげてちょーだい。」


「ハイッ?!俺、これからテスト…なんすけど…。」


「うーん、それもそーね。じゃあ、テスト終わったらまたここへいらっしゃい。」


「…ええ…めんどくさい。」


「ん?何か、言った?」


「いえっ、別に…。」


俺は、校長先生から目をそらす。


それが、俺の唯一の抵抗。


そして、テストは無事全部終わった。手応えありだ。


俺は、鼻息混じりに校長室の扉をノックする。


コンッ、コンッ


「どーぞー。」


「失礼します。そして、失礼しました。」


「こらこら、来たばかりでなぜ帰ろうとする。」


「ハハハー、ジョークですよ、ジョーク。」


「フフッ、まさか君がジョークを言うとは、ね…。」


そう校長先生が言った後、俺は寒気がしたのでさらに早々に立ち去りたくなった。


「もう、帰っていいですか?俺、この後すぐに空港行ってラハマーカンに行かなきゃいけないんですけど。」


「まあ、そうつれない事を言うな。」


「……。」


「実は、君に頼みがあるんだよ。」


「…嫌です。」


「いや、そこは『頼み?』って言うのが相場と決まってるはずなんだが?」


「すみません、俺の場合…めんどくさそうな事は早めに断れ、が相場なんで。」


「ハハハ、君は相変わらず面白いっ!」


「………。」


「実は、君への頼みとは、ね…。私の娘…佐倉花菜を十年前に救ってくれた少年を探して欲しいんだよ。」


「は?」


俺は、校長先生の言ってることが理解出来なかった。


いや、言ってることは理解出来たのだが、なぜ俺が探さなければならないのかが、理解出来なかったのだ。


「じゃあ、少年の特徴を言うぞ。」


「ちょっ、待って!何で、何で!俺なんすか?!」


「君が、いいと私が判断したからだ。」


俺は、校長先生の瞳を見てもう何を言ったって無駄だと思い、その頼みを聞くことにした。


但し、その少年を探すのは明日…それに当たって学校を休むがそれは、公欠にして欲しいと頼んだ。


俺は、まだ知らない。


その少年探しにより、俺のハーレム作りが気づかないうちに出来上がっていくことを。

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