13話:美少年ねぇ…
寛西のせ…おかげで本来の目的を忘れるところだった。
俺達は、今花菜が昔助けてもらったという佐倉花菜の初恋の人を探しているところだったんだ。
「なぁ、声とかどんな感じだったんだ?」
「…声変わりしてるでしょう?考えて下さい、ご主人。」
「まぁ、そ〜だよな。…ってか、今こうしている間にも学校の授業は、じゃんじゃん進んでんだよな。」
「まぁ、そ〜ですね。でも、単位的には私達、大丈夫ですよ。私たちは、こうして佐倉花菜を救った恩人を探すことで、単位取れてるわけですから。」
佐倉花菜は、にっこり微笑む。
…が俺は、それどころじゃない。
「いやいや、単位も大切だけど…学校のテストあんじゃん!俺、一位取れるかな…。首席キープしなきゃいけないのに。今からでも教科書見て、俺が習った次のとこから見てって、復習もしなきゃだから。」
ブツブツ呟く俺と、それをため息交じりに見ていた佐倉花菜。
(ご主人は、心配症すぎると思う。ちょこっと勉強すればご主人、結構いいとこまでいけるのに…。)
その後の俺達は、無言だった。
一言も話さない。
二人の間には、思い空気が流れ、沈黙という地獄だった。
流石に俺も、気まずくなり何か話そうと、ネタを考える。
(まずい…。俺は、女子とまともに話したことない…。だって、今までぼっちだったし、それに花菜もボディーガードっていう仕事無かったら絶対俺なんかと話さないだろーし。何か、1つでもいいから話題を…。)
俺は、腕を組む。
すると、花菜がクスリと笑う。
「ん?どーした?何を笑ってる?」
そう聞くと、花菜は声をあげてケラケラ笑った。
「ご主人、考えすぎです。話す話題探しでもしてたんですか?」
花菜は、鋭いところを指してくる。
「ぐッ!べっ、別に探してないもん!」
「ご主人、キモイです。話し方が女子みたいになってます。」
冷えきった目で見つめてくる。
そんな花菜の背後には、黒すぎると言っても過言ではないオーラがあった。
「こほんっ。すまん。図星だったからな。」
「フッ…やはりですか。」
花菜が鼻で笑った。
─────あっ、今ダジャレ出来た。最高作!
「なあなあ、花菜!」
「なんですか?つまらないダジャレでも言ったらぶち殺しますよ?」
「あっ、すみません。何でもございません。」
(くっ、鋭い!今日の花菜は、どこか鋭すぎるぞ!)
俺は、心の中で花菜を睨む。
実際にそんなことやったら、後が怖いからな。
「あっ、ところで…さ…。」
「はい。なんですか?」
「俺って、いつになれば帰れるのかな?」
「言ってませんでしたか?見つけるまでですよ。」
俺は、内心(うげっ、見つけられる気がしねぇ)と思っていた。
「花菜…お前、だいたいの見当は付いてるんじゃないのか?」
そう聞くと、花菜は珍しく俺に関心しているようだった。
「ご主人にしては、鋭いですね。」
「まあな。」
「ありますよ。5つほど。」
花菜は、そう言う。その顔は、恋する乙女の顔だった。
「…じゃあ、今からそこに行くぞ。」
「ありがとうございます。」
花菜は、少し照れくさそうに笑う。
そんな彼女は、とても可愛いかった。
だけど、そんなこと本人に言えば、俺の命はないだろう。
そういう訳で俺は、云わなかった。
「そう言えば、人って声も変わるけど、顔も変わるよな?そいつ、今もイケメンとは限らねーぞ。俺も昔…」
そう言って、俺は思い出す。
あの日のことを…。
次回は、6月4日に更新する予定です。宜しくお願いします。




