表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちで最強な俺はハーレムをつくろうと決意したが…。  作者: 柴燈烈夏
ぼっちですが何か?
5/20

4話:憤怒

俺が、目を覚ましたのは寝てから8分45秒後のことであった。


目覚めたの俺の目に売ったのは、青白くなって倒れている伏本凛。


そして、俺のボディーガードである佐倉花菜も青白くなって倒れているという光景だった。


寝ていた俺には、何があったのか分からずにただただ後悔するしかなかった。


「俺が、俺が…もっと強かったら、こんな敵瞬殺出来たのに…そう、第一席のアイツみたいに強ければ!クソっ!何が、世界最強10人組の第6席の一宮元春だよ!クソくらえだ!自分の力にうぬぼれ、傲慢になった俺は、くそ以下だ!」


俺は、地面に崩れ落ち絶望と怒りの狭間にいた時、敵が凛と花菜を食べようとしているのを見て、俺の感情は絶望に傾いていたのだが────


怒り…


それではぬるい、俺の感情は完全に憤怒と化した。


「おいっ、お前!何、俺の大切な奴らを食おうとしてんだ!そいつらを殺したら、俺は地獄の底にお前を突き落としてやる!」


「ぐぬぬぬぬっ。」


敵は、俺を馬鹿にしたように笑い、嘲る。


「…俺さ、お前と最初に戦ってる時から思ってたんだけどさ…お前只でさえ外見キモいのに、言葉もキモイって生き物として終わってるよ?」


俺は、いくら敵だとしても、敵が可哀想になるくらい汚い言葉を使う。


そんな俺の言葉に敵もいらだちを覚えたようで…


「ぐるるるるっ!!」


怒りに満ちた声を出してくる。


今度は、俺が嘲る。


「ハハッ、敵の兵器として利用されているお前にも感情があるんだな?だったら、今の俺の気持ちわかるだろ?」


「ぐるっ!」


「俺の嫌いなこと、何か分かる?」


「ぐるっ?」


「大事なやつを傷つけられることだよ…。つまり…さ、お前はやってはいけない事をやったんだ。分かるか?」


装甲の硬そうな敵の額?らしきものから冷や汗が溢れる。


大抵の人間には、この虫型の敵が化け物に見えているかもしれないが、この場で一番の化け物は俺、一宮元春だったのかもしれない。


敵が、後ろに後ずさり逃亡しようとする。


しかし、空を飛ぼうとした瞬間、敵の羽が俺によって切り落とされた。


敵は、落下するが、羽などの損傷部分は回復する。


それを俺は、また切った。


敵が再生する。


俺が、切る。


こんな事を100回以上続けた。


そして、遂に敵は再生しなくなった────


敵は、怯えていた。


死を覚悟できずに…。


そんな敵を俺は、容赦なくぶった切った。


「ぐるるるるっ!」


敵が雄叫びを上げるが、その声は虚しく命とともに散っていった。


俺は、敵が全滅したことを確認すると、すぐに伏本凛、佐倉花菜のもとに駆け寄り、2人の治療を始める。


俺には、なんと便利な医術の魔法が使えるのだ────


チートと言われれば終わりかもしれないがな────


但し、その魔法を使う時、少し気が引けるのだがキスしないといけない、医術魔法を使う相手に…。


まあ、今回は美少女2人だからいいのだが…


郷龍蜂にこの魔法を使う時はきつかった。


なんせ、郷龍蜂は男なうえに、300歳いってるおじいちゃんを超えたおじいちゃんなんだからな。


見た目は、50前半くらいだがな。


とにかく、今は少しでも早く2人から毒を取り除かなければならない。


俺は、2人の唇にキスをする。


2人の唇は、とても柔らかっ…


ていう話は置いといて!


2人は、目を覚ます。


「ん…。アレ?死んでない。」


「どーいうこと?」


俺の肩は、ビクッとなった後、プルプルと震え出す。


そんな俺を見て、2人は心底不思議そうな顔で問う。


「ねえ、どうして私たち死んでないの?」


「それに怪我まで治ってるよ?」


俺の表情筋が強ばっていく。


乾いた笑いしか出てこない。


この2人に俺がした事がバレた時のことを思うと…。


「いや、じっ実はな、俺にはチートと呼ぶにふさわしい治癒魔法があるんだ!それで、2人をパパっと治癒したんだよ!」


2人は、素直に感心した顔をし、次の瞬間興味深そうに俺に顔を近づける。


少しでも動いたらキスしてしまいそうな距離だ。


俺は、ドギマギし、全身から冷や汗が溢れる。


「へえ!凄い!私にもその魔法教えてっ!」


「私も!」


「いや、そのッ、ちっ近いから!」


(ひいい、誰か助けてくれっ!)


そう俺が心の中で叫んだ時、まさかの救世主が現れた。


「よおっ、6番!」


俺は、今俺の目の前に現れた男の正体に目を見張る。


「郷!なっ、なんでお前がここに?!」


「いやぁ、1番がもしかしたら一宮元春だけでは今回の敵は倒せないかもしれない、だから、念のために俺も行けだと…。」


「ふーん、来なくても良かったのに、ってか、もう終わってるし。」


「でも、お前にしちゃ珍しく傷つきまくってんじゃん。」


「べっ、別に!油断してただけだ!」


「…へぇ、それにしても長生きすると珍しいもん見れるようだな。」


俺は、怪訝そうに眉をひそめる。


「あ?何言ってんだよ。」


「いやぁ、珍しいじゃないか、6番が女子に囲まれてんの。」


「…確かに、なかなかいい空間だぞ!」


そういった瞬間、花菜と凛に肘鉄を食らわされた。


「ちょっと、今日の主人はカッコいいと思ったのですが、残念です。私の勘違いだったようです。ってか、主人には一生恋人できないでしょうし、友達すらも居ないままでしょうね!」


花菜は、そう言ってズカズカと学園の方に帰っていった。


そして、それを追いかけるように凛も俺に文句を言って去っていく。


「ほんとに今日の一宮くん、カッコイイって思ったのになんか裏切られたかんが半端ないよ!」


二人の姿は消え、俺は300歳のヤローと二人きりになる。


(最悪だあああああっ!今日は、今までで一番の最悪な日だ!)


郷は、というと高らかに笑っているのだった。


────ってか、コイツのせいで俺は2人に嫌われたんだよな…。


クソっ!


絶対、郷を俺は上手に殺してやる!


俺は、目に涙を浮かべこっそり物騒なことを決意するのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ